犬を飼うということ

いつまでも君と……

振り返れば偶然は、必然の一部 ~ピーチーがうちの子になったのは(1/3)~

f:id:masami_takasu:20171103111542j:plain撮影&文:高栖匡躬

~うちの子がうちにくるまで No.20-1~

”うちの子がうちにくるまで”とは
愛犬を家に迎えるまでの葛藤を、飼い主自身が、自分の言葉で綴ったエッセイのシリーズです。

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我が家の愛犬ピーチーが、天国に旅立ったのは、2015年の春のこと。
今も元気ならば2018年の8月26日は、ピーチーの17歳の誕生日です。

犬のクセに変だと思われるかもしれませんが、ピーチーはウニが大好物で、本当ならその誕生日は、年に一度だけウニがもらえる日でもあります。

いなくなって寂しくなりましたが、だからといって悲しいわけではありません。
我が家は今も、ピーチーと一緒に笑顔の中にあります。

今日から3話に分けて、そのピーチーがうちにやってくるまでのお話を、書こうと思います。

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ピーチ―がうちに来たのは2001年。
もう随分前のことです。

随分と昔のように感じますが、つい昨日のような気もします。

ピーチーがうちにくる少し前に、僕と奥さんはひょんな事でマンションを買いました。場所は、奥さんが時々仕事で出かける先の新横浜。

大通りの少し奥の方に、大きなマンションが建築中で、奥さんは「いいマンションだな~、いつかこんなところに住みたいな~」と思っていたらしいのですが、ある日、そのマンション のチラシが新聞に折り込まれていたのです。

 

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上の写真は、マンションのすぐ裏の鶴見川。新横浜は、駅の周りだけが都会で、それ以外はご覧のような風景です。

さて、このマンションですが、分譲当時は人気の物件だったらしく、購入希望者は抽選だったそうです。チラシが入っていたのは、その抽選がとっくに終わっていて、それどころかもう完成していて、入居もあらかた済んでいた頃です。

何故そんな時にチラシかというと、購入を辞退した方が3世帯あって、 それが売りに出ていたのです。

 

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僕は、「うちは預金も少ないし、まだ家を買うには早いな」と思っていたのですが、奥さんが「目の保養に行こうよ」というので、冷やかし半分で販売所を訪れることにしました。

実際に部屋を見ると、奥さんが予想していたとおり、とても住み心地が良さそうなところでした。しかし聞けば、もう購入希望者がいて、手付金も入っているとの事。

「キャンセルも有り得るので、一応申込用紙に記入していただけませんか?」
そう販売員の方に言われ、冷やかしついでに、販売員の方に言われるまま申込をしました。 

記入が終わって話を聞くと、僕達夫婦の前にはなんと3件ものキャンセル待ちがありました。要するに僕たちは5番手という事です。常識的に考えて、どう考えても無理です。
「あこがれの大学を、記念受験したみたいだな」
そう言いながら、僕達は帰宅したのでした。

 

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それから2か月近く経った頃。

もう購入希望の用紙を記入したことさえも忘れたていた頃です。突然にマンションデベロッパーさんから電話がありました。

何と、あのマンションが購入できるそうなのです。

どういう事かというと、僕達の前にいた4件もの購入希望者が、ことごとく銀行ローンの審査に落ちてしまい、何と2か月も掛かって僕達にお鉢が回って来たという事なのです。

積極的に買おうと言う意思は無かったのですが、何かの縁だと思い、銀行に住宅ローンの申込をしてみることにしました。どうせ駄目だろうという気持ちでの申し込みです。しかしあろうことか何故かうちは、ローンの審査をパスしてしまいました。
そんなこともあって、うちは棚からぼた餅で、マンションを手にいれたという訳です。

 

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マンションに引っ越して3か月も経った頃でしょうか。

「ここのマンションって、マナーが悪いわね」と奥さんが言い出しました。犬や猫を連れて、エレベーターに乗る人が随分といると言うのです。確かにそれは、僕も感じていた事でした。

「変なマンション買っちゃたかもね」
「そうかも……」
と、言ったところで、2人とも同時にピンとくるものが――

慌てて僕たちは、マンションの定款を引っ張り出してきて、ページをめくりました。
購入契約時に業者さんは、『ようやくいわくつきの部屋を処分できた』くらいの思いだったのでしょう。僕たちには通り一辺倒の説明をしただけで、詳しくは定款をお読みくださいと言っただけでした。

僕たちの方も、売れ残りの部屋を拾ったようなものだっので、特に思い入れもなく、定款をもらったきりで、棚にしまったままになっていました。

 

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奥さんがパラパラとページをめくり、そして手を止めました。目的のページを見つけたのです。それは、『飼ってはいけない動物』の項です。

僕たちは読み初めました――

ライオン、トラ、ゾウ、カバ、ゴリラ――こんなもの怖くて飼えません。
   ・
   ・
アナコンダ、コブラ――僕はヘビが大嫌いです。
   ・
   ・
そして遂に一番最後の一行。
そこに書いてあった動物の名は……

ハ ・ ゲ ・ タ ・ カ ……
 

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結局、最後まで、犬も猫もありませんでした。
ということは――

そうです。

僕達は何も知らないままで、当時としてはまだ珍しかった、あの憧れの、『ペットと住める マンション』を手に入れていたのです。

僕の心は躍りました。そして、僕の頭の中はすぐに、大好きな犬、ブルテリアのことで一杯になりました。そこから、ピーチーと会う日までの秒読みが始まったのです。

下の写真は、うちに来たばかりのピーチー。
今でも当時のことを、はっきりと思い出します。

 

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可愛かったな~、ピーチー

――ピーチーがうちに子になったのは(1/3)・つづく――

~うちの子がうちにくるまで No.20-1~
犬の名前:ピーチー
犬種:ミニチュア・ブルテリア
飼主:高栖匡躬 ・ピーチーパパ

――うちの子がうちにくるまで・次話――

――うちの子がうちにくるまで・前話――

――うちの子がうちにくるまで、第1話です――

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