撮影&文:高栖匡躬
――当時を振り返り――
この頃には、もう深刻な状況が定常化していました。
いつ何が起きても不思議ではなく、ピーチーはもう明日を迎える事がないかもしれないと、常に思っていました。
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しかしながら心は乱れるのではなく、逆に平静でした。むしろ、どんどん平静になっていったと言うべきかもしれません。覚悟という大袈裟なものではなかったように思います。上手く表現ができませんが、もっと透明感のある不思議な感覚です。
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変に思われるかもしれませんが、我が家にはいつも笑いがありました。
病気になり、動きが制限され、元気な頃と全く違うピーチーが目の前にいて、そのピーチーと対話をして、面白い事があれば笑いました。
ピーチーはその風貌通りのオトボケな性格で、面白い事を色々とやらかすのですが、それは病気になってからも同じでした。
闘病も介護も、言葉にすると大変なのですが、なぜか毎日が面白かったですね。
――以下、当時のブログより――
ピーチーの今日の様子を、お知らせします。
前の記事では、ピーチは深刻な状況にあると書きました。
しかし恐らくは、皆さんがそれを読んで想起されるイメージと、今のピーチーはかなり違うと思います。
ピーチーは酸素の吸入によって、十分に体にそれが行きわたると、起き上がって活動したがります。上の写真のようにです。しかし、少し活動するとすぐに酸素切れになって、へたり込んでしまいます。
つまり、いわゆる寝たきりの状態には、まだなっていないのです。
動きたいんだけど
すぐに息が上がっちゃうんだよね。
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酸素テントの中にいる分には、立ち上がってごそごそしています。その仕草は元気な頃そのままです。
いつもせわしなく動きます。
外に出たいようです。
遊びたいねえ
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呼吸が苦しい以外は、健康な犬と何ら変わりがないのですからね。前にも書きましたが、もしも肺がカートリッジ式だったら、どんなに良いかって思います。交換用と万が一の予備用も含めて、うちは2セットは買いますね。
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それと今日から、食事を猫用のおやつに切り替えました。『チャオちゅ~る』という商品で、友人のMさんから紹介されました。魚や肉をペースト状にしたもので、高カロリーなので少量でも栄養補給ができるのだそう。、小分けのチューブに入れてあるので、使い勝手がいいです。
これがその、チャオチュール
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今日の朝は、ピーチーは『チャオちゅ~る』を2本と、昨日の残りのウニのペーストを食べました。もちろん、ウニはシリンジを使ってです。
食後にはデザートで、ハチミツのチューブも食べました。
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実はMさんとは現在、あるプロジェクトで医療機器の開発をやっています。今は人間用ですが、将来は犬用にも転用したいと思っています。
思い通りの成果が得られるならば、免疫系の疾患にも有効なはずです。
残念ながらピーチーには間に合いませんでしたけれど、いつか皆さんの大切な愛犬には、使ってもらえる日がきたらいいなと思っています。
ピーチーが罹った病気を治るようにするのが、もしかするとこれからの、人生の目標の一つになるのかもしれません。
――うちの子が旅立つまでのこと(13/18)つづく――
(ライター)高栖匡躬
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