うちの子がうちにくるまで|No.11
ウサギさえも、飼うことを許してくれなかった旦那。
その旦那から、ある日電話がありました。
「ミニチュアダックスの仔犬が欲しい人居ないかと電話が来た」
と言うのです。「えっ!!飼っていいの?」
家族の反対を押し切って、犬を飼った方は多いと思います。
反対する理由は様々でしょうが、実は反対は、犬への”強い思い”の場合も。
さて、ハードルを越えた先では、なにが起きたのでしょうか?
ミニチュア・ダックスフントってどんな犬?|ご主人が犬を飼うのに反対|飼ったら何が起きる?
最初、家族は反対していたのだけれど
2013年7月6日夕方のことです。
私にとって、嬉しい大事件が起きました。
旦那から電話が掛かって来て、「ミニチュアダックスフンドの3ヶ月の仔犬欲しい人居ないかと電話が来た」と言うのです。
私は頭が混乱しました。何故かっていうと、旦那はずっと犬を飼う事に反対だったからです。
「えっ!!飼っていいの?」
「うん!!」
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実は私は、子供の頃からずっと犬が飼いたくて、でも両親は犬を飼う事と許してくれませんでした。だからヌイグルミに新聞紙を巻いて、紐をつけて外を歩いたりしていました。近所に柴犬や秋田犬の仔犬が産まれると、よくそこに遊びに行きましたね。
母には何度も「飼いた」とお願いをしたのですが、その都度「駄目」の一言です。ウサギさえ飼う事が許されませんでした。
私は40歳過ぎ迄働いていたのですが、体調を崩してしまってドクターストップが。落ち込んで寝込んだりしている私を、母は可愛そうと思ったのでしょうね。そこでやっとウサギの許しが下りました。
もう、可愛いのなんの!!
あんなに反対していた両親までもが、「可愛い!!」って言って、私のウサギなのに返してくれなかったほどです。
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話がそれましたね。
結婚してからも犬は飼えませんでした。旦那に飼いたいと言っても「飼わない」の一点張り。「家の神棚の神様はお稲荷樣だから駄目」と父親から言われていたのだと……
本当は動物が大好きな旦那。最後の別れで泣くのが嫌だというのが、きっと本音だと思います。だって旦那は、旦那の実家では捨て猫を拾って、2匹も飼っていたんですから。
旦那にミニチュア・ダックスの話をくれたのは、旦那の一番上のお兄さんです。
長兄、次兄ともに犬を飼っていて、私が犬を飼いたがって居るのを知っていたから、うちに矛先が向いたようです。
きっと旦那もお兄さんたちに勧められて、心が動いたんだと思います。
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実はその頃、私の母が病気で、私は実家に泊まり込んでいました。
だから、犬を飼うとしたら、しばらくは実家で面倒を見なければなりません。
母に相談したのですが、予想通り、頑として駄目。
「取り敢えず見に行くだけ」
そう言って、旦那とお兄さんと一緒に、里親探しをされている方の家に。
ピンポンを押したら、走って来ました来ました。2匹の仔犬と、そのお母さん犬の桜ちゃん、お父さん犬の、こいたろうちゃん。
もう、てんやわんやでした。
どっちの仔?
私が抱いている仔の方。
その頃の名前は空。うちに来てからてんてんになる子です。
1度抱いたらもう離せません。
私は覚悟を決めて、その子を実家に連れて帰りました。
母は怒る怒る。「見に行くだけと言ってたのに!」と。
「お母さんより犬を選ぶの!!」とまで言われました。
でもね、今迄ずうっと母の言う事聞いてきた。今回だけは譲れない!!
それが2013年7月6日の事。
私は自宅から実家に、ウサギの梅を連れて行っていました。
母は梅を可愛がりますが、てんてんのことは、嫌って触ろうともしません。
でもね、てんてんはそれを知ってか知らずか、母のいるソファー行って、うたたねをしている母の側で寝るんです。
たまらず私は母に、「梅を依怙贔負している!!」と言いました。
この言葉で母は180度変わりましたね。
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結局てんてんは、一か月ほど実家にいて、それから本当の自宅に戻りました。
それで、その母なんですが、今では毎日てんてんに会わないと寂しいというので、私がわざわざ毎日、車で連れて行きます。
母は、てんてんとの散歩が楽しくて仕方がないんです(笑)。
ここ迄変わるか? と思う程に変わりましたね。
うちでは、てんてんを可愛がるだけでは無く、躾も勉強しながらしました。
去勢手術も悩んで、悩んで、悩んで、悩んで受けました。
永生きして欲しいから。ずっと元気でいて欲しいから。
旦那は帰宅するときは、「テ~ンテ~ン」と言いながら家に入って来ます。御飯も自分のあげようとするので私が怒ります。とっても可愛がってます。
最初は犬は飼わないっていっていたくせにね。
今では皆に愛されているてんてん。
雷が怖いのに、怖いと鳴かず下血してしまう程の小心者で、内弁慶のてんてん。
私にとっては息子です。
命に変えても惜しくない、可愛い私の息子――
――てんてんがうちにくるまで|おしまい――
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犬種:ミニチュア・ダックスフント
飼主:てんルナお母さん
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――うちの子がうちにくるまで・次話――
結婚7年目の夫婦。
犬が大好きなのに、妻は自分の病気のために、飼うことは諦めていました。
ある日、夫が「犬を飼おう」と提案します。
夫婦は、犬を飼うことができるのか?
――うちの子がうちにくるまで・前話――
初めはウサギが欲しかった。そんな娘さんとの約束事。
しかしその約束は、いつの間にか犬を飼うという話に――
動物を飼うことに消極的だったお父さんは、約束を守れるのか?
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この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――うちの子がうちにくるまで、第1話です――
昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。
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てんてんの同居犬、ルナがうちにくるまで
多頭飼いの、2匹目を迎える時のお話です。
多頭飼いを始める時は、1匹目を迎える時とはまた違う、迷いと決断が必要です。
おすすめの、うちの子がうちにくるまで
本当は犬が苦手だった作者。
その作者が偶然、びっくりするほど大きな顔の犬を目撃しました。
哲学者のような振る舞いの犬――
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。