犬を飼うということ

いつまでも君と……

やばい、もう吸っちゃったよ。と思われている方へ ~禁煙のススメ(後編:リカバー編)~

f:id:masami_takasu:20180406123307j:plain

文:高栖匡躬

これまで2回連載した、犬の受動喫煙の記事に関しては、予想以上に反響をただいて驚きました。皆さん、気になさっていたんですね。

そんな中で、ちょっと気になる質問を受けました。
既に喫煙をしていて、これから禁煙をしたとして、ご自分の愛犬の病気のリスクは改善されるかどうかという内容です。

本当は記事は2回で終わる予定だったのですが、質問の内容に即して、本話を追加したいと思います。

 

f:id:masami_takasu:20180406123509j:plain

確かに、禁煙をすれば、これまで以上にリスクが高まることはないでしょう。
しかしリスクが消えるかどうかについては、何とも言えません。

まず、3次喫煙ということでいうと、床や壁は丁寧に拭き掃除をすれば、タールやニコチンの付着は減っていくと思われます。カーテンはあまり舐めることはないでしょうから、洗濯をすれば良いでしょう。
カーペットは繊維に入り込んだ有害物質を取り除くのは難しいてしょうから、買い替えるのが一番良いと思います。

※タール、ニコチンそのものは、有害物質ではないと言う説もありますが、主旨と異なりますので、ここではその議論は避けたいと思います。

 

f:id:masami_takasu:20180406130245j:plain

問題は、体の中に取り込まれて、蓄積された有害物質です。
幸いにもタールやニコチンは、水銀や鉛のような重金属と違い、代謝されていきますので、長い時間のうちには体から消えるはずです。

目安になる指標は、人間が禁煙をした場合のリスク軽減のデータ。
これがある程度、参考になると思います。

禁煙時間 体内きること
1分禁煙すると タバコのダメージから回復しようとする機能が働き始める。
20分で 血圧は正常近くまで下降する。
脈拍も正常付近に復帰する。
手の体温が正常にまで上昇する。
8時間で 血中の一酸化炭素レベルが正常域に戻り、血中酸素分圧が正常になって運動能力が改善する。
24時間で 心臓発作の確率が下がる。
48時間で 臭いと味の感覚が復活し始める。
48~72時間で ニコチンが体から完全に抜ける。
72時間で 気管支の収縮が取れ、呼吸が楽になる肺活量が増加し始める。
2週~3週で 体循環が改善する。歩行が楽になる。
肺活量は30%回復する。
1~9ヶ月で 咳、静脈鬱血、全身倦怠、呼吸速迫が改善する。
5年で 肺ガンになる確率が半分に減る。
10年で 前癌状態の細胞が修復される。口腔癌、咽頭癌、食道癌、膀胱癌、腎癌、膵臓癌になる確率が減少する

→→スマトフォンではスライドしてご覧ください。
出典:インターネット 禁煙 マラソン
(本記事の大元の出典は、American Lung Associationとの事です。探しましたが、発見できませんでした)

この表を見ると、人間の場合は癌という1点でみれば、10年でリスクは喫煙前の状態に戻ることになります。

 

f:id:masami_takasu:20180406130327j:plain

ここから先は、筆者のちょっと乱暴な推測です。
それを前提にお読みいただけると、ありがたいです。
(もしも誤りだという資料や情報をお持ちであれば、ぜひお知らせください)

ドッグイヤーという言葉がありますが、犬は人間と較べてあらゆるものが早回しです。病気の進行も、回復もそうです。
有害物質の代謝もそうだと仮定すると、犬の加齢速度(1年で何年分の人間年齢を重ねるか)から推定できるはずです。

参考記事はこちらです ↓

シニア犬向けの年齢換算表もあるのです ~犬の年齢を人間に換算してみたら(2/2)~ - 犬を飼うということ

上記記事の年齢換算表を見ると、6歳以降の犬の加齢速度(人間年齢に換算)が、小型犬が4歳、中型犬が5歳、大型犬が6歳、超大型犬が7歳となっています。

ドッグイヤーに代謝速度が順ずるという、希望的な観測の元での推測ですが、人間の体から喫煙前の状態に戻る10年を犬に換算してみると、大体2.5年、2年、1.6年、1.3年で、犬の喫煙リスクはなくなる訳です。

ただしこれは1次喫煙のリスクで、2次喫煙と3次喫煙の方がリスクが上回るので、多めに考えておいた方が良いでしょう。また小型犬ほど影響が大きいこともあるので、それも考慮すべきです。

小型犬が4年、中型犬が3年、大型犬が2.5年、超大型犬が2年くらいと考えておけばどうだろうかと思います。

何度も繰り返して恐縮ですが、これは科学的データの無い中での、筆者の推測です。

しかし、ここは重要

禁煙によって、リスクは喫煙前に戻ることは確かなようです。しかしながら、病気を発症してしまった場合は、もう体は元に戻る事はないそうです。
例えば、心疾患、肝不全、癌などを考えると、確かにそうですね。

禁煙をするなら、発病、発症をする前に!

 

f:id:masami_takasu:20180406130459j:plain

因みに、犬の受動喫煙関連の記事を読んでいて、気になった事を1つ追記します。
2次喫煙よりも3次喫煙の方が危険と警鐘を鳴らしている割には、なぜか受動喫煙の警告記事には2次喫煙が前提になったものがほとんどです。

3次喫煙の方が危険ということであれば、肺から取り込まれる有害成分よりも、経口や皮膚からの摂取が問題になるでしょうから、肺がんなどの呼吸器よりも、直接有害物質が蓄積するであろう、肝臓や胆嚢などの代謝系や、心臓などの循環器の方が問題じゃないかと思うのです。

しかしこれらは、専門家の調査を待つ以外にありません。

で、本記事の結論はこうです。 

① 既に喫煙していたとしても、禁煙で愛犬の健康は取り戻すことはできる。
② どうせ禁煙すすならば、発病、発症する前に!
注:どの程度でダメージをリカバーできるかは、今後の調査を待つしかない。

(追記)
IQOSの場合はどうだろうかとも思ったのですが、第三者機関による調査はまだほとんど無いそうです。受動喫煙の危険性が最初に発表されたのが1960年代の後半で、それが公式に認知されたのが2000年代。登場したばかりのIQOSで結論がでるのは、まだまだ先のようです。

何れにしても、早めの禁煙をオススメします。
愛犬のために――、そしてあなた自身のために。

 

――禁煙のススメ(後編)・おわり――

(ライター)高栖匡躬

――前話です――

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――関連記事です――

 ――おすすめの記事です――