犬だって嫌いなものは嫌い
犬にもある好き嫌い
人間に苦手なものがあるように、犬にも苦手なものがありますよね。
我が家の愛犬、”ちぃ” と ”れん” にもあります。
苦手でいるうちならまだ良いのですが、それが大嫌いのレベルになってしまうと、思わぬ問題を巻き起こしたりします。
今日はそんな、お話をしようと思います。
ちぃは爪切りが嫌い
”ちぃ”は、爪切りが大嫌いです。
どれくらい大嫌いかと言うと、爪切り道具を見ただけで私の手に噛みつくほどです。
本当は愛犬の爪くらいは、自分で切ってやりたいと思うのですが、あまりにも嫌がるために、動物病院にお任せするしかありません。
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嫌いになったのには理由があります。
ちぃがまだ幼かったころ、息子がひとりで、ちぃの爪切りをしてくれたことがあるのですが、それが良くなかったようです。
その時、息子が切った爪からは血も出ておらず、きれいに処理してありました。
「ひとりでよく切れたねぇ。どうやって切ったの?」と訊ねると、
「こうやって、上から押さえつけて切ったんだ」と――
原因は幼いころの恐怖体験
爪がどうこうというよりも、力ずくで押さえつけられたことが、幼いちぃにとっては恐怖体験だったようです。
それからは、夫が「ちぃ、爪切りするよ。」と声をかけただけで、夫の手に噛み付いたこともあり、ちぃの前での「爪切り」発言は禁止となりました。
何事も、初めが肝心なのですね。
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動物病院では、獣医の男の先生ではなく、華奢な看護師さんたちが爪を切ってくれています。話から察すると二人がかりで、やさしく声をかけながら切ってくれているようで、その間ちぃは、うなったり暴れたりしたいのを我慢しているようです。
いつかその手際を、実際に見てみたいと思っているのですが、私の姿が見えると、ちぃが助けを求めて暴れそうなので、私の方も我慢をして、待合室で待たせてもらっています。
れんも爪切りは嫌いだけれど
弟の”れん”のほうはどうかというと、爪切りは苦手なのですが、ちぃほどではありません。二人がかりならば、だましだまし家でも切ってやることはできます。
しかし、我が家の爪切り事情は簡単ではありません。
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れんの爪を切っていると必ず、ちぃが走り寄ってきて、自分の爪が切られているわけではないのに、ものすごい剣幕で怒るのです。
そしてれんの方も、私がちぃだけを爪切りのために連れて出かけようとすると、自分だけが置いていかれた寂しさに耐えられないようで、外までかすかに聞こえる声で、吠えるというよりも、ひどく寂しそうに叫ぶのです。
仕方なく最近は、2匹を一緒に爪切りに連れて行くようになりました。
これが我が家の爪切り事情です。
れんが嫌いなのはクレート
さて、2匹とも動物病院で一件落着かというと、そうではありません。
実はれんが自動車とクレート(犬を入れる、持ち手のついた箱)が苦手なのです。
犬のしつけ本には『犬を車に乗せるときには、クレートに入れるのが安全です。』と書いてありますが、つい2週間ほど前、2匹の爪切りをしてもらうため、病院へ連れて行ったとき、これを実践して痛い目にあいました。
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夫と二人で行けば、なんということはない爪切りの旅ですが、たまたま私がひとりで入れて連れて行った帰りのことです。
まずは爪切りで興奮したちぃが、クレートに入るのを嫌がって暴れ、クレートの入り口に引っかかった私の手の甲は、内出血して青く腫れ上がってしまいました。
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また、れんのほうは、道中のクレートの中で、かぼそい声で「ひゅるひゅる」とすすり泣きのような声を出しつづけるのです。
運転しながら私は思わず小声で、
「…か~わ~い~ぃ子牛ぃ~ 売られてゆ~く~よぉ~」
と、ドナドナの歌を口ずさんでしまいました。
よほど怖かったんだね
車を降りてみると、れんは哀れにもクレートの中に敷いた座布団を、オシッコでぬらしていました。
れんは、散歩のときにも、決して外ではオシッコをしない膀胱の大きな男なので、車の中でゆれるクレートの居心地が悪く、よほど怖かったのでしょうね。
今日は、ちぃとれんの恐怖体験でした。
そうそう、このれんの車嫌いとクレート嫌いでは、それからも飼い主は痛い目にあうことになるのですが、それはまた別の機会に――
ちぃ と れん の漫画もどうぞ
(おまけ)
――ちぃとれんの恐怖体験・おしまい――
作:かっぱ太郎、F.zin
▶ 作者の一言
▶かっぱ太郎、F zin:犬の記事のご紹介
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――次話|混合ワクチンにまつわるお話へ――
毎年秋は、ちぃと、れんに、混合ワクチンを打つ季節
いつもは夫婦で連れていくのですが、今年は夫が娘とお出かけの日。
さて、一人で大丈夫?
2匹と車では、色々と問題を起こすし。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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ちぃ と れん を迎えたときのお話
ちぃがうちにくるまで
本当は犬が苦手だった作者。
その作者が偶然、びっくりするほど大きな顔の犬を目撃しました。
哲学者のような振る舞いの犬――
月日がたたち、作者はその不思議な犬の置物に遭遇します。
れんがうちにくるまで
先住犬の”ちぃ”は、どうもよその子に受けが悪い。
このまま犬の友達はできないの?
そんなとき、小さな白い犬を見かけたのです。
「ねえ、友達になってくれる?」
ちぃがうちにきてすぐ
念願の犬は『ちぃ』と命名。
好奇心旺盛で、何でも口に入れるちぃ。
骨付きチキンを飲み込んだ時は、夜間病院へ――
やがて犬が、口で気持ちを伝えることを知る飼い主。
そうやって段々と、お互いが分かり合っていく。
ようこそ、我が家へ、ちぃ
れんがうちにきてすぐ
先住犬『ちぃ』に続いてやってきた子犬。
名前は『れん』になりました。
『ちぃ』がやきもちを焼かないように、出会いを慎重に進めた家族。
その甲斐あって、『ちぃ』は『れん』に優しく接するようになります。
家族が願った通り、『ちぃ』には ”友達” ができたのでした。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のエッセイを元に再構成されたものです。