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【劇症肝炎】8月16日|朝-2 ~まさに激動の1日~【闘病記】

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ピーチーの闘病記:劇症肝炎編  f:id:masami_takasu:20171108075936j:plain

撮影&文|高栖 匡躬
 
当時を振り返り

急に発症した劇症肝炎のため、筆者はその日、2つの病院(救命救急と主治医)を行き来することになりました。非常に悪い状態ということだけは見ただけでわかり、しかもそれが刻一刻と、悪い方向に進んで行きます。

しかし、それ以外の事はまったく分かりません。

担当医の顔つきから、深刻な状況である事は明らか。
肝臓の数値、炎症をが非常に悪い事から、病名で言うと劇症肝炎であろうことが分かってきます。

その時の筆者の頭の中は、不安で満たされているのですが、こういう時に出来るのは、ただ一つだけ。冷静でいるということだけです。

何が起きようと、最後の判断は飼い主に委ねられます。その判断を間違えないようにしたい。後悔のない判断をしたいという気持ちだけが、筆者の心を支えていました。

こんな方に:
愛犬が劇症肝炎|愛犬が急性の炎症性疾患|免疫疾患の可能性もある|治療方針の決断を迫られている|選択肢が乏しい|かかりつけの医師に任せるのが良いのか?|経験者の体験談を聞いてみたい

 8月16日、朝、 今後の見通し

ピーチーの症状からして、劇症肝炎であるのは確かなようですが、今後は症状を軽減する対処療法に加えて、その原因を探る必要があります。 

インターネットで検索をすると、肝炎の原因はウイルスや細菌、熱中症、膵炎、自己免疫不全、癌などがあるようです。ピーチーは本日の時点で行った、レントゲンとエコーの検査から、肝臓がんである疑いは払しょくされています。

ピーチーの場合、今の時点で2つ思い当たることがあります。

1つ目の可能性 自己免疫不全

まずは、ピーチーはこのところ闘っているてんかんのですが、その原因が、自己免疫不全に起因する脳炎である可能性が指摘されています。MRIではその種の脳炎は映らないため、現在受診中の脳神経科では、来週以降に試験的にその自己免疫不全に対する治療を、行ってみるかどうか話し合うことになっていました。

今回はその矢先のことなので、自己免疫不全の可能性が高いように思えます。そして幸運なことにそれには治療法があるのです。最も理想的なケースは、自己免疫不全の治療によって、肝炎とてんかんの両方が改善されることです。

2つ目の可能性 膵炎

もう一つ疑われるのは膵炎です。ピーチーは3年前に一度、膵炎から胆管閉塞を併発して、九死に一生を得た経験があります。今回はその膵炎の時と症状が似ています。

とにかく、何にしても、今の劇症肝炎の危険な状態を切り抜けてからの事です。

現段階では素人考えの域を出ません。
明日の総合内科の診断を待つことにします。

 

今日の行ったり来たりのまとめ

朝7時    

DVMsのER(救命救急)に到着。良く晴れて暑い日でした。

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朝9時15分 

大倉山動物病院(主治医)です。いつもお世話になっています。

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今日は押しかけておいて、「紹介状だけ書いてくれ」と言う失礼なお願いをしてしまいました。

大倉山動物病院では、皆さんが心配してくださり、診察の順番を譲ってくださったり、タクシーを待つ間に、体を冷やす濡れタオルを掛けてくださいました。ありがとうございました。

朝9時45分 

もう一度DVMsに向かいました。

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ピーチーはこれまで、幾度も危険な状態を切り抜けてきました。
とても運の強い子です。

そして、8月26日はピーチーの14回目の誕生日。年に1回だけ、大好物のウニ(注)を食べられる日です。

どうか、もう一回だけ、切り抜けさせて。
神様、おねがい。

(注)筆者の愛犬ピーチーは、おかしなことにウニが大好物でした。
   高いので、年に1回だけ、誕生日に食べさせていました。

 

――【劇症肝炎】闘病記・つづく――

文:高栖匡躬
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――次話――

夜、集中治療室のピーチーに面会に。
会っておかなければ、最後になるかもしれないと思いました。
高濃度の酸素と肝機能を保護するための点滴
それは治療ではなく、現状を維持するためのもの
早急に、治療方針を決める必要がありました。

――前話――

この日早朝6時、愛犬ピーチーは救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
主治医からは、安楽死を勧められるほどの状態。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。

まとめ読み|劇症肝炎闘病記 ①
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

 ペットの闘病についてのヒント

闘病の奇跡は呼び込むもの

闘病記を読むと、奇跡的に治るという表現に時々出会います。
しかし奇跡は、待っていて起きるものではありません。
奇跡が起きる確率は、努力で上げることができます。

医師まかせにせず、とにかく情報を集めて分析する事です。
その中に、もしかすると答えがあるかもしれません。

セカンドオピニオンと二次診療

街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。

セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。

高度医療という選択肢

動物にも高度医療があります。
それは人間で実績のある治療を、いち早く動物医療に転用するものです。

医療は日進月歩。昨日治らなかった病気が、今日は直るかもしれません。
高度医療は病気を治す手段としては有効な選択肢です。

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