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【飼っていいの?】振り返れば偶然は必然の一部 ~ピーチーがうちにくるまで(1/3)~【このマンション、ペット可?】

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うちの子がうちにくるまで|No.20 - 1 ペットが飼えるマンションは高い

撮影&文|高栖 匡躬
  
今日のお話は

我が家の愛犬ピーチーが、天国に旅立ったのは、2016年の春のこと。
2001年生まれだったので、今も元気ならば2020年の8月26日は、ピーチーの19歳の誕生日でした。

犬のクセに変だと思われるかもしれませんが、ピーチーはウニが大好物で、本当ならその誕生日は、年に一度だけウニがもらえる日でもあります。

いなくなって寂しくなりましたが、だからといって悲しいわけではありません。
我が家は今も、ピーチーと一緒に笑顔の中にあります。

今日から3話に分けて、そのピーチーがうちにやってくるまでのお話を、書こうと思います。

こんな方へ: 

ブルテリアってどんな犬?|闘犬だったらしいけど、凶暴なの?|飼いにくい犬種と聞いているけれど実際はどうなの?

 

  普通のマンションを買ったつもりでした

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ピーチ―がうちに来たのは2001年。
もう随分前のことです。

随分と昔のように感じますが、つい昨日のような気もします。

ピーチーがうちにくる少し前に、筆者と奥さんはひょんな事でマンションを買いました。場所は、奥さんが時々仕事で出かける先の新横浜。

大通りの少し奥の方に、大きなマンションが建築中で、奥さんは「いいマンションだな~、いつかこんなところに住みたいな~」と思っていたらしいのですが、ある日、そのマンション のチラシが新聞に折り込まれていたのです。

 

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上の写真は、マンションのすぐ裏の鶴見川。新横浜は、駅の周りだけが都会で、それ以外はご覧のような風景です。

さて、このマンションですが、分譲当時は人気の物件だったらしく、購入希望者は抽選だったそうです。チラシが入っていたのは、その抽選がとっくに終わっていて、それどころかもう完成していて、入居もあらかた済んでいた頃です。

何故そんな時にチラシかというと、購入を辞退した方が3世帯あって、 それが売りに出ていたのです。

 

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筆者は当時、「うちは預金も少ないし、まだ家を買うには早いな」と思っていたのですが、奥さんが「目の保養に行こうよ」というので、冷やかし半分で販売所を訪れることにしました。

実際に部屋を見ると、奥さんが予想していたとおり、とても住み心地が良さそうなところでした。しかし聞けば、もう購入希望者がいて、手付金も入っているとの事。

「キャンセルも有り得るので、一応申込用紙に記入していただけませんか?」
そう販売員の方に言われ、冷やかしついでに、販売員の方に言われるまま申込をしました。 

記入が終わって話を聞くと、我が家の前にはなんと3件ものキャンセル待ちがありました。要するに我が家は5番手という事です。常識的に考えて、どう考えても無理です。
「あこがれの大学を、記念受験したみたいだな」
そう言いながら、筆者と奥さんは帰宅したのでした。

 

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それから2か月近く経った頃。

もう購入希望の用紙を記入したことさえも忘れたていた頃です。突然にマンションデベロッパーさんから電話がありました。

何と、あのマンションが購入できるそうなのです。

どういう事かというと、我が家の前にいた4件もの購入希望者が、ことごとく銀行ローンの審査に落ちてしまい、何と2か月も掛かって我が家にお鉢が回って来たという事なのです。

積極的に買おうと言う意思は無かったのですが、何かの縁だと思い、銀行に住宅ローンの申込をしてみることにしました。どうせ駄目だろうという気持ちでの申し込みです。しかしあろうことか何故か我が家は、ローンの審査をパスしてしまいました。
そんなこともあって、棚からぼた餅でマンションを手にいれたという訳です。

 

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その後――、マンションに引っ越して3か月も経った頃でしょうか。

「ここのマンションって、マナーが悪いわね」と奥さんが言い出しました。犬や猫を連れて、エレベーターに乗る人が随分といると言うのです。確かにそれは筆者も感じていた事でした。

「変なマンション買っちゃたかもね」
「そうかも……」
と、言ったところで、2人とも同時にピンとくるものが――

慌てて筆者と奥さんは、マンションの定款を引っ張り出してきて、ページをめくりました。購入契約時にマンションについての説明を受けてはいたのですが、それは通り一辺倒のことを聞かされただけで、詳しくは定款をお読みくださいとのことでした。
業者さんからすると、『ようやくいわくつきの部屋を処分できた』くらいの思いだったのでしょう。

こちらはことらで、売れ残りの部屋を拾ったようなものだっので、特に思い入れもなく、定款をもらったきりで棚にしまったままになっていました。

 

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奥さんがパラパラとページをめくり、そして手を止めました。目的のページを見つけたのです。それは、『飼ってはいけない動物』の項です。

筆者と奥さんは読み初めました――

ライオン、トラ、ゾウ、カバ、ゴリラ――こんなもの怖くて飼えません。
   ・
   ・
アナコンダ、コブラ――筆者はヘビが大嫌いです。
   ・
   ・
そして遂に一番最後の一行。
そこに書いてあった動物の名は……

ハ ・ ゲ ・ タ ・ カ ……
 

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結局、最後まで、犬も猫もありませんでした。
ということは――

そうです。

筆者と奥さんは何も知らないままで、当時としてはまだ珍しかった、あの憧れの、『ペットと住める マンション』を手に入れていたのです。

筆者の心は躍りました。そして、筆者の頭の中はすぐに、大好きな犬、ブルテリアのことで一杯になりました。そこから、ピーチーと会う日までの秒読みが始まったのです。

下の写真は、うちに来たばかりのピーチー。
今でも当時のことを、はっきりと思い出します。

可愛かったな~、ピーチー

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――ピーチーがうちに子になったのは(1/3)・つづく――

うちの子がうちにくるまで|No.20 - 1
~うちの子がうちにくるまで No.20-3~
犬の名前:ピーチー
犬種:ミニチュア・ブルテリア
飼主:高栖匡躬 ・ピーチーパパ
 ▶プロフィール
 ▶ 作者の一言
 ▶ 高栖 匡躬:犬の記事 ご紹介
 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介
 
うちの子がうちにくるまで、とは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイです。
こんな効果もあります:愛犬、愛猫を今すぐ100倍可愛くできる、最も簡単な方法
 
犬や猫と暮らすあなたへ

『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』

犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。
平均年齢でいえば、15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。
我々はそこで大きな決心をし、葛藤を乗り越えたからこそ、今、犬や猫と暮らしています。

どうかその思いを、忘れないでください。
その時の思いがあれば、我々はどんな時でも犬や猫と暮らしていけます。

【飼えるかなより

――うちの子がうちにくるまで・次話――

マンションがペット可とだ気が付いたのですが、すぐに犬を飼おうとはなりません。命を預かるのですから覚悟が大事です。最後まで面倒が見られるかな?
――まだまだ迷いがありました。

――うちの子がうちにくるまで・前話――

先住犬のいる家庭に、2匹目の愛犬ここあを迎えるお話。
多頭飼いの2匹目は、1匹目を迎える時とは違う葛藤があるものです。

まとめ読み|うちの子がうちにくるまで(犬)⑤
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――うちの子がうちにくるまで、第1話です――

昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。

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最初は大型犬を飼うなんて、考えてもいなかったのに――
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ある日、ゴールデンレトリバーがやってきます。

猫の多頭飼いしていた我が家。
そこにはじめて迎え入れた犬が、レイちゃんでした。
レイちゃんは素人繁殖で生まれた子。保健所に持ち込まれる寸前でのことでした。

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