犬を飼うということ

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ちぃとれんの恐怖体験 ~犬だって、嫌いなものは嫌い~

f:id:masami_takasu:20181017204248j:plain文:かっぱ太郎、撮影:F.zin

人間に苦手なものがあるように、犬にも苦手なものがありますよね。
我が家の愛犬、”ちぃ” と ”れん” にもあります。
苦手でいるうちならまだ良いのですが、それが大嫌いのレベルになってしまうと、思わぬ問題を巻き起こしたりします。

今日はそんな、お話をしようと思います。

 

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”ちぃ”は、爪切りが大嫌いです。
どれくらい大嫌いかと言うと、爪切り道具を見ただけで私の手に噛みつくほどです。
本当は愛犬の爪くらいは、自分で切ってやりたいと思うのですが、あまりにも嫌がるために、動物病院にお任せするしかありません。

嫌いになったのには理由があります。
ちぃがまだ幼かったころ、息子がひとりで、ちぃの爪切りをしてくれたことがあるのですが、それが良くなかったようです。
その時、息子が切った爪からは血も出ておらず、きれいに処理してありました。
「ひとりでよく切れたねぇ。どうやって切ったの?」と訊ねると、
「こうやって、上から押さえつけて切ったんだ」と――

 

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爪がどうこうというよりも、力ずくで押さえつけられたことが、幼いちぃにとっては恐怖体験だったようです。
それからは、夫が「ちぃ、爪切りするよ。」と声をかけただけで、夫の手に噛み付いたこともあり、ちぃの前での「爪切り」発言は禁止となりました。
何事も、初めが肝心なのですね。

動物病院では、獣医の男の先生ではなく、華奢な看護師さんたちが爪を切ってくれています。話から察すると二人がかりで、やさしく声をかけながら切ってくれているようで、その間ちぃは、うなったり暴れたりしたいのを我慢しているようです。
いつかその手際を、実際に見てみたいと思っているのですが、私の姿が見えると、ちぃが助けを求めて暴れそうなので、私の方も我慢をして、待合室で待たせてもらっています。

 

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弟の”れん”のほうはどうかというと、爪切りは苦手なのですが、ちぃほどではありません。二人がかりならば、だましだまし家でも切ってやることはできます。
しかし、我が家の爪切り事情は簡単ではありません。

れんの爪を切っていると必ず、ちぃが走り寄ってきて、自分の爪が切られているわけではないのに、ものすごい剣幕で怒るのです。
そしてれんの方も、私がちぃだけを爪切りのために連れて出かけようとすると、自分だけが置いていかれた寂しさに耐えられないようで、外までかすかに聞こえる声で、吠えるというよりも、ひどく寂しそうに叫ぶのです。

仕方なく最近は、2匹を一緒に爪切りに連れて行くようになりました。
これが我が家の爪切り事情です。

 

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さて、2匹とも動物病院で一件落着かというと、そうではありません。
実はれんが自動車とクレート(犬を入れる、持ち手のついた箱)が苦手なのです。
犬のしつけ本には『犬を車に乗せるときには、クレートに入れるのが安全です。』と書いてありますが、つい2週間ほど前、2匹の爪切りをしてもらうため、病院へ連れて行ったとき、これを実践して痛い目にあいました。

夫と二人で行けば、なんということはない爪切りの旅ですが、たまたま私がひとりで入れて連れて行った帰りのことです。
まずは爪切りで興奮したちぃが、クレートに入るのを嫌がって暴れ、クレートの入り口に引っかかった私の手の甲は、内出血して青く腫れ上がってしまいました。

また、れんのほうは、道中のクレートの中で、かぼそい声で「ひゅるひゅる」とすすり泣きのような声を出しつづけるのです。
運転しながら私は思わず小声で、
「…か~わ~い~ぃ子牛ぃ~ 売られてゆ~く~よぉ~」
と、ドナドナの歌を口ずさんでしまいました。

 

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車を降りてみると、れんは哀れにもクレートの中に敷いた座布団を、オシッコでぬらしていました。
れんは、散歩のときにも、決して外ではオシッコをしない膀胱の大きな男なので、車の中でゆれるクレートの居心地が悪く、よほど怖かったのでしょうね。

今日は、ちぃとれんの恐怖体験でした。

そうそう、このれんの車嫌いとクレート嫌いでは、それからも飼い主は痛い目にあうことになるのですが、それはまた別の機会に――

(おまけ)
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――ちぃとれんの恐怖体験・おしまい――

作:かっぱ太郎、F.zin

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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――出典――

※本記事は著作者の許可を得て、下記のエッセイを元に再構成されたものです。