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【先住犬がいるから】犬には犬の決まりごと ~れん がうちにきてすぐ(2/2)~

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うちの子がうちにきてすぐ|No.5 ‐ 2うちの子がうちにきてすぐ

文:かっぱ太郎、撮影:F.zin
 
今日のお話は

はじめての多頭飼い
先住犬の ちぃ は、子犬の れん を受け入れてくれたようでした。ほっとする作者。

ちぃ を可愛そうに思った作者は、2匹目の子 ”れん” を迎えてあげました。
初めての犬 ちぃ に続いて、初めての多頭飼い。

さて、ちぃ と れん の関係は、上手く生きのでしょうか?

この記事はこんな方に:
犬を飼い始めた|フレンチブルドッグってどんな犬?|フレンチブルドッグを多頭飼いしたらどうなるの?|経験者の話が聞きたい

 れん は病院では優等生、でも家では……

『れんちゃんは、フレンチにしてはとてもいい子ですね。診察にも、とても協力的です』
動物病院で先生にほめられたれん。
れんは診察が終わり、会計を待つ間も、私のひざの上できちんとおすわりをして、いい子にしていました。

ところがれんは、家ではちぃが楽しんでいるおもちゃをいつも横取りする、やんちゃですばしこい子いぬでした。

 

 自分はお姉ちゃんだから

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ちぃはれんが成長して、自分よりも大きくなったことに気づいているのかどうか、さだかではありません。しかしおもちゃを横取りされても、『自分はお姉ちゃんだから…れんは小さいから…』と、けなげに我慢しているようにも見えました。

れんは、ちぃの食べているご飯のどんぶりに横から顔をつっこもうとして、ちぃにひどく怒られたことがありました。それ以来れんは、横取りしても許されるものと、そうでないものがあることを理解したようで、二度とちぃの食事の邪魔はしませんでした。

奪い合うおもちゃがないときは、ケンカをする必要もないようで、2匹はならんでベランダの外をいつまでもながめていたり、一緒に絨毯のカドをかじって飼い主に叱られたり。そして眠くなると、体を寄せ合って眠ったりしていました。

先住犬の『ちぃ』は、子いぬの『れん』を無事に受け入れ、平和に暮らし始めたのでした。

 

 おまけ、キャンプでのお話

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『れん』がうちにきてからのお話と、『ちぃ』と『れん』が2匹揃ってうちの子になっていくお話はここで終わりです。

――と書くと夫は、「えっ!?まだ、ちぃとキャンプに行ったことも、ちぃが焼き鳥とバターを盗み食いしたことも書いてないじゃない」と残念そうにそう言います。
確かに、本当にうちの子になっていくのは、それから何年も一緒に暮らして、いろんな経験をしてからですからね。

だから最後に少しだけ、そのキャンプのエピソードを加えておきます。

 

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我が家はれんが来る前の夏に一度だけ、ちぃを連れて家族で海へキャンプに行ったのですが、さて、もうテントで寝ようか、という時間になったときに、「ちぃをどうすれば安全か?」と悩みました。

ちぃが子いぬだったころのケージは持っていったのですが、テントの中に入れるには、テントが狭すぎます。けれども、テントの外のケージにちぃを寝かせて、朝起きたらちぃがケージから連れ去られ、いなくなっていた、なんていうのも困ります。

キャンプ場といっても、そこは太平洋側の静かな場所で、夜になるとほとんど人もいなくなり、辺りがけっこう不気味でした。

テントの内側の細い支柱にちぃのリードを結んでも、ちぃの力で「ぐいっ」と引っ張れば、きっと折れてしまいます。困った末に私は、自分の体にちぃのリードを結びつけて寝たのでした。

 

 まるで昨日のことみたい

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夫はれんが来てから、「ちぃとれんを連れて、大岸海岸へキャンプに行こうよ。れんは一度もキャンプしたことないんだよ」と言いました。
しかし私は、ちょっとそこまで車に乗せても興奮してゼーゼー息の荒くなる2匹を乗せて遠くまで行くのは不安でした。

だからいつも――
「そうだね。(2匹が)もう少し大人になって、落ち着いたら行こうね!」
などと適当な返事をして済ませていたのです。あの頃は。

もう10年以上も前の思い出。
でも、まるで昨日のことのよう……

――おしまい――

 

 漫画でもどうぞ

(おまけ)
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~れん がうちにきてすぐ(2/2)おしまい~

うちの子がうちにきてすぐ|No.5 - 2
犬の名前:れん
犬種:フレンチ・ブルドッグ
飼主:かっぱ太郎、F.zin
 ▶ 作者の一言
 ▶かっぱ太郎、F zin:犬の記事のご紹介
 
うちの子がうちにきてすぐ、とは

新米飼い主が犬を迎えてすぐの頃の、悩みや葛藤、未経験だからおきたドタバタを振り返り、自身の言葉で綴ったエッセイのシリーズです

 
犬や猫と暮らすあなたへ

我が家では新しい犬を迎えようとしています。
今しみじみと実感しているのは、自分はベテラン飼い主などではなく、新米飼い主なのだということです。18年前に先代犬を迎えた時のように、何も知らないのです。

どうやってトイレを教えたっけ?
家に帰ったら、テーブルの脚が1本無くなってたことがあったなあ。
あの破壊活動はどうやって躾けたっけ?
先代犬で積んだはずの経験は、今や忘却の彼方です。

【私たちはいつだって、新米飼い主のまま】より

――うちの子がうちにきてすぐ・次話――

記事の準備中です。
皆さまからのご応募もお待ちしております。

――うちの子がうちにきてすぐ・前話――

先住犬『ちぃ』に続いてやってきた子犬。
名前は『れん』になりました。
『ちぃ』がやきもちを焼かないように、出会いを慎重に進めた家族。
その甲斐あって、『ちぃ』は『れん』に優しく接するようになります。
家族が願った通り、『ちぃ』には ”友達” ができたのでした。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――うちの子がうちにきてすぐ・第1話です―― 

普通の飼い主は、しつけのベテランには、なかなかなれないもの。
犬を飼うたび、毎回が新米飼い主。
だから起きる事は、毎回新鮮です。
飼ってすぐのドタバタというのは、振り返ると思い出深いもの。
今回は、トイレのしつけのお話です。

 れん がうちにくるまで 

先住犬の”ちぃ”は、どうもよその子に受けが悪い。
このまま犬の友達はできないの?
そんなとき、小さな白い犬を見かけたのです。
「ねえ、友達になってくれる?」

子犬の箱を受けとり電車に乗った作者。しかし事故のために大混雑。
優しい老夫婦の助けで、なんとか満員の車中を過ごします。
家へと急ぐ作者。迎える家族。
君は手荷物でうちに来たんだよ。

 ちぃがうちにくるまで 

本当は犬が苦手だった作者。
その作者が偶然、びっくりするほど大きな顔の犬を目撃しました。
哲学者のような振る舞いの犬――
月日がたたち、作者はその不思議な犬の置物に遭遇します。

 出典

※本記事は著作者の許可を得て、下記のエッセイを元に再構成されたものです。

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