うちの子がうちにくるまで|No.18 - 2
自分の不注意から猫の子姫が去ってしまい、飼い主だったはなここさんは、ペットロスに一直線。
しかしそこに、犬との出会いの時がやってきます。
――犬には、全く興味が無かった。
そう語りながらも、はなここさんの犬との関係が始まります。
さて、どんな出会いだったのでしょう?。
猫を亡くしてペットロス|犬を飼ってみたらと言われた|ダックスフントってどんな犬?|ペットロスから抜け出したい|犬を迎えたが、懐いてくれない|経験した方の話が聞きたい
犬を見に行ってみない?
猫の子姫(こひめ)がいなくなって数日後――
パパは私に、「知り合いにブリーダーさんが居るから犬でも見に行ってみないか?」と言いました。
――犬?
そんなもの飼ったこともないし、飼い方だって知らない。
「子姫じゃなきゃダメ」
正直、私は、全く犬に興味が無かったのです。しかし、せっかくパパが言ってくれたのだからと、乗り気ではないままブリーダーさん宅へ。
そこには、まるで「ぬいぐるみのオモチャ」が動いているような――
そんなヤンチャな、チビッ子ミニチュアダックス達が数匹。そしてその中には何故かポツンと、大人しくて、全く私に近寄ってこない、成犬のミニチュアダックスが1匹いました。
そこで、その仔犬達を少し見ていると、ミニチュアダックスにも変わった柄の子がいるんだなぁ~と分かってきました。そしてあまり見ない柄の子に、少し興味が沸いてきたのです。
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――でも、そんなには欲しくない。
だけど、何だか可愛いな……
犬の事なんて何も知らないのに、こんな私に、飼えるのかな?
徐々に、気持ちの変化もありました。
値段を聞くと、『そんなにするの??!!!』と、あんぐり。
だって、拾い猫はタダ。
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ブリーダーさんは、ペットショップよりも随分と安い価格らしいのですが、全く犬に興味がないところからスタートした私は、ただただその価格に驚くばかり。
私はそれまで、ブリーダーの存在さえ知りませんでした。
保護犬という存在があることも、もちろん知りませんでした。
どれだけ私が、犬に興味がなかったのか、これでお分かりでしょう?
犬って――
結構高いんだね……
そう思って諦めかけた時です。ブリーダーさんが、何故か子犬の中にポツンといた成犬を「この子で良かったら、(秘密)円で譲りますよ」と――
正直、子姫がいなくなった心の寂しさを埋めたいだけの自分に、そんな魅力的な話――
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かなり悩みました……
「一度帰って考えてもいいですか?」と言い残し、パパに相談する為、私は成犬のあの子には一度も触れることもなく、帰宅したのでした。
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さて、ここからはパパとの相談内容です。
私はお金が無いのに、柄の変わった子犬が欲しい。
それに対してパパは、「お金が無いなら成犬の子にしたら?」と――
(俺はお金は出さないよ。という意味でもあります)
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色々話し合っているうちに、なぜかお互いに納得できる着地点が見つかりました。
《犬は吠える》
→でも、あの子は大人しい。
《二人とも共働きで、お留守番が多い》
→子犬なら心配だけど、成犬ならきっとお留守番もできるかな。
今思えば、全て人間の勝手な、都合のいい考え方です。ですが、私の寂しさを埋める為だけに、その日、一目見ただけのあの成犬『はな』は、我が家の家族になったのでした。
我が家に来た時、『はな』はあと数日で4歳を迎える成犬。
名前はもともと『はな』でした。
我が家では『はな』のことを想って、名前はそのままにしました。
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冒頭にも書きましたが、私は『はな』に出会った日に、その体に一度も触れることはありませんでした。その理由を『はな』がうちに来てから、私は知る事になりました。
大人しいだけじゃない。触れさせてくれないのです。
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そしてここから私は、『犬』という生命の不思議を思い知らされることになります。
人間と同じように心を持ち、頑なな忠誠心を持つ、ペットではない、もはや家族といわれる『犬』という存在について――
このお話は、更につづきます。
――はながうちにくるまで(2/3)・つづく――
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犬種:ミニチュア・ダックス・フント
飼主:はなここ
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――うちの子がうちにくるまで・次話――
3話連続の最終話です。
1話に登場した、別れた愛猫、子姫について――
そして、なかなか懐かないはなについて――
――うちの子がうちにくるまで・前話――
犬との出会いは、一匹ごとに全く違うドラマがあります。
本話は、愛犬との出会いの切っ掛けが猫だったというお話。
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この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――うちの子がうちにくるまで、第1話です――
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。