ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編
ピーチーの状況は悪くなっていきました。
今当時を思うと、ゆっくりと悪くなるのと、階段を下るように悪くなる様が、ミックスしたような感じでした。
体調の小さな浮き沈みに一喜一憂しているところに、ある時ガクンと一段、明らかな
下降があるのです。大きくはありませんが、確実に階段を下る感触がありました。
しかしそれは、大きなショックというわけでもなかったように思います。
割と淡々と受け止めていました。
こんなことを繰り返しながら、飼い主の覚悟は決まって行くのかもしれません。
当時のブログより - 酸素を買ってきました
小康状態のピーチーですが、状況は悪化しつつあるように思えます。
寝ている間は良いのですが、起きてトイレに行くと、僅か5mほどで息が上がってへたり込むようになりました。荒い息はなかなか回復せず、その都度酸素を吸わせています。
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酸素の吸入が、ボンベでは追いつかなくなってきたので、今日は酸素テントのレンタルを申込みました。
実は会社に行けば、使っていない高性能な酸素ジェネレーターがあります。はじめはそれを使って、自分で酸素テントを作るつもりでした。
しかし、どうやらそれをしている余裕はなさそうです。
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昨夜はピーチーにオムツを付けました。そしてピーチーがトイレに行きたがることを察した時は、トイレの近くまで運んでやって、残りの1m程を自分で歩かせて、用を足させます。
体は苦しいでしょうが、最後まで自分で用を足せるようにしてあげた方が、ピーチーも嬉しいだろうと思ってのことです。
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1mだけ歩いてトイレへ
よしよし、偉いぞ、ピーチー
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今日は用を足した後、ピーチーは尻尾を振りました。このところずっと尻尾をふることがなかったので、ちょっと驚きました。やっぱり、自分で自分のことが出来るのが嬉しいようです。
何となく、犬の誇りのようなものを感じるなあ
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ピーチーは寝ていると具合が良いのでしょう。時々思い立ったように、自分で立ち上がります。そしてすぐに息が上がるくせに、部屋の中を歩き回って、尻尾を振って僕と奥さんに愛想を振りまきます。
ピーチーはピーチーなりに、何かを考えているのかなと思います。
写っていないけれど、尻尾を振っています。
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終末期に思うこと - 飼い主としての決断
今、考えていることが2つあります。
1つ目は、ピーチーが奇跡的に元気になることを期待して、その後の生活を考えながら、今の治療と食生活を続けること。
2つ目は、ピーチーの命が残り少ない事を前提に、これからの生活を豊かにできるような手段をとること。
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2つ目の具体的な手段は、ずっと飲んでいた免疫抑制剤を止めて、すこしでも免疫力を維持させること。それと、あまり美味しくない超低脂肪な療養食を止めて、高カロリーで美味しいフードを食べさせて、体力を温存させることです。
更にステロイドの量を増やすという、選択肢もあるかもしれません。
どちらにするか、まだ結論は出せませんが、今の状況から考えると、あと1日か2日で自然に結論が出るのではないかと思います。
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そういえば今日は、前から気になっていたドッグフード、『アカナ』を注文しました。実はアカナのようなプレミアムフードは、劇症肝炎以来ずっと療養食を食べているピーチーには縁が無いものだ思って、これまで真剣には検討していませんでした。
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そうそう、もしも他に良いフードがものがあったら、ぜひ紹介してください。
ずっと療養食ばかり食べさせていたので、一般のフードには全くと言って良いほど、知識がないんです。
尚、ピーチーは、牛肉とサーモンにアレルギーがあります。
――うちの子が旅立つまでのこと(6/18)つづく――
文:高栖匡躬
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――次話――
この日、酸素テントが届きました。
まさか、それを使う日が来るとは――
2週間前は散歩に行って、木の棒やボールを見せたら大喜びで、飛びついていたのに――
しかし、それを嘆く暇はありません。
目の前で起きていることは、現実だから――
――前話――
体調は浮き沈みで、この日は安定。
ハワイ土産の豚のジャーキーがお気に入りで、あっという間に完食。
大好物のウニにも、目が輝きます。
まだ先の事は、何も見通せません。
小康状態を得る?
悪くなっていく?
ただ見守るしかない飼い主――
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――本章の1話目です――
いつも元気一杯だったピーチー。
大病をしてから、体調に浮き沈み。
この数日も「ちょっと変」と思い、「”多分”、いつものこと」とも思っていた。
”多分”は段々と弱々しくなり、少しだけ嫌な予感も。
「今日は病院だな」と思ったのがこの日。
――この連載のはじまりです――
はじまりは、ほんの小さな予兆でした。
体の震え。ときどき息が粗い。食欲不振。
ピーチーは大病を大きくは2度経験してから、体調が悪いときがたまにありました。既往症もありました。
またかな? と思ったのが始まりでした。
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他の闘病記もご覧ください。
胆管閉塞闘病記|闘病ブログ
ある日突然、我が家のピーチーを襲ったのは急性膵炎
危険な状態でしたが、幾つも幸運が重なって無事回復しました。
「良かった」と胸を撫でおろす飼い主。
――しかし、そうではありませんでした。
それは本当の闘病の始まりだったのです。
劇症肝炎闘病記|闘病ブログ
筆者の愛犬ピーチーは2014年8月16日の早朝6時、救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
ただごとではないと思いました。
振り返ると、異常を感じたのは8月10日の夜。
突然の体の震えと、食欲不振が恐らく前兆だったのでしょう。
このときは、掛かりつけの病院で、熱中症と診断。
その時には、肝臓の諸数値は正常値でした。
そして6日たち、16日の朝を迎えます。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。
自己免疫不全闘病記|闘病ブログ
2015年のある日、我が家の愛犬ピーチーを病魔が襲いました。
最初は夏バテかなと思い、次に熱中症を疑いました。
かかりつけの獣医師も、熱中症との診たてでその治療を。
しかしピーチーの状態は悪化の一途。
ただならぬ状態に、未明の救命救急に飛び込み、そこで発覚したのが重度の肝炎でした。
結局後になって、それが自己免疫不全が引き起こしたと分かるのですが、まさか免疫の暴走が劇症肝炎を引き起こすなど、想像もしていませんでした。
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肺がんの医療記事です
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