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【災害時の犬と猫】被災時に飼い主がやるべきことは? ~避難所の状況から知る、準備の大切さ~

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撮影&文|高栖匡躬
 
この記事は

最近日本全国で、地震や台風による風水害など、自然災害が頻発しています。
本記事は、実際に被災地で何が起きたのかを知ることで、いざというときの心の準備するためのものです。非常時の心得は、平常時でないと行えないものです。災害時にペットを守るために、ぜひ読んでみてください。

こんな方に:
避難勧告、避難指示が出た場合の避難所の様子が知りたい|いざという時に、私はペットを守れるだろうか?|事前に出来る準備は無いのか?|体験した方の話が聞きたい

 

2月21日は北海道で、最大震度6弱の地震が観測されました。昨年9月の北海道胆振東部地震(最大震度7)ほど大きくなくて幸いでしたが、日本が地震大国であることを、改めて実感させられました。

また昨年は、大型台風による西日本豪雨が、岡山県倉敷市真備町を水没させたことも記憶に新しいですね。災害非難はもう対岸の火事ではなく、ごく身近で起きうるのだと強く感じます。

※扉の写真は筆者が、真備町の被災現場にお手伝いに行った時に撮影したものです。
※捨てられたフランス人形が物悲しく見えます。

今日は自然災害に被災した場合に、どのようにペットを守るのか、或いは守れるのかということを考えてみたいと思います。

【目次】

 私たちが被災する可能性は、低くはない

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関東では今後30年以内に、大地震が起きる可能性が70%以上と言われています。
また台風の大型化による被害は、それ以上に可能性が高いでしょう。最近の例を見ると、これまで台風のこなかった北海道までが被害の対象になりえます。

※上の写真は筆者も、真備町で撮影したものです。
※うず高く積み上げられた災害廃棄物です。

8年前の東日本大震災の際に、福島でペットが悲惨な状況に落ちいったニュースを見て、わが家では、もしも避難と言う時がきたらどうするか話し合いました。
当時はまだ愛犬ピーチーが元気なころでしたので、特にピーチーをどう守るかということについては真剣に考えたものです。

こういうことは予め考えておかないと、いざという時には冷静な判断が出来なくなると思いました。

 

 考えておこう、こんなこと

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我が家では、まずはハザードマップを入手して、避難所の場所を確認すると共に、そこまで歩く経路を何通りもシミュレーションしました。高い建物が倒壊するかもしれないし、地割れもあるかもしれないし。だから最短距離でそこに行けるとは限りません。

(当時は思いもしませんでしたが、我が家は近くに川があって、巨大台風がもしもきたら水没エリアも結構あります)

そして、当然離れ離れになるであろう家族と、どこで落ち合うかということも決めました。その時に、ピーチーの面倒をどうやって見るかも含めてです。

 ●

ピーチーを避難所に連れていくかどうか?
連れていくとしたらどのようにする?
連れて行けないとしたら、どうやって面倒を見る?

※扉の写真は、311の6日前、3月5日のもの。
※この時には、まさかあんな日が来るとは……

ここから書くことには、当時筆者が考えたことで、当時書いていたブログにも一部を掲載しました。もしもの時には、本当に実行するつもりでした。

もしかすると賛否両論あるかもしれませんが、そのまま書いておこうと思います。
これから我が家の地震対策を練られる方にとって、考えの一助になるかもしれませんので。

 

 災害時に愛犬を守るために

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災害はいつも突然ですね。
地震に限らず、水害、土砂崩れなど、大規模な避難を強いられる局面を、最近は良く目にします。しかし、避難所に犬がいるという映像はあまり見ませんね。
何故でしょうか?

犬を飼う者にとっては、人の命はもちろん大切ですが、犬の命も同じくらい大切です。しかし、犬を飼っていない方にとっては、必ずしもそうではありません。

 ●

避難所では、犬は邪魔者扱いをされがちのようです。愛犬を守ろうとする飼い主が、避難所に入れないで、外にいることも多いと聞きます。

我が家がそんなニュースを見るたびに考えたのは、いざという時にピーチーをどう守るかという事です。愛犬の命を守ってやれるのは、最後は飼い主しかいないのだと思いました。

 

 犬の特性を把握した上で、我が家なりの方法を考えておこう

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まずは自分の身を守ること

愛犬を守るためには、まずは飼い主が無事でいる必要があります。
とにかく自分の身を守ることを、最優先すべきでしょう。

犬というのは、元来が強い生き物なので、3日程度は飲み食いをしなくても大丈夫。野生の状態では一週間もじっと同じ場所、同じ姿勢て、獲物を待つことがあるそうです。

わが家は共働きですが、筆者と奥さんと両方が外にいて地震に遭ったとしても、無理に帰宅を考えず、身の安全を最優先しようと話会いました。家には、3日を目途に、最悪は1週間で帰り着けばいいと割り切るわけです。

もしも愛犬が倒れてきた家具の下敷きになっていたら

家具の下敷きという心配はありますが、犬は人よりも数倍俊敏ですし、危機を察知する能力にも長けています。何しろピーチーは東日本大震災の日には、揺れ始める前に何かを感じて「ワン」と吠えたのです。

無事を信じて、安全に家に帰ることを考えましょう。

もしも愛犬が火事に巻き込まれていたら

すぐ側にいたとしても助けることは不可能です。
可哀そうですが、それは諦めるしかありません。

万が一に備えて、うちでは飲み水の器は人間用の洗面器を使い、出掛ける前には、いつも一杯に水を張っていました。

 

 避難場所は事前に決めておこう

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犬がいることを前提に、待ち合わせ場所を決める

うちでは、避難所をどこにするかを決めていました。

自宅の周囲には何か所か、避難所の指定箇所があるので、どこに行くかの優先順位を付けておきました。犬を連れて行動することが前提になりますので、公民館ではなく、小学校のような校庭がある場所が優先です。

また、避難所が決まったら、家のドアにメモを張るということも決めてありました。
無駄に家族を探し回るリスクは避けたいと思っていました。

 

 避難所では、まず仲間を集めよう

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自分の力で、そこを犬がいられる避難所に変える

避難所に行ったら、何をするかも決めていました。
可能な限り迅速に避難所に行き、避難者が増える前に、屋内とは別に、屋外の一角に広めの場所を確保。そして犬を連れた方々を1か所に集めようと思いました。

「犬を連れている方はこちらでーす」
と、こっちから積極的に呼びかけるわけです。

数は力と考える

犬を飼う家庭は、東京都福祉保健局や総務省の統計を計算すると、8.3世帯に1世帯の割合です。ニュースで見た通りに、避難所で犬が邪魔者扱いされるとすると、7人に取り囲まれて、「お前ら出ていけ!」という事にもなりかねません。
7対1では多勢に無勢で、幾ら口が達者でも、腕っぷしが強くても対抗できません。

しかし、数が集まれば対応も可能になりますし、なによりも心強いはずです。
支援物資を取りに行く際も、交代で犬の面倒を見ることが出来ます。

因みに、猫も同じくらいの割合です。

 

 最後に

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3年前にピーチーは天国に行ってしまいましたが、もしもの避難所に身を預ける時があったとしたら、今でも筆者はこれをやろうと思っています。

いざとなったら出来る状況なのかどうかは、分かりませんけどね。
しかし、事前に考えておかないと、きっと何もできないで終わると思うんです。

もちろん、何も起きないのが一番ですけどね。

※上の写真は地震発生の11日後、3月22日の写真です。
※扉の写真からこの写真までは、1枚も撮影をしていませんでした。
 そんな気分ではなかったですね。

311の当時は、遠く離れた横浜でも、お店から食品が消えました。
そして原発事故、計画停電――

時々は思い出さなければいけないですね。あの時を――
そしてぜひ、我が家なりの避難の方法を考えてみてください。 
犬や猫がいることを前提にして。

 

~避難所の状況から知る、準備の大切さ~

文:高栖匡躬
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まとめよみ|311、震災の日に想う事
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

 311、そのときペットは

地震発生時に、作者の奥村來未さんは宮城県にいました。
「私は死んでも、絶対にこの子たちは守る!」
幼い子供と愛犬に覆い被さり、激しい揺れに耐える。
やがて避難所へ――
そこではなにが起きたか?
「極限状態で、自分は大切なものを守れるだろうか?」
そんな事を考える記事です。

一夜が明けた避難所
情報から孤立し、不安に包まれる作者と家族。しかし――
「冷やっこい手ぇ。風邪ひくぞ」
そんな厳しい状況の中でも、作者は人の暖かみに触れます。

自分はこんな時、大切なものを守れるか?
人に優しくできるか?
そんな事を考えさせられる記事です。

 

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