ピーチーの闘病記:別れとペットロス
ピーチーが去った時、悲しくはありましたが同時に充実感があって、それがバランスを取っていたような感覚でした。
その当日は、悲しみに打ちひしがれる事も無く、淡々と過ぎました。
その翌日もそうでした。
しかし――
この3日目あたりからでしょうか――
寂しさがだんだんと大きくなり、悲しみを上回るほどになっていきました。
ああ、悲しさと寂しさは違うんだ――
そんなことを考えました。
恐らくはこれがペットロスというものなのでしょう。
良く聞くペットロスとは違うようです。
重症、軽症でいえば、多分軽症なのでしょう。
しかし――、重い軽いで言うようなものでは、ないのかもしれません。
(扉の写真と、以下の写真は、遺影の候補にしていた写真です)
当時のブログより - 3日が過ぎて思うこと
ピーチーがいなくなって、3日が経ちました。
僕にも奥さんにも、悲しいと言う思いはありません。むしろ、やり切ったという達成感の方が大きいように思います。しかし、寂しさはそれとは別で、すこしずつ大きくなっているように感じています。
日常は、ピーチーが病気をする前に戻りつつあります。
忙しさは、救いでもあります。
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お花を送って下さると言う申し出がありましたが、全部ご辞退をさせていただきました。ピーチーとの別れは、そんなに大袈裟なものではなく、小さな小さな自然の摂理であるからです。
ピーチーのハウスは、ピーチーが好きだったおもちゃで段々と埋まってきています。
皆さんからいただいたお悔みのコメントやメッセージは、今も毎日読み返しています。つくづくピーチーは良い子だったと思うと共に、飼い主としては鼻高々で誇らしい思いです、
気持ちの整理という意味で、いつかコメントやメッセージにご返事をしたいと思っていますが、まだちょっとできそうにありません。
それと、これは自分自身でも驚いていると言うか、当惑していることでもあるのですが、皆さんのブログをまだ読みに行けません。
正直な気持ちを言うと、皆さんのブログを読みに行く時が一番つらく、ピーチーの喪失を実感する時です。
外を歩くと、散歩をしている飼主さんと、その愛犬を良く見かけます。
ピーチーがいるときは、「ああ、可愛いなー」と素直に思っていたのですが、今は「羨ましいなー」と考えてしまいます。
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皆さんのプログを読むときも、そんな感じなんです。
以前だったら「今日はどうしているかな?」と思って、楽しみにページを開き、
闘病中のワンコだったら、「今日も元気でよかったな」とか、
健康な子なら「今日もオトボケで面白い子だな」と、純粋に楽しんでいたのですが、
今はまず最初に、「羨ましいなー」と考えてしまいます。
こんな気持ちで皆さんのブログを読みたくないなって思うと、自然に足が遠のいてしまう感じ。これはまだ、しばらく尾を引きそうだなと思っています。
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さて、これからのことですが、犬との関わりは続けたいと思っています。
ちょうど友人の奥様が、これから保護犬の愛護団体を立ち上げられるという事なので、まずは出来る範囲でそれをお手伝いしたいと思っています。
とりとめもないのですが、こんな感じでやっています。
――うちの子が旅立ってからのこと(3/3)つづく――
文:高栖匡躬
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――次話|追記の記事です――
別れから4か月。8月の頃の心境。
大きくなっていた寂しさはひと段落。
この頃から、寂しさは楽しめばよいと、思うようになりました。
わが家がピーチーを思い出すときには、常に笑いがありました。
寂しさは、いつも楽しい思い出と共にやってきたのです。
――前話――
2年前のこの日、ピーチーを荼毘にふしました。
火葬の際、色々持たせてやろうと思ったのですが、斎場の決まりでそれは無理。
結局ピーチーは、おやつを少しだけ持っていきました。
服が大嫌いな子だっから、それもまた良し。
「すぐに全部食べそうだな」
ピーチーらしい去り方でした。
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――この章の1話目です――
笑って見送りはできたものの――
やっぱり寂しい。
当たり前ですが、何かが足りません。
ペットロスというのは、誰にもやってくるものなのですね。
悲しみはそこにはなくて、ただポッカリと開いた穴。
良く話に聞く喪失感とも、ちょっと違う気がしました。
――この連載のはじまりです――
はじまりは、ほんの小さな予兆でした。
体の震え。ときどき息が粗い。食欲不振。
ピーチーは大病を大きくは2度経験してから、体調が悪いときがたまにありました。既往症もありました。
またかな? と思ったのが始まりでした。
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ようこそペットロス
ペットロスに悩む方は多いでようです。
誰もが経験することですが、”別れ”をどう捉えるかで、それは重かったり、軽かったりするように思います。
ペットロスは、必要以上に嫌うこともないように思います。
そんなコラムやエッセイをまとめました。
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看取りの視点
第1話|飼い主に委ねられる選択
犬を飼い始めた時、別れの時は遥か未来の話でした。
しかし、あっという間に楽しい時間は過ぎて、その時が――
子犬でうちに来たのは、つい昨日のことのよう。
愛犬を看取ってみて思うのは、看取りは良い思い出だったということ。
視点を変えれば、つらい思いって、無いんじゃないかな?
そんなことを考えた記事です。