犬を飼うということ

いつまでも君と……

【投薬】【食事】【療法食】嫌いになるのはスパイラル ~闘病中は、大好物を守らなきゃ(中編)~

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撮影&文:高栖匡躬

前回は愛犬のピーチーが、大好物のアイスクリームを嫌いになる瞬間を書きました。

本来この記事は、ピーチーが患った癲癇の闘病記として書いたものだったのですが、大好物が嫌いに変わる瞬間を捉えたものなので、めずらしい記録だろうと思い、その経過を記述しました。

今回もその癲癇闘病記に沿った内容です。
ピーチーが大好物であった豆腐を嫌いになり、次いで療養食である低脂肪フードが食べられなくなるまでの過程を描きます。

補助食品はまだしも、主食であるフードが、しかも選択肢の乏しい療養食が嫌いになることは生命を左右する事でもあります。

 

 実例2:ピーチーはこうして豆腐が嫌いになった

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ピーチーが癲癇の大発作を起こす直前までは、クスリを飲ませるのは簡単でした。
それまでに飲んでいたのは、アレルギー性の皮膚炎に対処するために、プレドニン(プレドニゾロン)と、エファベット。強肝剤のウルソです。

これらをどう飲ませたかというと、ドライのフードの上に豆腐を半丁トッピングして、その中に仕込む(埋め込む)だけでした。

ピーチーは豆腐が大好きだったので、この方法であれば、それまでどんな薬でも、何錠でも大丈夫。もう何年も当たり前のように続いてきたことでした。

(扉の写真は、豆腐がまだ大好きだったころのピーチー)

急に駄目になったのは、抗てんかん薬のゾニサミド(薬名は『コンセーブ』)を処方されてからです。よほど不味かったのでしょう。ほどなくしてピーチーは豆腐が嫌いになりました。

こうなると、何をトッピングしてもダメ。
そのうち、豆腐の匂いで逃げ出すようになりました。

アイスクリームに続き、2つ目の大好物の戦線離脱でした。嗚呼!

 

 実例3:ピーチーはこうしてドッグフード1(CRD-1)が嫌いになった

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さて、ここからは補助的な食べ物ではなく、主食であるドッグフードの話です。
闘病の最中にピーチーが嫌いになったフードは2種類ありました。

1つ目はスペシフィックの『CRD-1』。もう一つはロイヤルカナンの『消化器サポート(低脂肪)』です。

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スペシフィック『CRD-1』

『CRD-1』と『消化器サポート(低脂肪)』は、どちらも超低脂肪の療養食の代表格。
2トップだと言っても過言ではないでしょう。

この両方が使えないのは、肝臓疾患の子にはかなり痛い状況です。
どちらも、嫌いになるまでに違う理由がありました。

前者の『CRD-1』を食べなくなったのは、前の項に書いた豆腐と同じで、不味い薬の影響です。
ピーチーが毎日、豆腐と一緒に食べていたのがこの『CRD-1』。
だから、ピーチーにとっては豆腐はただの補助食とかトッピングではなく、豆腐+『CRD-1』で、合わせて”ご飯”だったわけです。

豆腐と同時期に『CRD-1』まで嫌いになり、更にもう一つ。。
食欲不振の時に、豆腐の上に掛けていた、かつお節までが嫌いになりました。
まるで負の連鎖です。

 

 実例4:ピーチーはこうしてドッグフード2(消化器サポート)が嫌いになった

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『CRD-1』に代わるフードとして与えたのが、低脂肪2トップのもう1方である、『消化器サポート(低脂肪)』でした。

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ロイヤルカナン『消化器サポート(低脂肪)』

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しかしこの『消化器サポート(低脂肪)』も、すぐにピーチーは嫌いになりました。
理由は、これまでとは違います。

食欲不振の時に、食事を無理強いしてしまったからです。

今考えるとその時期は、ステロイド剤の減薬の影響で、ピーチーの食欲が落ち切っていました。
(この時の経緯は、劇症肝炎闘病記に記してあります)

 ●

飼い主の心情としては、何とか食べてもらいたいと思うばかり。
そこでまずは、このフードを水でふやかしたり、鰹の粉やゴマを掛けたりしました。

しかし――
結果として何もやってもダメで、頑固で意固地なピーチーの反発を買ってしまっただけでした。

そうこうするうちに、遂にピーチーは、『消化器サポート(低脂肪)』の匂いを嗅ぐだけで逃げ出すようになり、大好きなものだったはずの、ゴマも鰹の粉も受け付けなくなってしまいまったのです。

飼い主の気持ちが焦るほど、負のスパイラルは続いてしまいます。

 

 もしもこれが健康な時ならば

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ピーチーが健康なときであれば、食べない時には放っておきました。
食べない理由が、一般に言う我がままからの”食べムラ”ならば、矯正をするのが飼い主の務めだと思うからです。

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犬は野生の状態では、何日も飲まず食わずで獲物を待つのだそうです。
動物医療でいえば、拒食を疑い始めるのは、2日食事をとらなかった辺りから。

それは十分に分かっていたつもりでした。

しかし、劇症肝炎という大病をし、体重を大きく減らした後だったこともあり、飼い主側に大きく構える心の余裕がなかったのです。

これは今でも反省をしています。

 ●

食べたがらないものを、小手先の工夫で食べさせようとしても駄目だったということ。ピーチーの方が一枚上手だったのです。

後日談ですが、この苦境を乗り切ったのは、『消化器サポート(低脂肪)』のウェットタイプという商品を見つけたからです。

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ロイヤルカナン『消化器サポート(低脂肪)』ウェット

このフードがあったお蔭で、我が家は選択肢がゼロになるという危機は免れました。
この時の顛末は、本記事の主旨と外れますので、後編の記事の最後に、ケーススタディとして記載したいと思います。

 

 ここまでをまとめると

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前回記事の実例1から、今回記事の実例4までが、犬が食べ物を嫌いになる代表的なパターンではないかと思います。
まとめると次のようになります。

①嫌な思い出(痛い、恐怖)と、食べ物が結びついた。
②まずい薬と食べ物が結びついた。
③嫌いになった食べ物と同時に食べていた食べ物も、連鎖して嫌いになった。
④食べたくない時に、食べる事を強要されたため、その食べ物が嫌いになった。

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今回のケースでは、食べ物に関して、考え付く悪いパターンを一通りやってしまった感があります。

しかしこれはめずらしい事ではなく、余裕の無くなった飼い主が容易に陥りやすい負のスパイラルです。それは幾つもの闘病記に、おなじようなパターンが登場することからも分かります。

似たようなパターンがあるということは、言い換えれば、

”もしも事前に知識として知っていれば、避けられたかもしれない”

ということでもあります。

 

 失敗の教訓:好きなものと嫌いなものは、はっきり分けよう

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振り返って考えてみると、ピーチーに嫌いな食べ物が増えた理由は、全ての場合において、好きな食べ物が嫌な思い出に引っ張られてしまったからです。

・アイスクリームは大好きだけれど、苦しいのは大嫌い!
・ご飯は好きだけれど、不味い薬は嫌!
・調子が悪いと、好きなご飯も食べられない!
・無理に食べたら、ご飯が嫌いになっちゃうよ!

大体がこのような流れで、嫌いなものが段々増えていくのです。

 ●

犬のしつけをするときに、上手くできたらすぐにご褒美を上げますね。犬は自分の行動と、良い思い出をセットで覚えていく――

あれと同じことが起きているということです。
つまり嫌な思い出と、食べ物の匂いや味が一体になってしまっているわけです。
しつけと同じで、一度深く覚えこんでしまうと、もう取り返しがつきません。

 ●

であれば解決策は簡単で、好きなものと嫌いなものをくっつけたりしなければ、嫌いな食べ物は増えていかないということになります。

次回は、それを具体的にどのように実行したかを書こうと思っています。

● ● ●

――次回は――

嫌な思い出を、大好きなご飯と切り離す具体的方法について書きます。
――特に、投薬の時間を切り離すということを。

実は、この方法について書かれたネット上の記事には、大きな間違いがあるものもあり、そこを注意深く書くつもりでいます。

 

――闘病中は、大好物を守らなきゃ(中編)・つづく――

(ライター)高栖匡躬

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