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【ストルバイト結晶/療法食】写真で紹介|我が家の手作り食 ~病院の療法食じゃなくても大丈夫~

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写真で紹介|PHチェックと手作り療法食
ストルバイト結晶_闘病記

撮影&文|てんルナお母さん
 
この闘病記は

愛犬がストルバイト結晶と診断されたものの、食べる楽しみを残してあげたいと、病院の療法食でなく、手作り食を選択した飼い主さんの体験談と闘病記です。今回は具体的な食事の内容と、PHチェックについてお知らせします。

こんな方へ:
愛犬がストルバイト結晶と診断された|療法食を食べるしかないのか?|愛犬が療法食を食べてくれない|病気でも、食べる楽しみを与えたい|経験者の体験談を聞かせて欲しい

 はじめに ストルバイト結晶と診断されて

我が家の愛犬ルナは、ストルバイト結晶。
正確に言うと、ストルバイト結晶の濃度が高くなる症状で、ストルバイト結石症の前段階と言う状態です。
(ストルバイト結晶は正確に言うと、病名ではないので)

以前にもこの病気の記事を書きましたが、今日はそれに対する具体的な我が家の対応を、食事を中心にお伝えしようと思います。

同じ疾患で悩んでいる飼い主さんの参考になるように、なるべく具体的に書いて行きます。

前回の記事はこちらです。
病気が発覚してから、手作り療法食にするまでの経緯をまとめています。

 

 これまでの経緯 発病前から今まで

さて、まずは簡単に病気の経緯を書きましょう。

これまでの経緯

2016年11月
・ルナを家の子に迎えました。
2017年2月
・ルナの病気が判明しました。それがストルバイト結晶です。

かかっていた病院からは、一生涯療法食と言われました。
私は療法食が嫌で嫌でたまりませんでした。それは添加物が沢山入っているからです。そこで手作り食で対応しようとしたのですが、それを否定する獣医さんばかり。方々の病院を探し回わり、やっと5月に手作り食を否定しない、今の病院に辿り着きました。
2018年11月
・今の病院に辿り着いて1年6ヶ月が経ちました。
・今も私の意志は変わらず手作り食です。

さて、前置きはここまで。
ここからが本題で、我が家の手作り御飯をご紹介していきます。

我が家のご飯は、私が日々考えながら、少しずつ変化していった成果です。
ポイントは、無理をせずに手作りすること。
病気との付き合いは長期戦ですから、途中で息切れしてしまったら意味がありません。

凝った物を作らなくても、愛情は伝わっています。
その愛情が、御飯を美味しくしてくれます。

 

 療法食は不味いと思っていませんか?

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我が家にはルナの先住犬で、もう一匹の子 ”てんてん” がいます。
てんてんは病気ではないのですが、ルナと同じものを食べています。
てんてんは以前は小食で、御飯を食べてくれなくて随分と悩んだものです。

しかし今やそのてんてんが、小躍りしながら御飯を待つようになり完食してくれます。
うちのご飯は、ストルバイト結晶のための手作り食であるのと同時に、食の細いワンちゃん向けの食事でもあるのです。

 

 

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御飯の話に戻りましょう。

我が家ではてんてんとルナに、野菜を中心にお肉を食べて貰っていますが、いつも同じではありません。体重も測定しながらお肉を増やしたりしています。

小松菜・白菜・椎茸・ニンジン等の湯煮。
トマトを茹でてペーストにしてます。
あと、亜麻仁オイルもかけます。

朝御飯には梅エキスを薄めて御飯と一緒に与えています。
私も飲んでいるので自分に作ったのを薄めています。
(梅エキスは癌に良いと学会で発表されました
その他にも身体に良いとされています)

豆苗も栄養があるのでトッピングしています。
納豆は夕御飯にトッピング。

キャベツやもやしも食べさせます。

クランベリー等のベリー系は、ストルバイト結晶に良いとされています。
ヨーグルトと混ぜ(無糖)、食べさせています。

個人的な実感として、クランベリー、ブルーベリー、ストロベリーは、ストルバイト結晶や泌尿器疾患に良い様に思います。

 

 食事療法は長期戦 我が家の実例

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食事療法は長続きすることが大事なので、そのためにも、作る側もなるべく無理をしないようにしています。私達が食べる物を味付けする前に、取置きして食べさせる事もあります。

幸いルナには今の所アレルギーが無いので、色々食べる事が出来ています。
食べる事が大好きで、食欲旺盛なルナ。食べる喜びを、奪いたくありません。
かと言って与え過ぎは絶対にしません。

以下に、ごはんの一例を写真で紹介します。

これは朝ごはんの例です

その時その時で、少しトッピングが変わります

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基本、野菜の上にトッピングします。

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これは晩ごはんの例です

2種類の肉が入っています。

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こちらには、鶏ムネ肉と豚レバーを小さくした物が入っています。

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ストルバイト結晶への対応の基本は、水分を沢山とり、オシッコを我慢させないことです。御飯を食べてPHが高くなり、結晶が出来ても、水分を摂取してそれを出してあげればいいのです。

その為にも、野菜で水分を多くとる様にして、プラス肉の煮汁も多少入れたりします。前の記事のときと変わらず、ヤギミルクも飲ませていますが、量は少なめです。

運動した後でも、飲みたい時に水を直ぐに飲める様に置いておきます。

 

 PHのチェックも忘れずに

我が家のルナは以前から頻尿で、それは今も変わらず、1日10回はオシッコをします。これはルナの個性です。

結晶が出来る体質!
だったらその体質と上手く付き合って行く。

要するに、体内から結晶を出してあげれば良いんです。
PHが下がれば結晶は消えています。

PHは短時間でも変わります。
其を判断する為にもPHチェックは必須です。

ストルバイト結晶と診断され、最初は神経質になっていた私も、今はルナのPHのルーティーンが分かってきました。
「今PH高くても、~時頃のオシッコはPH下がるな!」
と思えれば、安心できますよね。

例えばこれは、ある1日のPHの推移です。

12時01分 PHチェック

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・この後 シッコ(時間不明)
・晩御飯(17時53分)

18時02分 PHチェック

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・2回 シッコ(18時43分、19時00分)

19時36分 PHチェック

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20時52分 PHチェック

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21時45分 PHチェック

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※ PH正常値は、6.3~6.5 です。

 

 病気のサインを見逃さない

これだけ細かく見ていても、まだ心配になる事がありますので、病気のサインを見逃さない様に、いつも用心深く観察するようにしています。

過保護かもしれませんが、体を冷やさない様に、冬は寝る時にも服を着せています。

6月に病院に行ったときのことです。先生からは、
「PH毎日調べてるんだもんね。病院は6ヶ月に1回で良いでしょう!」
と言っていただけました。

分かるでしょうか? 療法食じゃ無くても大丈夫なのです!!!
多くの獣医師が言う『絶対に療法食でないと駄目』という言葉が、”絶対”ではないことを、ルナが証明してくれたのです。

もちろん、これは我が家のケースであり、ストルバイト結晶になっているワンちゃん全てが大丈夫とは断言出来ません。

手作り御飯を作る時間が無くて、病院で指定された療法食を食べているワンちゃんも沢山いると思います。

それを否定している訳ではありません。

私のように、ドライフードより手作り食だと思っている飼い主さんがいらっしゃったら、そんな方々に「諦めないで下さい」と伝えたくて、この記事を書きました。

次に病院へ行くのは12月。
これからも毎日PHを調べて、ルナの体調を管理をしていこうと思っています。

 

 食事(フードを含め)は、入手性も大事な要素

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最後に1つ、食事のことでお伝えしたいことがあります。
ここまでの手作り食のお話から少しそれてしまうのですが、とても大事なことです。

我が家は北海道で、9月6日の北海道胆振東部地震(ほっかいどういぶりとうぶじしん)で被災しました。地震の直接の被害はありませんでしたが、停電のために普通の生活が出来ない期間がありました。そんなときのための用心のお話です。

上の食事の写真をよく見ていただくと分かるのですが、我が家は手作り食派ではありますが、普段から10粒程度のドライフードを、必ず食事に混ぜて食べさせています。

それは万が一の災害の用心のためです。

災害などで普段の食事ができない状況に陥った時には、やむなくドライフードを食べてもらう必要が生じます。しかし急に食事は変えられません。
普段から、慣れさせて置く必要があるのです。

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これは、ブラックアウトの時の写メです

幸いこの時は、野菜の湯煮の作り置きと生肉が冷蔵庫にあり、ブロック氷は溶けづらいので、そのまま冷凍庫で保存出来ました。ガスが使えたので調理もでき、最悪のドライフードだけという状態にはなりませんでした。

しかし物流が止まっていて、私達が食べる物も調達するのが大変な時でしたから、
ドライフードを食べれる様にしていて良かったと思いました。

矛盾しているかも知れませんが、こだわりの食事をさせるときには、それができない非常時のことまで考えておく必要があると思うのです。

もちろん、このドライフードも選びに選んだ2種類です。
私自身が味見をして、内容物も確認して変な添加物は入っていない物を選びました。

以上で我が家の手作り食のお話はおしまいです。
皆様のお役にたてば幸いです。

 
手作り療法食について

手作り療法食は、ただ何かの成分を抑えれば良いという簡単なものではありません。
まず栄養バランスを考慮しなければなりません。これは通常の手作り食と同じです。食べた量や食べ残しを管理し、足りないものを次の食事で補うような配慮が必要となってきます。更に、治療の一環としての食事ですので、こまめな健康チェックも大事です。何を与えたから何が起きたかを、きちんと把握しなければならないのです。

誰でも簡単にできるものではありませんが、逆に言えば、その気になればここまでできる。病院の療法食でなくても対応が可能であるという例が、この記事です。

 

(参考) 

【ストルバイト結晶】
犬の結石の原因の一つです。
尿がアルカリ性になるとできるのが、ストルバイト結石。逆に尿が酸性になってできるのが、シュウ酸カルシウム結石といいます。
【症状、経過】
ストルバイト結晶が尿と一緒に尿道へ流れて、少しずつ尿道に詰まってしまうと、尿がでなくなります。結石になっていなくとも尿閉が起きます。また、膀胱の中にストルバイト結晶が存在すると、膀胱粘膜が刺激され膀胱炎になってしまうと恐れがあります。 (前記事より転載)

――前回の記事です(上でもご紹介)――

飼い主と獣医師は、ペットの命の前では同列。
飼い主は全てを獣医師任せにせず、自分で調べることも大切です。
――治療法について
――食事の選択について
うちでは薬が高額だったので、ジェネリックにしてくださいと言いました。
愛犬がストルバイト結晶を診断された、我が家の選択

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 関連の記事もご覧ください

尿石症について

今日取り上げるのは、尿石症。
膀胱炎などの症状から、発覚します。
場合によっては手術が必要になり、命にかかわることもある怖い病気。
意外に多いし、予兆もあるので、気を付けてあげてください。

大好物を守ること――

闘病や介護は、食べ物と一緒に過ごすことでもあります。
投薬を重視するあまり、食事やおやつに薬を混ぜて、愛犬がそれを嫌いになることも。
大切にしましょうね。
――大好物。

闘病に役立つ検索――

愛犬猫の病気やトラブルで、検索することが良くありますね。
しかし、良記事はなかなか探せません。
しかも――、ネット上には間違った情報も溢れています。
本記事は、その方法を探ります。

 出典

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

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