犬を飼うということ

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【絵本】名前のない犬 ~7歳の視点:栞音を迎えて考えたこと~【保護犬/繁殖犬】

【関連コンテンツ】

7歳の視点:栞音(しおん)を迎えて考えたこと
名前のない犬

作:栞音のお兄ちゃん 添える言葉:栞音ママ

 はじめに

7歳の息子が、夏休みの自由研究で、我が家の愛犬、栞音(しおん)の絵本を描きました。栞音は元繁殖犬です。

この絵本は、子供なりの視点から見た保護犬(繁殖犬)の姿です。
お読みいただいた後で、ぜひとも "あとがき"にも目を通していただけると幸いです。

――栞音ママ――

 

 名前のない犬

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 あとがき

八王子の保護犬カフェにいた栞ちゃん。
2017.10月にお家の子になり「栞音(しおん)」になりました。
今まで繁殖犬として頑張ってきた子で、推定年齢は5歳。
歯は7本、左目白内障のガリガリちゃんでした。

栞音を迎えることになったその日は、突然にやってきました。
親として、保護犬の存在を息子に教えようと連れて行った保護犬カフェでのこと。
息子が栞音(当時はまだ栞)を「家に連れて帰りたい」と言うのです。

正直に言うと、少し困りました。
しかし息子は、帰宅してからもずっと「お家の子にしたい」と言い続けるのです。
そこで翌日、また保護犬カフェに行きました。
そしてもう一度、息子の気持ちを確認してから、私も主人も栞音を迎える決意をしたのです。

絵本を描くきっかけは、保護犬カフェさんがツイッターで保護犬の情報を呟かれているのを見て、「保護犬の事を自由研究のテーマにしてみては?」という話になったことです。息子は保護犬カフェさんや、栞音との出会いで、繁殖犬の現状を知りショックを受けました。

「学校の先生も友達もきっと知らないから教えたい!」
そう考えて、保護犬(繁殖犬)をテーマに描きはじめたのです。
まだ7歳なので、ちょっと表現が大げさだったり、間違ってる事もあるかもしれません。しかし7歳なりに考えて、自分の気持ちを描いていました。

繁殖もペットショップも、そのもの自体が悪いわけではなく、それを悪用する一部の大人達が、可哀そうな動物を作り出していますね。
親心としては、この絵本を書いたことをきっかけに、もっと広い視野でペットのこと、動物のことを考えてくれる子になって欲しいと願っています。

(追記)
学校の担任の先生が泣いてくれたそうで、市の人達に広めたいという事で学校の代表に選んで頂いたようです😅
そんな心優しい先生にも感謝です。m(_ _)m

――栞音ママ――

 

『名前のない犬』に添えて

『名前のない犬』に添えて
Withdogでの転載について

この作品をみて、まずは子供なりの純粋な思いを、しっかりと感じました。
絵本を書いた息子さんは、保護犬カフェにいた元繁殖犬栞を、可哀そうと思って、「家に連れて帰りたい」とお母さんに言ったのだそうです。

その優しさに溢れた子供の視点で描いた、保護犬のこと、繁殖犬のこと。
どちらも素晴らしいと思います。
そして同時に、今と同じ純粋な視点で、これからもっと広く色々なものを見て欲しいなと思いました。

なぜかと言うと、今見えている世界の外側には、動物を愛しているブリーダーが沢山いて、動物を愛しているペットショップもあり、そして保護活動の全てが、純粋な愛護と献身の精神で運用されているわけではないという事実もあるからです。

それらはこの純粋な作者の目には、どう映るのでしょうか?
そんな興味が湧いてきます。

そのような思いと同時に、作品だけが独り歩きをして、作者が”小さな活動家”のように理解されることは、回避させてあげたいとも思いました。
作者は7歳の視点で絵本を描いた絵本作家であり、決して保護犬や繁殖犬を救う活動家ではありません。
作者が成長し、知見を深め、自分なりの考えを持つまでは、ぜひ今のままの絵本作家でいて欲しいと思うのです。

Withdogでこの作品を公開させていただくのは、作品を広く読んで欲しいという思いとともに、純粋な子供の視点を、どうか皆さんで守ってあげて欲しいという願いがあったからです。

どうかまた作者の、素敵な作品を目にすることができますように。

――高栖匡躬 ――

作:栞音のお兄ちゃん
添える言葉:栞音ママ

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

保護活動について

三毛ランジェロの保護日記:エッセイ編まとめ読み①

保護活動家、三毛ランジェロ氏のエッセイ集です。
まずは、自身が引き取った『夕(ゆう)』の話。
余命宣告を受けながら、楽しく過ごした日々、そして別れ――
Withcatのオープニング記事でした。
その他2話、計6記事です。

三毛ランジェロの保護日記:コラム編まとめ読み①

保護活動は最初の捕獲(確保)と、最後の譲渡が注目されがち。
しかしその間中も、しっかりと猫をケアする必要があって、
むしろそちらの方に、時間と労力、コストを使うものです。
本作は保護の実際を知る4コラム
感謝の気持ちをこめて

 

保護犬を飼う

先代犬を亡くし、ペットロスだった飼い主。
しかし――、ある日のこと――
「家に帰ったら、子犬がいた」
さて、その犬とは?

片目を失った犬を、保険所から引き取ることにした夫婦。
犬との出会いはいろいろとあって、迎える時の葛藤も様々です。
犬にハンデがある場合は、特にその葛藤は大きいはず。普通ならば――
それをものともしない、優しい心を持った飼い主と犬とのお話です。

 

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