ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編
主治医からは、肺がんの疑いが強いとは言われましたが、確定診断をしたわけではありません。
よって完全に望みがないわけではないとは思っていました。
レントゲンに写った最も大きい影は、ピンポンだまくらい。
人間のスケールに直せば、大人のこぶし大です。
そのように大きなものが体内にあって、咳もせずに、血痰なども出ないでいられるのだろうかと考えていたのです。
ただ、楽観もしていません。
もしも肺がんでなかったとしても、ピンポン玉大の影は普通ではありません。
飼い主さんは皆そうだと思いますが、闘病の初期段階では”迷い”や”否定”のような気持ちが交錯します。当然筆者もそうでした。
目の前で起きている事が、現実ではないような、足元がおぼつかないような気持ちです。
しかし、心の内の半分では覚悟も決まって来ていました。
ピーチーは過去に別の病気で、大きくは2度死の淵に立ったことがあります。
過去は2度生還しました。もしや今回もという淡い期待ともに、当時決めていた、別れのための覚悟も同時に蘇ってきました。
人は動物に教えられることがとても多いですね。
筆者もピーチーから、沢山のことを教えてもらいました。
当時のブログより
ピーチーですが相変わらず調子は今一つです。
肩で息をしながら、じっとうつ伏せの状態です。
トイレには自分で歩いていけます。
今日は一度もトイレを失敗しませんでした。
最近の食欲は今一つです。
エンジンが掛かって食べ始めると完食するのですが、なかなかエンジンが掛かりません。
普通に歩くことはできますが、長時間は歩かなくなりました。ややナックリングの症状があります。
このように
●
今日のピーチーは朝ごはんを、ずっと食べずにいたのですが、夕方、暗くなってからエンジンかかって、残っていたご飯を一気食いしました。
夕飯は、朝ごはんを遅くに食べたためか、三分の一を食べて終了。
あ、そうそう、昨晩はウニを食べさせてやったのですが、写真を撮り忘れました。
●
たった今のピーチーは、自室で仕事をしている僕が見える場所に、じっと伏せています。飼い主が見えると安心するんでしょうね。
昔からピーチーはそうでしたが、今は特にそうです。
このように、こちらをじっと見ています
●
目が追いかけてきます。
何かを期待するような顔です。
●
昨日病院でもらった抗生剤は10日分。
あと9日分は残っています。
それで幾らかでも、楽になってくれれば良いのですが。
ペットの肺がんをもっと知るには
こちらの記事に、肺がんの概要を解説しています。
はじめて読むのに最適です。
この病気は激しい咳や、血痰を想像しがちですが、実はそれほど顕著な症状がでないことが多いようです。
ほんのちょっと息が粗い程度の場合もあります。
気になったら動物病院へ。
――うちの子が旅立つまでのこと(3/18)つづく――
文:高栖匡躬
▶プロフィール
▶ 作者の一言
▶ 高栖 匡躬:犬の記事 ご紹介
▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介
Follow @peachy_love
――次話――
ピーチー1年前に癲癇を発症。
脳神経科を受診し、発作を抑えました。
この日は、久しぶりの発作です。
癲癇の発作の前って、可愛いんです。
「あれ、最近可愛いなあ」
と思って、ちょっと用心をしていました。
「可愛い」は、嵐の予兆!
――前話――
病院に行ったピーチー。待ち時間にボールで遊びます。
楽しかったようで、診察中も咥えたボールを離しません。
そしてレントゲン。
――結果は
――肺がんが強く疑われる。
半年前のMRIには何も写っておらず、2週間前には怪しい影。
それが――
●
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
●
――本章の1話目です――
いつも元気一杯だったピーチー。
大病をしてから、体調に浮き沈み。
この数日も「ちょっと変」と思い、「”多分”、いつものこと」とも思っていた。
”多分”は段々と弱々しくなり、少しだけ嫌な予感も。
「今日は病院だな」と思ったのがこの日。
――この連載のはじまりです――
はじまりは、ほんの小さな予兆でした。
体の震え。ときどき息が粗い。食欲不振。
ピーチーは大病を大きくは2度経験してから、体調が悪いときがたまにありました。既往症もありました。
またかな? と思ったのが始まりでした。
●
肺がんの医療記事です
●
闘病の意識を変えてみる
それは限られた時間を刻むこと
愛犬の闘病で悩む飼い主さんは多い。
それは見えない不安が、心にのしかかるから。
これからどうなる? いつまで続く? 医療費は?
見えないものは仕方ない。しかし、見えているものはある。
不安に怯えるのではく、どうか前向きに。