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【肺がん】3月28日、夜 今夜は一緒に寝ることにします ~うちの子が旅立つまでのこと(17/18)~【残された時間】

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ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編  f:id:masami_takasu:20180314205327j:plain

撮影&文|高栖 匡躬
 
当時を振り返り

ピーチーの苦しさは、側で見ていてよくわかりました。
しかし、文句も言わずにピーチーはそれに耐えていました。

いや、耐えていたのかどうかは分かりませんね。
受け入れていたのは確かです。

安楽死の選択は、ずっと頭の中にありました。
ピーチーに痙攣など、劇的な症状が現れたら、恐らくはそれを選択していたはずです。

時間は過ぎていきました――
決断のタイムリミットは、主治医の診療時間である18時です――

 当時のブログより - 思い出の散歩道

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区切りだと考えていた18時を過ぎました。
今日はピーチーと一緒に寝ようかと思います。

苦しそうではありますが、ピーチーはまだ、僕と奥さんと一緒にいたいようだと感じます。

今日はマンションの踊り場から、一緒に外の景色を見ました。
本当は、一緒に歩きたかったんですけどね。

あっちは、ときどき行ったドッグラン
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お前は、ドッグランは苦手だったよな

 ●
こっちは、いつもの散歩コース
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お前は、散歩が大好きだっだよな!
最後に行ったのはいつだっけ?

 ●

テラスからはどの方向を見ても、14年間の思い出で一杯です。

さっきまでリビングで寝ていたピーチーですが、何を思ったか、突然起き上がって、僕の部屋の方に歩き出しました。

 ●

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これはリビングにいたピーチー

 ●

僕は急いでピーチーと一緒に、酸素のジェネレーターを移動させました。

これまで書いていませんでしたが、実はこの移動は結構大変です。
酸素ジェネレーターのスイッチを切り、コンセントを抜いて、重い機材を移動させてそこでまだコンセントを差して、スイッチオン。
ピーチーを移動させて、吸入マスクを被せてやる。

ピーチーが苦しくないように、それを15秒ほどのうちにやるのです。
まるで自動車レースのピット作業みたいです。

 ●

移動を終えて、ピーチーをいつもの定位置である、僕の机の下に寝かせてやると、ピーチーは「ありがとう」と言うように、首を持ち上げました。

移動して、首だけピクリ
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お礼何ていらないぞ、ピーチー

 ●

ああ、もうちょっと大丈夫そうだな、ピーチー。

そうそう、ピーチーは歳をとってから、耳がだらりと寝るようになっていたんですが、ここ数日はピンと立っています。ブルテリアっぽいです。

明日も良い日になるといいな、ピーチー。

 

 ペットの肺がんをもっと知るには

こちらの記事に、肺がんの概要を解説しています。
はじめて読むのに最適です。

この病気は激しい咳や、血痰を想像しがちですが、実はそれほど顕著な症状がでないことが多いようです。
ほんのちょっと息が粗い程度の場合もあります。
気になったら動物病院へ。

 

――うちの子が旅立つまでのこと(17/18)つづく――

文:高栖匡躬
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 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介

――次話(最終話)――

この日――
ピーチーは旅立ちました。
今でも思うのです。
ピーチーは、うちに来るために、生まれてきた子だったのだと。
何にも知らない子犬。
両手に少し余るくらいの、アイパンチの小さな女の子。
その子は、ダンボールに入って、うちにやってきました。

――前話――

ピーチーがひどくつらそうにしている昼ごろ。
安楽死の言葉が、頭をよぎります。
ついにその時か?
決断を仕掛けた時、ピーチーが勢いよく身をよじりました。
「まだ一緒にいたいんだよ、きっと」
「そうだな」
主治医の診療時間が、決断のリミットでした――

まとめ読み|ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編 ③
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――本章の1話目です――

いつも元気一杯だったピーチー。
大病をしてから、体調に浮き沈み。
この数日も「ちょっと変」と思い、「”多分”、いつものこと」とも思っていた。
”多分”は段々と弱々しくなり、少しだけ嫌な予感も。
「今日は病院だな」と思ったのがこの日。

――この連載のはじまりです――

はじまりは、ほんの小さな予兆でした。
体の震え。ときどき息が粗い。食欲不振。
ピーチーは大病を大きくは2度経験してから、体調が悪いときがたまにありました。既往症もありました。
またかな? と思ったのが始まりでした。

他の闘病記もご覧ください。

胆管閉塞闘病記|闘病ブログ

ある日突然、我が家のピーチーを襲ったのは急性膵炎
危険な状態でしたが、幾つも幸運が重なって無事回復しました。
「良かった」と胸を撫でおろす飼い主。
――しかし、そうではありませんでした。
それは本当の闘病の始まりだったのです。

劇症肝炎闘病記|闘病ブログ

筆者の愛犬ピーチーは2014年8月16日の早朝6時、救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
ただごとではないと思いました。

振り返ると、異常を感じたのは8月10日の夜。
突然の体の震えと、食欲不振が恐らく前兆だったのでしょう。
このときは、掛かりつけの病院で、熱中症と診断。
その時には、肝臓の諸数値は正常値でした。

そして6日たち、16日の朝を迎えます。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。

自己免疫不全闘病記|闘病ブログ

2015年のある日、我が家の愛犬ピーチーを病魔が襲いました。
最初は夏バテかなと思い、次に熱中症を疑いました。
かかりつけの獣医師も、熱中症との診たてでその治療を。

しかしピーチーの状態は悪化の一途。
ただならぬ状態に、未明の救命救急に飛び込み、そこで発覚したのが重度の肝炎でした。
結局後になって、それが自己免疫不全が引き起こしたと分かるのですが、まさか免疫の暴走が劇症肝炎を引き起こすなど、想像もしていませんでした。

肺がんの医療記事です 

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