ピーチーの闘病記:劇症肝炎編
我が家に帰ってきたピーチー。
まずは家中をパトロールしました。ピーチーは数日家を空けるとき、ペットホテルなどに預けると、帰ってきたときに必ずそれをやるのです。
パトロールの後は薄暗い脱衣所で、寝ていました。可哀そうな気がするのですが、体調が今一つの時には、それが一番落ち着くようなのです。
この日は、退院のお祝いで、大好物のウニを食べさせてあげる日。
ピーチーはウニの匂いに敏感に反応して、起きてきました。
これは、病気をする前のピーチーと同じです。
ホッとしました。
愛犬が劇症肝炎|愛犬が急性の炎症性疾患|免疫疾患の可能性もある|治療方針の決断を迫られている|選択肢が乏しい|かかりつけの医師に任せるのが良いのか?|経験者の体験談を聞いてみたい
8月21日、夜 退院祝いのウニ
ご報告が遅れてすいません。
遂に、ピーチーはウニを食べることができました。
今回、ウニを食べさせたのは、退院祝いと、頑張ったピーチーへのご褒美ですが、実はもう一つ理由がありました。
ピーチーは現在ステロイド治療をやっていますが、これは自己の免疫を抑制するのが目的です。治療が始まったばかりなので、ピーチーの免疫はまだ下がり切っていません。しかし、今後はもっともっと免疫が低下し、感染症に罹りやすい体になります。
最後かもしれないからね
常識的に考えて、生ものは控えなければならないでしょう。だとすれば、今回が生ウニを食べる最後のチャンスかもしれないと思いました。
もちろん、誕生日にもウニを食べさせてやります。今、利尻産や羅臼産といった、聞いたことはあるあっても、食べたこともない高級ウニを、どこで買えるのか周囲に聞いているところ。
でも、誕生日まで待ったら、その頃には火を通してやらないと、食べられない体になっているかもしれませんし、その日に風邪でも引いたら、食べられないかもしれません。
だから、今日のウニというわけです。
スプーン一杯の幸せ
ピーチーのために買ったウニは、約9粒で1500円でした。
スーパーで買ったとはいえ、このウニだって、飼主が食べたことが無いような高級品です。
まずは、スプーンでひと粒だけすくいました。
うちではピーチーにおやつやご飯を上げる前には、少し離れた位置に座らせてから、必ず『待て』のコマンドを掛けます。ピーチーは大好物のウニを目の前にして、それ見ないように、目をそらしています。
早くあげたいのはやまやまですが、病気だからと言って、甘やかすわけにはいきません。いつもの我が家のスタイルは守り通します。
いつも通りの”待て”と”来い”と”良し”
『来い!』
と、ピーチーを呼ぶと、飛んできました。
続けざまに、ウニを目の前にして、『座って待て』を掛けますが、お尻が浮いた状態で、ウニをガン見です。
『良し』
と、言ったとたんにガブリ。
今日はもうおしまい
この日は、3個だけ上げました。
本当は全部あげたいところですが、ピーチーの体調がどうなるか分からないので、今日はここまで。
でも、こうしたら、あと2回楽しめます。
おい、ピーチー、分かってるか?
あと2回、お楽しみが残っているんだぞ。
――【劇症肝炎】闘病記・つづく――
文:高栖匡躬
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――次話――
重篤な状態を脱すると、今後のことが気になってきます。
肝臓は急性の重篤な状態を脱しただけで、まだ炎症は続いている。
既往症であるてんかんとも、付き合っていかなけえばならない。
薬の量が、状況の難しさを物語っていました。
――前話――
退院の当日――
僅か数日前は危機的状況だったのに――と、不思議な気持ちでした。
迎えのために、タクシーで病院に向かう間も、まだ複雑な思いのまま。
相変わらず、病状が急変するかもという不安があったからです。
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この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
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――本連載の第1話です――
この日早朝6時、愛犬ピーチーは救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
主治医からは、安楽死を勧められるほどの状態。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。
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ペットの闘病についてのヒント
闘病の奇跡は呼び込むもの
闘病記を読むと、奇跡的に治るという表現に時々出会います。
しかし奇跡は、待っていて起きるものではありません。
奇跡が起きる確率は、努力で上げることができます。
医師まかせにせず、とにかく情報を集めて分析する事です。
その中に、もしかすると答えがあるかもしれません。
セカンドオピニオンと二次診療
街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。
セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。
高度医療という選択肢
動物にも高度医療があります。
それは人間で実績のある治療を、いち早く動物医療に転用するものです。
医療は日進月歩。昨日治らなかった病気が、今日は直るかもしれません。
高度医療は病気を治す手段としては有効な選択肢です。