犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【本当の気持ちはね】 私たちが運命を預けた子 ~岳がうちにくるまで(2/2)~【引っ越ししよう】

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うちの子がうちにくるまで|No.12 - 2 f:id:masami_takasu:20171128164114j:plain

撮影&文|沙羅&寿
 
今日のお話は

妻のために、犬を飼ってあげたい夫。
「嫌だ」と言いながら、本当は犬が飼いたい妻。
二人は、妻が笑顔を見せた”あの犬”に運命を託します。
「いてくれるかな?」「いて欲しいなあ」
ペットショップに夫婦は急ぐのでした。

こんな方に:
黒柴ってどんな犬?|ペット不可のマンションに住んでいる|別れの日が怖くて、犬が飼えない|経験者の話が聞きたい

 待っていてくれるだろうか?

運命を預けたその子は、待っていてくれるだろうか?
夫婦は、その子を見つけたペットショップに急ぎます。

犬を飼う時には、だれもが何がしかのハードルを越えます。
そのハードルが高ければ高いほど、それは運命の子なのでしょう。

 

あの犬は、まだペットショップにいてくれるのか?
犬に運命を託して、私と夫は車に乗り込みました。

「いるかなあ?」
2人はマンションから、ペットショップへ直行です。
「いてくれるかな?」「いて欲しいなあ」
現金なものですね。その仔犬が運命の子だと決めたら、私の頭の中はもう、「飼えるかなあ」という不安から、「飼いたいなあ」という願いに変わっていました。

 ●

「どうかな?」
ドキドキしながら、私と夫は、ペットショップの中に入りました。
もう2回も来ているので、その子のいるケージは分かっています。
私たちは、わき目も振らすその場所に――

 

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――いない。
「やっぱりそうよねぇ……」
がっかりした私。あんなに可愛いんだもの。きっと良い家族に迎えられていて当然です。そして2人は、お店の隅の方にトボトボ。

――でも、そうではありませんでした。
「寿(夫の名前です)くん! いた!!」
私は、おっきな声で言ってしまいました。その仔のケージの場所が、移動していたのです。

大喜びする私の隣で、夫が携帯電話を取りだしました。不動産やさんに契約する旨の電話を入れるためです。
私はすぐに店員さんを呼び、「この仔、契約します!」と伝えました。

 

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私は新しく家族ができる喜びに、飛び上がりそうでした。
その仔を抱っこさせてもらいながら私は、「岳(がく)ちゃん、家族になってねぇ♡ おうちのリフォームが終わるまで待っててねぇ♡」と話しかけました。

「早っ!もうお名前決まってる」
店員さんが笑っていました。
岳という名前は、私が独身の時から、もし男の子を産むことができたらつけようと思っていた名前なんです。

 

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「待っててくれて良かったね」
夫はそう言ってくれました。

それからはマンションの内装リフォームや、岳のワクチンが終わるのを待ちながら、岳を育てるのに必要な物を揃えました。
迎えに行く日が待ち遠しくて、私はしょっちゅう会いに行っては、「岳ちゃん来たよぉ」って声を掛けていました。
岳を迎えに行ったのは、3月の半ば。引っ越しをした翌日です。

 

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「まずは、躾をちゃんとしないとね!」
意気込んでいた私をよそに、岳は無駄吠えを全くしないし、トイレは1ヶ月もかからず覚えてくれました。噛み癖もないので、家具もクッションもソファーも、引っ越した時の綺麗なまま。
「あれっ?」
気合いを入れていただけに、拍子抜けしてしまいました。
私の母などは「この仔はワンて言えるのかなぁ⁉️」と、いまだに言っています。

 

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とにかくお利口さんでいてくれて、私も全く無理をすることがありません。
私のいい坊やです。
皆さん、色んな思いや事情を乗り越えて、ワンちゃんと家族になっていると思います。私の場合はそれが『私の命』でした。

私の体の為にもなる。
検査で落ち込んでも癒してくれる。
一日中一人ぼっちじゃない。

 

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実は私は数か月前に、大切な弟を亡くしてしまいました。
私は今も、その現実を受け止めることができません。
もしも岳がいなければ、きっと耐えられなかったでしょう。

夫がいて、岳がいて、だから私がここにいる。
こんな風に、色んな思いが私達夫婦にはあって、岳と一緒に暮らしています。

 

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私にとって今は、言い様のない幸せな日々です。
これで病気さえ治れば、言うこと無しなのですが、私の場合は完治が難しいと、お医者さんから言われています。

悪化するか、調子がいいかの日々――
でも、岳の温もりがあるだけで、私は幸せです。

岳、うちの子になってくれてありがとう。
いつまでも一緒にいようね。

 

―― 岳がうちの子になったのは(2/2)・おわり――

うちの子がうちにくるまで|No.12 - 2
犬の名前:岳(がく)
犬種:黒柴
飼主:沙羅&寿
 
うちの子がうちにくるまで、とは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイです。
こんな効果もあります:愛犬、愛猫を今すぐ100倍可愛くできる、最も簡単な方法
 
犬や猫と暮らすあなたへ

『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』

犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。
平均年齢でいえば、15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。
我々はそこで大きな決心をし、葛藤を乗り越えたからこそ、今、犬や猫と暮らしています。

どうかその思いを、忘れないでください。
その時の思いがあれば、我々はどんな時でも犬や猫と暮らしていけます。

【飼えるかなより

――うちの子がうちにくるまで・次話――

犬は必ずしも。家族全員に歓迎されて家に迎えられるわけではありません。
保護犬の場合は、特にそうでしょう。
“飼いたい!”から始まる愛情もあれば、飼ってから芽生える愛情もあります。

――うちの子がうちにくるまで・前話(2話構成です)――

結婚7年目の夫婦。
犬が大好きなのに、妻は自分の病気のために、飼うことは諦めていました。
ある日、夫が「犬を飼おう」と提案します。
夫婦は、犬を飼うことができるのか?

まとめ読み|うちの子がうちにくるまで(犬)③
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――うちの子がうちにくるまで、第1話です――

 おすすめの、うちの子がうちにくるまで - 柴犬

犬を迎えたのは、当時学校に疲弊していた一人息子のためです。
息子が突然「犬を飼いたい」と言い出したのです。
一度も犬を飼ったことはありませんでした。
それでも飼おうと思いました。

 

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