犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【懐かない犬】頑なだった心が開いた時に ~はながうちにくるまで(3/3)~【命のバトン】

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うちの子がうちにくるまで|No.18 - 3 うちの子がうちにくるまで

撮影&文|はなここ
 
今日のお話は

3話連続の『はながうちにくるまで』、今回が最終話です。
1話に登場した、別れた愛猫、子姫について――
そして、なかなか懐かない愛犬、はなについて――
飼い主のはなここさんが語ります。
我慢強く待ち続けるはなここさん。はなの心は開くのでしょうか?
愛情が溢れる、うちの子がうちにくるまで。

こんな方に:
ダックスフントってどんな犬? 飼いやすい?|ペットロスから抜け出すには?|犬を迎えたものの懐かない|経験した方の話が聞きたい

 子姫から渡されたバトン

今回は、愛犬『はな』のお話に入る前に少しだけ、前々回に書いた、可愛がっていた猫、子姫の事(子姫のお話はこちらです)に触れさせてください。

子姫は回虫に悩まされていました。何度虫下しをしても、また――
そんな繰り返しから、子姫は自ら離れていってしまったのではないか?
あれは、子姫なりの行動だったのではないか?

今では子姫を、そんな風に考えるようにしています。
そしてきっと子姫は、『はな』にバトンを渡したのではないかと――

 ●

子姫がずっと一緒に居てくれたら、『はな』とは出会えなかった。
『はな』が家族になっていなかったら、他の4匹、『ここあ』も『チビたち』も居なかった。そしてきっと、この文章を書く事も――

出会いは、きっと何かを意味しているのでしょうね。

 

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『はな』と初めて会った日に、私は『はな』に一度も触れる事はなかった。ずっと離れた場所にいて、一度も触れさせてくれなかった。その理由がなぜなのか、わかるはずもなかった。

今思うと、本当に無茶な話です。なつかない犬を連れて帰ったら、どうなるのか、その時の私は考えもしなかったのです。

 ●

ブリーダーさんにとっては、『はな』は家族同然に過ごしてきた子。ちゃんと可愛い子供たちを何度か生んで、もう引退(避妊済み)していました。

そんな『はな』を手離すのですから、それなりに理由があるわけです。
犬にも上下関係や、相性があるということは、今になって分かることなのですが、『はな』は相性の合わない子がいて、どうやら虐められていようなのです。

 ●

「このままここに居ては可哀想だから……」
ブリーダーさんはそう思ったのでしょう。とても辛かったと思います。

新しい家族として連れて帰ろうにも、『はな』は触れさせてくれないのですから、抱っこなんて到底出来ません。連れて帰る時は、ブリーダーさんが抱っこして手渡して下さいました。

 ●

大人しく抱っこされたまま、車で帰宅する間も、暴れることはありませんでした。ただ緊張している感じだけは、抱っこする腕に伝わってきました。

「わたしは何処に連れていかれるの?」
きっと『はな』は不安だったことでしょう。

 

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帰宅して『はな』をリビングに下ろすと、すぐに『はな』は私たちから逃げるように、離れて行きました。それから3日間『はな』は、私たちに近づくことはもちろん、ご飯を食べることすらしませんでした。

 ●

私はネットで犬について色々調べながら、まずは1つの事だけを『はな』に求めました。それは”トイレ”です。

環境が変わったのですから、失敗するのは当たり前です!
しかし私は辛抱強く、「ここでするのよ」と伝えるようにしました。
『はな』がシートの方に行ったり、上でクンクンしている時には、少し離れた場所から「ワンツー♪ワンツー♪」と声をかけました。

 ●

きちんとシートの上で出来た時、テンションMAXで「はな~♪上手!上手!!」と誉めて、手を差し伸べました。

でも――、3日間『はな』は、逃げるように私を避け続けました

 ●

――これは仕方ない。
突然、知らない人、知らない場所に連れてこられたんだもの。まだまだ不安だよね。私は『はな』に触れたい、抱っこしたいという気持ちを押さえました。

 

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『はな』が我が家に来て4日目のことです。

『はな』がトイレシートのある部屋から、私のいる部屋に、シッポを振って入ってきました。「はな♪ワンツーしたの?」と聞くと、なんと『はな』は、嬉しそうに私の方に真っ直ぐ向かってくるじゃありませんか!!!

 ●

「はな~♪上手!上手!」と抱き締めて頭をナデナデ♪

それは初めて『はな』に触れることが出来た瞬間でした。
きっと『はな』にとっても、私に心を開いてくれた瞬間だったのでしょうね。

その日以来、ずっと甘えん坊で私にベッタリな『はな』
男の人は苦手なようで、我が家に来てもう7年になるというのに、パパにはあまり身体を触れさせません。相当なトラウマがあるか、頑固モノです。

 ●

私が居ないとご飯を食べない。
トイレは誉めて欲しいのか、私が帰ってきてからトイレに直行。
そんな悪い癖(?)までつけさせてしまいました。

とてつもなく頑なな性格。
「私だけにどこまでも愛を注いでくれる子」といっても、過言ではない程の子です。
そんな『はな』のことを、私は大好き!!!

はな♪
私の子になってくれてありがとうね。

 

――はながうちにくるまで(3/3)・おわり――

うちの子がうちにくるまで|No.18 - 3
犬の名前:はな
犬種:ミニチュア・ダックス・フント
飼主:はなここ
 
うちの子がうちにくるまで、とは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイです。
こんな効果もあります:愛犬、愛猫を今すぐ100倍可愛くできる、最も簡単な方法
 
犬や猫と暮らすあなたへ

『うちで飼えるかな?』
『きちんと面倒を見られるかな?』

犬や猫を、”はじめて”飼う時、ほとんどの方はこう思ったことでしょう。
平均年齢でいえば、15年も生きる小さな命を預かるのだから当然ですね。
我々はそこで大きな決心をし、葛藤を乗り越えたからこそ、今、犬や猫と暮らしています。

どうかその思いを、忘れないでください。
その時の思いがあれば、我々はどんな時でも犬や猫と暮らしていけます。

【飼えるかなより

――うちの子がうちにくるまで・次話――

はなここさんのお宅に、2匹目の愛犬ここあを迎えるお話。
多頭飼いの2匹目は、1匹目を迎える時とは違う葛藤があるものです。

――うちの子がうちにくるまで・前話――

自分の不注意から猫の子姫が去ってしまい、飼い主だったはなここさんは、ペットロスに一直線。しかしそこに、犬との出会いの時がやってきます。

まとめ読み|うちの子がうちにくるまで(犬)④
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――本シリーズの第1話です――

犬との出会いは、一匹ごとに全然違います。
本話は、愛犬との出会いの切っ掛けが猫だったというお話。

――うちの子がうちにくるまで、第1話です――

昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。

 おすすめの、うちの子がうちにくるまで

愛猫を亡くした作者。
供養をした翌日、ふらりとペットショップに立ち寄ると、そこには[ただであげます]と張り紙された犬がいました。

 

 出典

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

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