うちの子がうちにくるまで|No.20 - 1
我が家の愛犬ピーチーが、天国に旅立ったのは、2016年の春のこと。
2001年生まれだったので、今も元気ならば2020年の8月26日は、ピーチーの19歳の誕生日でした。
犬のクセに変だと思われるかもしれませんが、ピーチーはウニが大好物で、本当ならその誕生日は、年に一度だけウニがもらえる日でもあります。
いなくなって寂しくなりましたが、だからといって悲しいわけではありません。
我が家は今も、ピーチーと一緒に笑顔の中にあります。
こんな方へ:
ブルテリアってどんな犬?|闘犬だったらしいけど、凶暴なの?|飼いにくい犬種と聞いているけれど実際はどうなの?
普通のマンションを買ったつもりでした
ピーチ―がうちに来たのは2001年。
もう随分前のことです。
随分と昔のように感じますが、つい昨日のような気もします。
ピーチーがうちにくる少し前に、筆者と奥さんはひょんな事でマンションを買いました。場所は、奥さんが時々仕事で出かける先の新横浜。
大通りの少し奥の方に、大きなマンションが建築中で、奥さんは「いいマンションだな~、いつかこんなところに住みたいな~」と思っていたらしいのですが、ある日、そのマンション のチラシが新聞に折り込まれていたのです。
上の写真は、マンションのすぐ裏の鶴見川。新横浜は、駅の周りだけが都会で、それ以外はご覧のような風景です。
さて、このマンションですが、分譲当時は人気の物件だったらしく、購入希望者は抽選だったそうです。チラシが入っていたのは、その抽選がとっくに終わっていて、それどころかもう完成していて、入居もあらかた済んでいた頃です。
何故そんな時にチラシかというと、購入を辞退した方が3世帯あって、 それが売りに出ていたのです。
筆者は当時、「うちは預金も少ないし、まだ家を買うには早いな」と思っていたのですが、奥さんが「目の保養に行こうよ」というので、冷やかし半分で販売所を訪れることにしました。
実際に部屋を見ると、奥さんが予想していたとおり、とても住み心地が良さそうなところでした。しかし聞けば、もう購入希望者がいて、手付金も入っているとの事。
「キャンセルも有り得るので、一応申込用紙に記入していただけませんか?」
そう販売員の方に言われ、冷やかしついでに、販売員の方に言われるまま申込をしました。
記入が終わって話を聞くと、我が家の前にはなんと3件ものキャンセル待ちがありました。要するに我が家は5番手という事です。常識的に考えて、どう考えても無理です。
「あこがれの大学を、記念受験したみたいだな」
そう言いながら、筆者と奥さんは帰宅したのでした。
それから2か月近く経った頃。
もう購入希望の用紙を記入したことさえも忘れたていた頃です。突然にマンションデベロッパーさんから電話がありました。
何と、あのマンションが購入できるそうなのです。
どういう事かというと、我が家の前にいた4件もの購入希望者が、ことごとく銀行ローンの審査に落ちてしまい、何と2か月も掛かって我が家にお鉢が回って来たという事なのです。
積極的に買おうと言う意思は無かったのですが、何かの縁だと思い、銀行に住宅ローンの申込をしてみることにしました。どうせ駄目だろうという気持ちでの申し込みです。しかしあろうことか何故か我が家は、ローンの審査をパスしてしまいました。
そんなこともあって、棚からぼた餅でマンションを手にいれたという訳です。
その後――、マンションに引っ越して3か月も経った頃でしょうか。
「ここのマンションって、マナーが悪いわね」と奥さんが言い出しました。犬や猫を連れて、エレベーターに乗る人が随分といると言うのです。確かにそれは筆者も感じていた事でした。
「変なマンション買っちゃたかもね」
「そうかも……」
と、言ったところで、2人とも同時にピンとくるものが――
慌てて筆者と奥さんは、マンションの定款を引っ張り出してきて、ページをめくりました。購入契約時にマンションについての説明を受けてはいたのですが、それは通り一辺倒のことを聞かされただけで、詳しくは定款をお読みくださいとのことでした。
業者さんからすると、『ようやくいわくつきの部屋を処分できた』くらいの思いだったのでしょう。
こちらはことらで、売れ残りの部屋を拾ったようなものだっので、特に思い入れもなく、定款をもらったきりで棚にしまったままになっていました。
奥さんがパラパラとページをめくり、そして手を止めました。目的のページを見つけたのです。それは、『飼ってはいけない動物』の項です。
筆者と奥さんは読み初めました――
ライオン、トラ、ゾウ、カバ、ゴリラ――こんなもの怖くて飼えません。
・
・
アナコンダ、コブラ――筆者はヘビが大嫌いです。
・
・
そして遂に一番最後の一行。
そこに書いてあった動物の名は……
ハ ・ ゲ ・ タ ・ カ ……
結局、最後まで、犬も猫もありませんでした。
ということは――
そうです。
筆者と奥さんは何も知らないままで、当時としてはまだ珍しかった、あの憧れの、『ペットと住める マンション』を手に入れていたのです。
筆者の心は躍りました。そして、筆者の頭の中はすぐに、大好きな犬、ブルテリアのことで一杯になりました。そこから、ピーチーと会う日までの秒読みが始まったのです。
下の写真は、うちに来たばかりのピーチー。
今でも当時のことを、はっきりと思い出します。
可愛かったな~、ピーチー
――ピーチーがうちに子になったのは(1/3)・つづく――
●
犬の名前:ピーチー
犬種:ミニチュア・ブルテリア
飼主:高栖匡躬 ・ピーチーパパ
▶プロフィール
▶ 作者の一言
▶ 高栖 匡躬:犬の記事 ご紹介
▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介
Follow @peachy_love
●
――うちの子がうちにくるまで・次話――
マンションがペット可とだ気が付いたのですが、すぐに犬を飼おうとはなりません。命を預かるのですから覚悟が大事です。最後まで面倒が見られるかな?
――まだまだ迷いがありました。
――うちの子がうちにくるまで・前話――
先住犬のいる家庭に、2匹目の愛犬ここあを迎えるお話。
多頭飼いの2匹目は、1匹目を迎える時とは違う葛藤があるものです。
●
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
●
――うちの子がうちにくるまで、第1話です――
昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。
おすすめの、うちの子がうちにくるまで
最初は大型犬を飼うなんて、考えてもいなかったのに――
勤務先の病院にいた、ニューヨーク帰りの医師の言葉で心が動いて――
ある日、ゴールデンレトリバーがやってきます。
猫の多頭飼いしていた我が家。
そこにはじめて迎え入れた犬が、レイちゃんでした。
レイちゃんは素人繁殖で生まれた子。保健所に持ち込まれる寸前でのことでした。
●