犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【貧血】貧血について考えてみよう ~早く見つけてあげたいですね~

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ここは『ハナちゃんの動物病院』(犬版)です。

今日は貧血について考えてみます。

貧血は良く聞く病気で、良く目にする症状ですが、原因は色々です。
飼い主さん、よく観察をして、早めに気付いてあげてくださいね。

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撮影&文|ハナちゃんママ

 貧血について

今日は、読者の方からのリクエストにお答えして、貧血の話です。

ペットの貧血は、なかなか飼い主さんが早期に発見するのはむずかしいかもしれません。しかし、出来るだけ早く見つけ出して原因をつきとめ治療をしてあげられれば、それだけ早く元気になる可能性も高くなるはずです。

貧血は、血液検査ではっきりしますが、毎日生活で見ていて欲しい点は、元気がない、疲れやすい、歯肉や舌の血色・目の周辺や結膜の血色が悪い、などです。白い毛色のワンちゃん、猫ちゃんは、耳の先端や鼻先、顔色全体が白っぽくなりますから分かりやすいと思います。

貧血の原因もさまざまです。

出血、赤血球の破壊の亢進や溶血、赤血球の産生低下、赤血球の分布異常など治療法も原因によって変わってきます。

原因をつきとめるため、血液検査などさまざまな検査が必要になることもあるでしょう。

なによりも飼い主さんの毎日の観察が一番大切です。いつもと違う事があった時、それを見過ごさず早期発見につなげて下さい。 

慢性的な血尿・血便(赤くなくても微量な出血が毎日、慢性的に続くケースもあります)、溶血の場合は、尿の色が赤茶色になってきます。大量の寄生虫の寄生(ノミ・ダニ・鈎虫など)も原因になりますし、極端な栄養不足も考えられます。

 

 貧血の見極めの例

うちの子、ハナの顔色を見て下さい。
これは血色が良い例です。白い毛色の子は一目瞭然です。
耳の赤み、鼻の上、周辺の赤み、目の周りの赤み、はっきりしてるでしょう?

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これが良い血色。そして、良い顔色です。

毛色のあるワンちゃんは、ハナのように顔色をみるのは難しいので、歯肉・舌の色・おなかの皮膚の色などで確認すると良いでしょう。

もう一度、お宅のワンちゃんの血色をよく見てあげて下さいね。

 

 難病の貧血もあります

貧血ですが、深刻な病気の場合もあります。こちらは、『非再生性免疫介在性貧血』という病気(1年生存率は5割)の闘病記です。

似て非なる病気ですが、同じく免疫が関与する『免疫介在性溶血性貧血』という、やはり難病の貧血もあります。概要は下のアドバイスの方に記しておきます。

 

 読者の方とのQ&A

■読者からの質問:
早目に気が付いてあげるって、大切ですよね。
歳を取ると寝てばかりで具合が悪いのか、いつも通りなのか判断が難しくなりますが、顔色! まさにその通りです。
白いブルテリアは酔っ払いの如く、ピンクのお顔をしていますが、うちの子は倒れる数日前から「色白」でした。なんかきれいなお顔してるなぁって思ったら貧血でした。
やはり普段の観察って大事ですね。
■ハナちゃんママからの回答:
貧血といってもいろいろあって、簡単に説明するのは難しいです。
その後、お体調はいかがですか?
貧血治療は、時間がかかるかもしれないですね。
お大事に。

 ●

ハナちゃんママからアドバイス

赤い顔だからといって、全てが良いとは限りませんのでご注意を。

アレルギーの痒みでかいたりこすったり、過度に舐めてしまうと、炎症が起きて赤くなることもあります。

歯肉や舌の色、結膜の色なども確認場所です。そちらも参考にしてみて下さいね。

 ●

貧血でよく耳にするのが、自己免疫介在性貧血
そして犬に多いのは、免疫介在性溶血性貧血です。
自分の免疫が、自分を攻撃し始める免疫系のエラー、自己免疫不全から発症します。

自己免疫不全は劇症肝炎や脳炎、多発性関節炎など、様々な症状を現します。
深刻な状態になる前に、対処してあげたいものです。
――愛犬に自己免疫不全が発症した経験者として――
――高栖匡躬 ――
免疫介在性溶血性貧血
赤血球表面に免疫抗体が結合して赤血球が破壊されるために起こる貧血.自分の赤血球そのものに免疫反応が向けられた場合と(自己免疫性溶血性貧血),赤血球に付着している何らかの物質(たとえば薬物など)に対して免疫反応が起こっている場合がある.
出典:一般社団法人 日本臨床獣医師フォーラム 

【Withdogより】ここでご紹介したのは、病気を疑ってみる初歩的な知識です。もしもご家庭のワンちゃん、ネコちゃんに該当する症状があったら、すぐに動物病院を受診なさってください。

――いつもやさしい、ハナちゃんママの動物病院はこちら――
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日光どうぶつ病院日光どうぶつ病院

ハナちゃんママが獣医さんになった理由は?
ハナちゃんが看板犬になった理由は?

こちらをどうぞ
【獣医師が犬を飼うということ】ハナがうちにうちにくるまで 

 ▶ハナちゃんママ:犬 の診察記のご紹介
 ▶ハナちゃんママ:猫 の診察記のご紹介

――次話――

【去勢手術】
将来の性ホルモン関連の病気を予防

避妊手術同様に、去勢手術にも賛否両論あります。
メリットは性ホルモン系の病気予防になること。
もしもやるならが、病気になる前に――
判断は飼い主次第です。

――前話――

【子宮蓄膿症】【避妊手術】
高齢になると起きやすい病気

避妊手術は賛否両論ですが、子宮蓄膿症のリスクをへらすことはできます。
本記事のハナちゃんママの、避妊と去勢への考えに、救われる飼い主さんも多い事でしょう。

まとめ読み|【犬版】ハナちゃんの動物病院 ①
この記事は、まとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――ハナちゃんの動物病院(犬)・初回の記事です――

【尿石症】
膀胱炎や、尿経路の結石による痛み

膀胱炎などの症状から、発覚します。
場合によっては手術が必要になり、命にかかわることもある怖い病気。
意外に多いし、予兆もあるので、気を付けてあげてください。

 ペットの闘病についてのヒント

セカンドオピニオンと二次診療

街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。

セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。

出典

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

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