リンちゃんの起こした奇跡
カテゴリー:エッセイ
作者:樫村 慧
犬にまつわる不思議な出来事。この話もきっとそうだ。
散歩道で挨拶を交わす程度の犬仲間。実は名前も知らなかったりする。
そんな犬仲間が、お互いの愛犬を亡くした後、
たまたま書いたエッセイが縁で、また知り合うことになる。
そんな奇跡――
犬にまつわる不思議な出来事。この話もきっとそうだ。
散歩道で挨拶を交わす程度の犬仲間。実は名前も知らなかったりする。
そんな犬仲間が、お互いの愛犬を亡くした後、
たまたま書いたエッセイが縁で、また知り合うことになる。
そんな奇跡――
私が『老犬』という言葉を意識するようになったのはいつだろう?
今は『老犬』という言葉を耳にするだけで、或いは口にするだけで、よろよろと歩く平和で温和で、しかし頑固な犬たちの姿が脳裏に浮かぶ。
そうなったのはいったいいつから?
以前はそうではなかった。『老犬』というのは単語の1つでしかなく、何の情景も浮かばなかったし、何の感慨も湧いてこなかった。
きっとあれはうちの愛犬、ゴールデンレトリバーのラフが歳をとって、金色の毛が白くなり始めてからだ。「この子も歳をとったのだ」と感じてから、うっすらと『老犬』を実感しはじめたような気がする。
この記事はこんな方へ:皆さんは老犬というと、どういうイメージを持つだろうか?
私は老犬に、ポジティブな印象を持っている。
些細なことに動じることなく、どこか達観したところがあって、気を荒げることもせず、周囲に優しくて、しかし弱々しいわけではなくとても芯が強い。どうしても譲れないことに対しては、徹底的に頑固であり続ける。
足腰が弱ってヨロヨロ歩き、病気がちになって、時には寝たきりになっていても、その芯の強さは健在というか、そうなってからの方が、よりその強さを実感したりする。
私にとって『老犬』は、『老兵』という感覚に近いのかもしれない。
闘いの中で余分な角がとれていき、大事なところだけが残って、まん丸になって――
でも、まん丸というのはそれ以上にないほど強い。それが老犬。
老犬アルバムは、私にとっての老犬への思いそのものだ。
『うちの子の老いっぷりを見てやってくれ』
老犬アルバムのカードの裏には、もれなく飼い主さんのそんな言葉が添えられているような気がしている。老犬が誇り高いのと同じように、老犬の飼い主さんもまた誇り高いのだと思う。
私はそんな思いで、いつも老犬アルバムを配信する。
「さあ、皆に見てもらっておいで」
まるで自分が飼い主になったような気分で、誇らしい思いを込めて送信ボタンを押すのだ。
子犬なのに大きな手。
テツは予想通りに、優しく逞しく育ち、いつも家族の中心に。
ですがテツは歳をとり、衰えが目立ってきます。
安らかな別れが家族の願い。
その願いは叶えられるのでしょうか?
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カテゴリー:コラム
作者:高栖 匡躬
本作は、愛犬(愛猫)の終末期を、前向きに捉えていけるように書いたものです。
別れはいつか必ず訪れる。それならばどうやってその時に向き合えばよいのか?
そんなことを考えたのは、2年半も前のこと。愛犬ピーチーがまさに「その時」を迎えようとしている時期でした。
思えば、楽しい思い出ばかりでした。
病気で死の淵にあった時期も2度ありました。癲癇の発作が続いて、別れを予感した時期もありました。そんなことの全てが、良い思い出に変わっていました。
その時ふと、思いました。
今はどうなんだろうか? ――と。
遠い未来から振り返ると、きっと今だって、良い思い出にになっているに違いないと思いました。だって、ピーチーはまだ目の前にいる。未来に振り返るときには、もうピーチーはいない。
「いてくれただけで楽しかったんだよ」
きっと将来、自分はそう考えるだろうな。
そう思いました。
――だから、楽しんでおこうと思ったのです。
今を……――2016年5月13日――
血便・下痢がきっかけで、手作り食を食べるようになった、ろくすけ。
涙やけが減っただけでなく うんちの量が減り 臭いが減り、
そして なんといっても てんかん発作が、 ない! ない! ない!
前回の発作が3月20日だったので あともう少しで2か月ないことになる。
手作り食がてんかん発作を減らす!
――なんて話はどこからも聞こえないけど、どうなのだろうか?
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カテゴリー:記事
作者:高栖 匡躬
うちの犬って人間なら何歳?
犬の飼い主だったら、誰もが一度は考えてみる事です。
ドックイヤーは7年で、犬は1年で7歳歳をとるといいますが、詳しく老化を調べた結果を見ると、年の取り方は子犬から老犬まで均一ではなく、小型犬と大型犬でも違いがあるようです。
また犬の平均寿命も大きく変化しています。
今でこそ平均寿命は15歳に迫りますが、30年前は平均寿命は10歳、更にその10年前は5歳。我々が考える犬のライフサイクルは、日々更新されているのです。
では猫は?
猫は小型犬と同じライフサイクルと言われており、一般的に犬よりも長生きと言われていますが、そうなったのも最近になってから。
20年前の平均寿命は犬よりもずっと短い8歳なのです。
愛犬、愛猫の人間寿命を考えてみると、見え方が変わってきます。
恐らく飼い主が想像していた以上に高齢で、「もっと大切にしてあげなきゃ」と思うはずです。
どうか下記の表で、換算をしてみて下さい。
※[扉絵]マーチさん(飼い主:ててててさん)2016年に加計学園問題が表面化した当時、TVのワイドショーでは産業獣医師がクローズアップされて、そこに内包された諸問題を探り始めました。
それを見て筆者がまず何に思ったかと言うと、問題は問題だけれど、千載一遇の好機でもあるということです。政治的なことよりも産業獣医師が抱えている構造的な問題が明らかになることは良い事だと思いました。
国民皆がその問題を認識し共有することで、解決の糸口がきっと見つかるだろう。
解決の気運が盛り上がるに違いないと思ったのです。
しかし、時が経つにつれて、誰も産業獣医師を話題にしなくなりました。
ワイドショーは総理はズルイという、卑近な問題に終始しはじめて、総理叩き政権叩きばかりになっていきました。
産業獣医師が抱える問題は、何も解決してはいないはずなのに――
あれってどうなったの? どうにも消化不良――――2016年4月29日――
ろくすけのご飯のパターンは、
朝6時 昼12時 夕方5時 夜①7時 夜②9時の一日5食。
回数は多いけれど、もちろん一日分を分けて与えている。
これはもともとは、とくすけがお腹空きすぎて、胃液を吐くのを避けるためだった。
今は――、てんかん発作はストレスが引き金になるということもあり、出来るだけ空腹時間を減らしたいと思って続けている。
●
果たして老犬の胃袋に、いつも食べ物があるのはいかがなものか?
とも思うのだけれど 食べるのだけが生きがいなろくすけを見ると、やはりこのパターンはやめられない。
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カテゴリー:コラム
作者:高栖 匡躬
本作は、愛犬(愛猫)の闘病を前向きにとらえていくためのコラム集です。
愛犬(愛猫)の闘病は突然に、何の前触れもなく始まる事が多いようです。
動物の本能として、犬猫は体調の悪さを隠そうとするため、本当に具合が悪くなるまで、飼い主もそれと悟る事が難しいのです。
我が家もそうでした。
最初はちょっとした体調の変化(悪化)と思って、掛かりつけの主治医を訪れたのです。そこから予断を許さぬ状況に陥るまで僅か数日。
病気に関する予備知識がないままで危機的な局面を迎えると、飼い主は誰にも相談することができず、孤軍奮闘の状態になりがちです。時には愛犬(愛猫)を病気にさせたのは自分なのではないかと、罪悪感を抱いたり、苦しい状況にあるのは、世界中で自分だけだと、孤独感にさいなまれることも……
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