ここは『ハナちゃんの動物病院』(犬版)です。
今日はワンちゃんの、乳腺腫瘍のお話です。
乳腺腫瘍は、飼い主さんでも、比較的発見しやすい病気ですよ。
毎日触ってあげてくださいね。
乳腺腫瘍と悪性の割合
ワンちゃんも高齢になると、腫瘍ができやすくなりますが、その全体の30%が乳腺腫瘍です。
犬の場合、乳腺腫瘍の約50%が悪性といわれています。
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※以下、一部に患部の写真があります。苦手な方はご注意を。
乳腺腫瘍の発生率は、発情回数と深い関係があります。
つまり、若いうちに避妊手術をすれば、発生率が低くなります。
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猫の場合は、乳腺腫瘍の80~90%が悪性であり、若いうちに避妊手術を行うことで乳腺腫瘍の発生のリスクを明らかに減少できます。
繁殖の予定がなければ、避妊手術をしてあげて欲しいと思います。
そして、人間と同じように、高齢になってきたら、体を時々触ってあげて、異常がないか確認すべきです。
もし、何か見つけたら放置せず、大きくならないうちに病院で診察を受けてください。転移や腫瘍が破れることもあります。
避妊手術でリスクを減らせる
うちのハナは、生後6ケ月で避妊手術をしました。乳腺腫瘍の心配はありません。
しかし高齢犬ですので、他の腫瘍のチェックが必要です。
いつまでも元気でいてね。
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乳腺腫瘍の発見
乳腺種は体表に近い部分にできるために、飼い主さん自身が撫でている時や、ブラッシングの時などに発見することが多くあります。頻繁に触ってあげていると、以前は何もなかった場所で、突然堅いしこりに触れたり、或いは以前からあったしこりが大きくなったことに気づきやすく、早期発見につながります。
一度発生すると、何度も発生しやすくなる傾向があります。
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読者の方とのQ&A
うちの子は乳腺腫瘍が2回できて、2回ともマッチの頭くらいの時に手術しました。幸い2回とも良性でした。どうやら乳腺腫瘍が出来やすい体質らしく、最近また2箇所にできていて、どちらもマッチの頭くらいです。
高齢なので、毎回全身麻酔で手術をするのもどうかとも思い、主治医に相談したところ、経過観察をしましょうとの事。
そこで質問ですが、経過観察というのは、どの程度の大きさまで様子を見るのでしょうか?
或いは、どの程度の大きさになると要注意なのでしょうか?
本来ならば、小さい腫瘍でも針を刺して細胞を取って検査し、悪性であれば
できるだけ早く切除するのが良いと思われます。
ただ、高齢のペットだったり、飼い主さんが手術を望まなければ、経過観察となるケースが多いです。
観察のポイントは、どの場所にできているかも大事です。
それと、成長の速度と腫瘤の色や形の変化だと思います。
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ハナちゃんママからアドバイス
乳腺種に限らず、腫瘍はケースによって経過が違います。発見をしたら、ご自分で判断しないで、主治医と良く相談して下さいね。
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【Withdogより】ここでご紹介したのは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。
日光どうぶつ病院
ハナちゃんママが獣医さんになった理由は?
ハナちゃんが看板犬になった理由は?
【獣医師が犬を飼うということ】ハナがうちにうちにくるまで
▶ハナちゃんママ:犬 の診察記のご紹介
▶ハナちゃんママ:猫 の診察記のご紹介
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――次話――
【子宮蓄膿症】【避妊手術】
高齢になると起きやすい病気
避妊手術は賛否両論ですが、子宮蓄膿症のリスクをへらすことはできます。
本記事のハナちゃんママの、避妊と去勢への考えに、救われる飼い主さんも多い事でしょう。
――前話――
【口腔内腫瘍】
飼い主さんでないと、気づけない病気
動物は本能で、自分の病気を隠そうとしまから発見が遅れがちです。
飼い主さんでないと、なかなか気付けない病気が色々あります。
例えば、口の中。しかしこれ「飼い主なら気付ける病気」とも言い直せます。
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この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。
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――ハナちゃんの動物病院(犬)・初回の記事です――
【尿石症】
膀胱炎や、尿経路の結石による痛み
膀胱炎などの症状から、発覚します。
場合によっては手術が必要になり、命にかかわることもある怖い病気。
意外に多いし、予兆もあるので、気を付けてあげてください。
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ペットの闘病についてのヒント
セカンドオピニオンと二次診療
街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。
セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。
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おすすめの闘病記
ペットの闘病を支えた、飼い主さんたちの記録です。
【前庭疾患】
突如愛犬を襲った憎らしい病魔
前庭疾患は、様々な原因で平衡感覚をつかさどる前庭(三半規管の根っ子の部分)が侵されたことにより、平衡感覚を失ってしまう病気です。
軽度な場合は自然に治る、または体が慣れて不都合を感じなくなりますが、重度な場合は歩行困難にまで発展してしまいます。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。