ここは『ハナちゃんの動物病院』(犬版)です。
今日は腸の中に棲みついている、寄生虫についてのお話です。
寄生虫は便と一緒に出て来て、発見されることが多いんです。
飼い主さん、きたない話だと思わないで、どうかちゃんと読んでくださいね。
――だって、私たちのお腹にいたら、いやだもの。
飼い主さんはビックリ、便の中に虫
昨日、飼い始めて1週間の子犬の便の中に虫が出たと来院しました。
虫は、回虫でした。
検便をしてみると、回虫の卵が確認できました。
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回虫
回虫は、症例として一番多い寄生虫かもしれません。
子犬の場合は、お母さんから胎盤感染をしますし、感染犬の便の中の卵を口にしてしまい感染します。
腸内寄生虫は他にもたくさんの種類があって、虫の種類によって、駆虫薬も選択して使用されます。注射だったり、内服薬だったり、今は、フィラリアの予防薬と一緒になっているものもあります。
寄生虫は色々で、人に感染することも
寄生虫は、間違って、人に感染することもあります。
また、ノミが媒介する瓜実条虫、ヘビやカエルをいたずらで口にして感染してしまうマンソン裂頭条虫があります。
マンソン裂頭条虫は2.5メートルくらいの長さになり、猫ちゃんのおしりからぶら下がってでてくることがあり、飼い主さんをびっくりさせます。
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マンソン裂頭条虫
ボトルの中のマンソン裂頭条虫は、一度に猫ちゃんのおしりから出てきた量です。
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寄生虫は、定期的な検便で確認していくしかありません。散歩の時は、落ちている便に触れないようにしたり、拾い食いを避けましょう。ノミやマダニの予防なども必要です。
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腸内寄生虫の主な症状は
腸内寄生虫は、それらが寄生した部位ごとに異なった症状が現れ、時には重篤化する場合もあります。以下はその代表的な症状です。
元気がない、動作が鈍い、消化不良、下痢、おなかがふくれる、発育不良、粘血便、貧血など
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今日のハナは
そして、今日の看板犬、ハナ
わたし、寄生虫いらない!
読者の方とのQ&A
怖いですね。。うちの辺は田舎なので、とってもなんだか……
ワンちゃんのウンチを持ち帰る人が少ないので――、たくさん落ちていて――
うちの子がクンクンにおいをかいでいます。
今日の記事を読んで、もっと「気を付けなきゃ」と思いました。
気を付けていても感染を防ぐことは難しいです。定期的に検便をすることで感染を早く確認しましょう。
ときどき、尿量と回数が増えるときがあり、尿検査はしてましたけど、今度からは、検便もしてもらいます(*^^*) アドバイス、ありがとうございます。
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ハナちゃんママからアドバイス
便や吐いたものの中に虫体がでてきて発見することがありますが、定期的に検便をして虫卵を確認することが一番です。
また、駆除をしても、環境の中に虫卵が残っていると再感染を起こします注意して下さい。
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【Withdogより】ここでご紹介したのは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。
日光どうぶつ病院
ハナちゃんママが獣医さんになった理由は?
ハナちゃんが看板犬になった理由は?
【獣医師が犬を飼うということ】ハナがうちにうちにくるまで
▶ハナちゃんママ:犬 の診察記のご紹介
▶ハナちゃんママ:猫 の診察記のご紹介
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――次話――
【凍結手術】【腫瘤】
低温のガスで、腫瘍を壊死させる治療法
手術と言ってもメスで切るのではなく、小さなイボを凍結させて取ってしまう方法。
痛くないのが良いですね。
犬も猫も、ちょっとしたことで全身麻酔になってしまうので、こういう方法が選べると良いですね。
――前話――
【去勢手術】
将来の性ホルモン関連の病気を予防
避妊手術同様に、去勢手術にも賛否両論あります。
メリットは性ホルモン系の病気予防になること。
もしもやるならが、病気になる前に――
判断は飼い主次第です。
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この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。
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――ハナちゃんの動物病院(犬)・初回の記事です――
【尿石症】
膀胱炎や、尿経路の結石による痛み
膀胱炎などの症状から、発覚します。
場合によっては手術が必要になり、命にかかわることもある怖い病気。
意外に多いし、予兆もあるので、気を付けてあげてください。
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ペットの闘病についてのヒント
闘病の奇跡は呼び込むもの
闘病記を読むと、奇跡的に治るという表現に時々出会います。
しかし奇跡は、待っていて起きるものではありません。
奇跡が起きる確率は、努力で上げることができます。
医師まかせにせず、とにかく情報を集めて分析する事です。
その中に、もしかすると答えがあるかもしれません。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。