ゆうすけの闘病記:精巣腫瘍
はじめに -私がした選択と、ほんの少しの後悔
私の大切な愛犬、ゆうすけは2017年11月14日に、虹の橋に出発してしまいました。
病名は精巣腫瘍。悪性度が高かったため、発見から僅か1か月半後のことでした。
ゆうすけはとても頑張ってくれて、私は闘病には大きな後悔はありません。
しかし今振り返ると、「こうしておけば良かった」と思うことが幾つかあります。
今後似たような病と戦う飼い主さんの参考になればと思い、私が闘病時にした選択と、ほんの少しの後悔を書き残したいと思います。
異変(病気の発覚)7月末~
最初の異変に気付いたのは7月末のことでした。
家庭内セクハラで、タマタマにちょっかいを出していたら、明らかに片方が腫れあがっていたのです。
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――この頃の様子は下記のブログに――
ちゃんと血液検査も受けていたし、普段からあちこち撫で回して確認をしていたし、7月の下旬には動物病院でトリミングを受けて、歯石以外の異常はないと言われていました。
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病気が病気だけに「もっと早期に発見できていれば」とは思いますが、現実的にはこれ以上のことはやりようもなく、ほぼベストのタイミングで病気を探し当てていたと思います。
因みに、病院での最初の診断も、悪性の可能性は低いとのことでした。
よって、この時点での後悔はありません。
手術へ 8月9日中旬~
この時の医師の診立ては、良性の精巣腫瘍で、去勢手術で治るとのことででした。
なので、ここで言うところの手術は、癌の手術ではなく、去勢手術を兼ねた精巣腫瘍の摘出です。
手術後のゆうすけは予後も良く、術後の診察でも、炎症が治まって抜糸すれば大丈夫とのことでした。ただ、摘出した腫瘍に少し気になる部分があるらしく、少し精密検査に回しました。
何事もないのを祈っていたのですが――
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――当時の様子は下記のブログに――
この時点では、少し後悔があります。
何故かと言うと、この時に既にがんを疑って、もっと精密な検査をしておくべきだったかもしれないと思うからです。
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精密検査をしなかったのには、理由があります。
私の住んでいる場所では、高知という地域性もあって、エコー、レントゲンくらいの検査しかできませんので、それ以上の検査つまりMRIを受けるとなると、必然的に県外の大病院でということになるのです。
しかもMRIは全身麻酔です。つまり愛犬は、検査のためだけで1度、麻酔のリスクを負わなければならないわけです。
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この時はまだ、タマタマが腫れただけの、良性の精巣腫瘍と思われていたわけですから尚更です。検査+手術で2度の全身麻酔を行なうとなると、12歳のゆうすけにとって、体への負担が大きいと思いました。
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精密検査の選択肢を思い浮かべるのは、悪性と分かった今でこそかもしれません。年齢や県外への移動、そして資金面など総合的に考えると、やはりその選択は難しかったのかもしれないですね。
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そうそう、動物病院に対しては、感謝をしています。
あの時点で、出来る限りのことはしてくれていましたし、「がんや転移が心配なら、県外の病院で検査をしてから」という提示もしてくれました。
生検の結果 9月初旬~
腫瘍の検査結果が出たと動物病院から、わざわざ電話がありました。
わざわざ電話をくれたので、嫌な予感がしたのですが、除去した腫瘍の一部は良くない(悪性の)ものでした。
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――当時の様子は下記のブログに――
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この時点で私に残された選択肢は、それほどありませんでした。
主治医から提示されたのは、下記の4つでした。
②抗がん剤治療
③穏やかな抗がん剤治療(メトロノーム療法)
④サプリメントを与える程度で自然に任せる。
※ただし、サプリメントは上①~③に併用しても良い。
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ゆうすけの闘病で、大きな後悔はしていないと先に書きましたが、この時点では少しだけ後悔があります。それは。サプリメントを値段に躊躇してしまい、導入しなかったことです。
最終的に症状が進んだ時には、やむにやまれず導入したのですが、それならばこの時点で導入しておくんだったと、今になると思います。
元気なうちに。少しでも長く元気な時間を、愛する家族に与えるために――
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サプリメント以外でも、補助的な治療の選択肢は沢山ありますね。
この記事をご覧の皆さんも、色々と迷われるかもしれません。
実際、そういうものって効くかどうかなんてわからないものですし。
しかし私としては、後遺症などの心配がないことは、やれるだけの事はやった方が良いのではないかなと思います。
愛犬のためでもありますが、それが後々、後悔を残さない事に繋がるになるのではないかと思うのです。
なんか、サプリメントの業者みたいだ。(苦笑)
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ちなみに私は、上の4つの選択肢の中では、メトロノーム療法を選択し、なんとか現状維持を目指しておりました。
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メトロノーム療法
少量の抗がん剤を、毎日反復して自宅で内服させる治療法。
腫瘍に酸素や栄養分を運ぶ新しい血管が形成されにくくなったり、免疫系を改善して、腫瘍が免疫システムから攻撃されやすい環境にする効果が期待される。
1回1回の投与量が微量のため、副作用が出にくいのが特徴です。
ただし、本治療法が有効な腫瘍とそうでない腫瘍とがある。
(以上、原文からの抜粋)
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転移か? 9月下旬~
この頃、気になることがありました。
ゆうすけの体に、小さいしこりのようなものを発見したのです。
すぐに病院に行きました。
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――当時のブログは下記です――
※ただし、ブログ中ではまだ転移については触れていません。
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しこりはすごく小さくて、先生に「よく見つけましたね」とほめられたほどでした。
早速、検査し、この時はエコー、レントゲンも撮りました。
この時点で、しこりが増えたのを、病院でも確認しました。
ここでも後悔が残っています。
この時点でしこりが増えているのだから、少し強めの抗がん剤治療に切り替えるなり、新たな方法を試みなくてはいけなかったように思います。
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当時は副作用が強いという話を聞くと、どうしても躊躇してしまいました。
副作用が出たら、その時点で即やめればいいだけの話なんだよな――
と、今では思うのです。
それと、ここでもサプリメントを試せば良かったと思います。
告知を受ける 10月初旬~
しこりは何箇所か出来ていて、組織を取って生検をしてもらいました。
結果は――、良くないものでした。
――これが当時のブログです――
正直、かなり厳しい現状で、このときに余命宣告を受けました。
がんの中でも性質の悪いもののようで、進行が早く、早ければ余命は1ヶ月~1ヶ月半くらいと……
この告知が驚くほどぴったりでした。
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私としては、この段階でも、もっとやりようがあったかもしれないと思います――
例えば、もっと強い他の抗がん剤を試してみるなどです。
しかし、その当時は、副作用でゆうすけを傷つける方が怖かった……
副作用を、必要以上に怖がりすぎたのではないかなと思います。
次回は
ここからは、ゆうすけの容態が変化していきます。
ゆうすけの様子を見ながら、段々と覚悟は固まっていきました。
ゆうすけと、残りの時間を楽しく過ごすための闘いが、ここから始まります。
続きは次記事にて。
――ゆうすけの闘病記(1/3)つづく――
作:ゆうすけパパ
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――次話――
残された時間を、楽しく過ごそうとする飼い主。
楽しくする事にも、
努力や決意が必要なんです。介護って。
そして――
最後の散歩、最後の食事と、最後の~が増えて行く。
切ないけど、それを受け止めるのが飼い主。
それでも楽しんでやるのが飼い主。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
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闘病に関するヒントです
ペットの抗がん剤治療を迷っている方へ
抗がん剤というと、厳しい副作用が頭に浮かびませんか?
しかしそれは人間の場合で、動物の場合は少し様相が違います。
何のための治療なのか?
目的が人間と動物では違うからです。
使ってやろうかな? もしかしたら、そんな風に思えるかもしれません。
動物の抗がん剤治療 - 副作用はどうなのか?
愛犬ピーチーが去ってからも、色々な闘病記を読みました。
そこで思ったこと。
「もしかして犬の抗がん剤って、副作用が厳しくないの?」
それから調べました。
結果は――
副作用はある。しかし使い方が違うから現れ方が違う。
なるほど、そういうことか。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。