ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編
劇症肝炎から奇跡的な生還を果たしたピーチー。
一旦はそのまま完全復活をするかと思いましたが、ステロイドの大量投与からの減薬で、離脱症状が現れます。
ステロイドによって失われた筋力は、なかなか回復せず、頬はこけたまま。
しかし、辛抱強くリハビリを続けていました。
やがて少しずつ体力は戻ってきました。浮き沈みはあるものの、段々とその山は高くなり、谷は浅くなり、回復を実感するように、散歩の距離も伸び、少しずつですが筋肉もついてきました。
ピーチーは気持ちが若くて、8歳くらいまでは初めて会った方から、「まだ子犬ですか?」と訊ねられるほど、せわしなく動き回っていました。
14歳で病気をするまでは、老犬と思えない程よく遊び、良く食べました。多分、何も知らない人からは、10歳くらいに見えていたのではないでしょうか?
病気をして老け込んでしまいましたが、それがようやく14歳の年齢並みの子に戻ろうとしていました――
最初に現れたのはちょっとした変化でした。
大好きな散歩に出ても、どこかつまらなそうに見えました。
3日前の散歩は、途中で止めて、抱いて家に帰りました。
それからは、マンションの周辺を少し歩く程度。
段々と回復していたものの、時にはそんな時期もありました。
「少し様子をみようか」
そう思い、注意深く様子を伺っていました。
そして――、この日がやってきました。
当時のブログより
このところ具合が今一つのピーチーですが、今日も相変わらずの調子。
ものすごく悪いわけではないのですが、震えが止まらず、息が荒いです。
何となく身の置き所が無いって感じで、尻尾を足の間に入れていてます。
どこか痛いのかな?
見た目は、気持ちよさそうに寝ているんですけどね。
●
食欲も無いわけではないという感じで、自分からは食べませんが、スプーンで食べさせてやると完食します。
立ち上がっては食べないで、へたりこんだ状態で食べます。
●
若くて元気な頃だったら、こんな恰好で食べていたら、スリッパで叩いてしかっているところですけどね。
ちょっと心配なので、今日は夕方に病院に行ってきます。
ペットの肺がんをもっと知るには
こちらの記事に、肺がんの概要を解説しています。
はじめて読むのに最適です。
この病気は激しい咳や、血痰を想像しがちですが、実はそれほど顕著な症状がでないことが多いようです。
ほんのちょっと息が粗い程度の場合もあります。
気になったら動物病院へ。
抗がん剤というと、厳しい副作用が頭に浮かびませんか?
しかしそれは人間の場合で、動物の場合は少し様相が違います。
何のための治療なのか?
目的が人間と動物では違うからです。
使ってやろうかな? もしかしたら、そんな風に思えるかもしれません。
愛犬ピーチーが去ってからも、色々な闘病記を読みました。
そこで思ったこと。
「もしかして犬の抗がん剤って、副作用が厳しくないの?」
それから調べました。
結果は――
副作用はある。しかし使い方が違うから現れ方が違う。
なるほど、そういうことか。
――うちの子が旅立つまでのこと(1/18)つづく――
文:高栖匡躬
▶プロフィール
▶ 作者の一言
▶ 高栖 匡躬:犬の記事 ご紹介
▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介
Follow @peachy_love
――次話――
病院に行ったピーチー。待ち時間にボールで遊びます。
楽しかったようで、診察中も咥えたボールを離しません。
そしてレントゲン。
――結果は
――肺がんが強く疑われる。
半年前のMRIには何も写っておらず、2週間前には怪しい影。
それが――
――前話――
犬を看取る時、不思議な事が良く起きます。
別れの直前、急に元気を取り戻して家族を驚かせたり、
家族が休みの日を待つように旅だったり。
うちの子はオトボケですから、そんなことはないと思っていました。
ところが……
不思議ですね。
●
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
●
――この連載のはじまりです――
はじまりは、ほんの小さな予兆でした。
体の震え。ときどき息が粗い。食欲不振。
ピーチーは大病を大きくは2度経験してから、体調が悪いときがたまにありました。既往症もありました。
またかな? と思ったのが始まりでした。
●
肺がんの医療記事です
肺がんを分かりやすく解説した医療記事です。
~概要・症状~
~診断方法~
~治療法と予後~
●
闘病の意識を変えてみる
それは限られた時間を刻むこと
愛犬の闘病で悩む飼い主さんは多い。
それは見えない不安が、心にのしかかるから。
これからどうなる? いつまで続く? 医療費は?
見えないものは仕方ない。しかし、見えているものはある。
不安に怯えるのではく、どうか前向きに。