犬を飼うということ

いつまでも君と……

ある日のこと。帰宅したら、そこには犬がいました ~ラフと歩く日々 第1話~

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撮影&文:樫村 慧

1999年8月5日――
ゴールデンレトリバーのサンタを、熱中症で死なせてしまった。
まだ3歳だった。

ゴル(ゴールデン・レトリーバー)のブリーダーさんから譲ってもらったサンタの父親は、いわゆるチャンピオン犬。母親もとても美人で、スラッとスタイルの良い子。そんな両親から生まれたサンタは、水色のリボンをつけて、6頭兄妹の中で1番元気の良い子だった。

その頃、まだ小さかった、知的ハンデのある二男がしゃがむと、彼の腕の中に飛び込んできた子がサンタ。
「この子にしよう」と主人は決めた。

ハンサムな顔立ちで、足もスラッと長くかっこいいゴルにサンタは育った。気が強く、お留守が長いとリビングの真ん中にウンチをした。スリッパも毛布もあらゆるものを破壊して、ヤンチャだった。

そんなサンタを死なせてしまってから、家族の中で犬の話をしなくなった。主人には話さなかったけど、悲しい顔をしたサンタの夢を半年に一度は見た。その夢から覚めると涙が止まらなかったし、どうして死なせてしまったのかと、いつもいつも自問自答した。

二男が小学5年生になった頃、彼が行方不明になってしまった事があった。主人が家の前で洗車していて、そばで遊んでいた二男が消えたのだった。私は自転車で、
主人は車で探しに出た。

ちょうど会ったお隣の奥さんが「◯◯君、犬を連れた人の後ろを歩いていたわよ」と教えてくれた。
自転車で馴染みのスーパー近くまで行くと、二男がフラフラと歩いていた。

「犬がいたんだよ、散歩してたよ」

それから半年くらい経った、9月の3連休初日。単身赴任先から帰宅していた主人に二男を頼んで、私はエアロビ教室に出かけていた。いい汗かいて帰宅すると、なぜか主人も二男も長男の部屋に集まっている。

「どうしたの?」
部屋を見渡すと、中途半端な大きさの貧弱なゴールデンが、ちょこんと座っていた。
「へっ???」
驚く私に主人も長男も笑顔。二男はそのゴルを撫でていた。
「だってさぁ、ホームセンターのペット売り場の端っこに置かれた、段ボールに入れられてたんだぜ。上にビニールがかぶっていて穴が開いててさぁ。売れないんだよなぁ、もう大きいから。放っておけないだろ、どう考えても」

目が点になりながら、心の中で私は言った――
「単身赴任だよねあんたは。バカなの?」

その頃の写真が残っていないのが残念なくらい、ラフは貧弱だった。
でも、顔立ちは愛嬌があって可愛らしい。

主人はよく「サンタはハンサムだったけどなぁ、ラフは売れ残り3万円だしなぁ」と言っていた。足も短いラフを、主人は「道産子」と呼ぶ時もあった。
それでもなぜか私は、ハンサムなサンタより、とぼけた顔のラフが気に入っていた。

平日のお散歩は全て1人で、本当に大変だった。でもラフは性格が穏やかで手のかからない犬だったので、何とかやっていけていたのだと思う。
週末に戻る主人が、通院やドッグランなどに連れて行ってくれていた。四駆の車に二男とラフを乗せて、キャンプなどにも出かけていた。

3年ほどして単身赴任先から自宅に戻ると、ラフは主人にべったりになった。仕事からの帰宅は遅めだったけど、夜中でもラフを連れ出していたし。主人がお酒を飲みながら読書をする傍らには、いつもラフが居た。

ラフは主人の事が大好きだった。主人もラフを溺愛していた。

 

――つづく――

 文:樫村 慧

 

――次話はこちらです――

 

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