医療関係者が教える獣医師選び

『オタ福の語り部屋』をご存知でしょうか?
『もしも今、満足していないとしたら、どうしたら満足できるでしょうか?』
そんな問いかけをしているサイトを見つけました。
『オタ福の語り部屋』という名のサイトで、動物の病気について詳しく解説してくれています。
「そんなの沢山あるじゃないか」
と思われるかもしれませんが、この『オタ福の語り部屋』はちょっと違います。
●
専門的な内容なのに、ものすごく分かりやすいのです。
はじめて見た時は、思わず唸りました。
論文とか医学書とか、辞典などと違って、病気の情報自体が面白く、興味を持って読み進めることがでるのです。
●
我々Withdog、Withcatは、闘病記を物語のような読み物と捉えて配信していますが、それと同じような方向性だなあと感心しました。
例えば、下記は最近の記事。
脳腫瘍について書かれています。
●
どんな分野ものでも、技術的な分野の記事を書いたことがある方なら分かることなのですが、専門知識を我々一般人に伝わるように書くことは難しいんです。
何故ならば10の内容を伝えるために、10の知識だけでは足りなくて、20も30も余分な知識や配慮が必要になるからです。
それをしようと思うと、読者と同じ視点に立って、一般の人は何が分からないか、何故分からないかを想像しなければなりません。難解な事柄は別のものに例えて、分かりやすく解説する必要があります。そんなことをしているうちに、ちょっとした文章を書くのに恐ろしく時間が掛かるのです。
でも、『オタ福の語り部屋』はそれを丁寧にやっています。
早速、オタ福さんにご連絡をしてみました
記事を見て感動したので、早速作者のオタ福さんにDMを送りました。
どういうDMかというと、前半部はファンレターのようなものです。
書かれた記事が分かりやすくて、とても読みやすいということを書きました。
そして後半部には、Withdog、Withcatに記事を寄稿していただけないかとお願いをしてみました。
●
返事はすぐに来ました。良いご返事でした。
だから今、筆者がこの記事を書いているというわけです。
これからオタ福さんに、記事を寄稿していただくにあたり、まずはオタ福さんをご紹介しなければと思いました。
筆者自身、まだオタ福さんの事を良く知りません。
どういう人物なのか、とても興味がありました。
ここからは、オタ福さんへの質問と、いただいた回答です。
まずは簡単に、自己紹介をお願いします
初めまして!オタ福と申します。
僕は獣医学部5年生の獣医学生です。
ツイッターやブログ『オタ福の語り部屋』などで『獣医師がびっくりするぐらいの知識と情報』をテーマに動物の病気について発信しています。
これまでに僕のこと何らかの形で知っていた方はありがとうございます。
そして、今日初めて知った方はこれからよろしくお願いします。
●
よくオタ福“先生”と呼んでくださる方が多くいらっしゃったのですが、自分から「あっ、まだ学生なんです」なんて野暮なことはいちいち言いませんでした(笑)
騙そうと思ってたわけではなく「あっなんだ、まだ獣医じゃないだ…」と思われるのが怖くて、獣医学生を名乗ることができませんでした。
ごめんなさいm(-_-)m
自分でも早く獣医になりたいという気持ちはあるのですが、こればっかりは時間の問題なので何ともできません(笑)
オタ福の名前の由来は?
オタ福の由来――
正直、特に意味はありません(笑)
「なんとなく4文字がいいなー」
「どうせなら、縁起がいい名前がいいなー」
とぼんやり考えていたのですが、ある時、布団に入って眠るまでの、“何にもしないあの時間”に、フッと思いついたのでこれにしました(笑)
どうして病気の情報を扱おうと思ったのですか?
なぜ僕がこうやってネットに情報を発信しているかというと、
それは別に『本当に獣医師をびっくりさせたい』わけではありません(笑)
本当の目的は飼い主さんに『正しい治療が行われているか見極める力をつけて欲しい』ためなのです。
学生が何を言うとんねんって突っ込まれるかもしれませんが、まだまだツッコミを入れるのは早いです。生意気なことがまだまだ続きますので(笑)
●
・ちゃんとあなたの話を聞いてくれますか?
・今から何の検査を何のためにやるか説明してくれますか?
・身体検査を丁寧にし、どういった治療を行うか説明してくれますか?
●
「本当に正しいかはよく分からないけど、多分満足しているかな私は」
きっと大多数の方が、こんな風に思っているのではないでしょうか?
僕が言いたいのは、そこなんです!
本当にそれでいいのですか?
愛犬や愛猫の命を預けて、心配ではありませんか?
●
・それをしっかりと見極めていただきたい。
・それができる力を、飼い主の皆さんに付けてもらいたい。
・ちゃんとした獣医さんに、動物を診てもらって欲しい。
――そう僕は、強く願っているのです。
どうか、疑問を持って下さい。
「うちの獣医さんは、正しい治療をしてくれているの?」
それを飼い主さんに判断して頂くために、僕はブログで病気の説明をし、その病気を確定するための検査法と、病気の治療法を書いています。
質の悪い動物病院もあるということですか?
いい加減な獣医師は世の中になんぼでもいます。
「よく分からないけど、これ使えば熱下がるし、痛み収まるし、使っとこ」
こんなの医療でも何でもありません。
そんな話ホンマかよ!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが本当ですよ(笑)現場をみているからこそ、犬猫の飼い主さんへ伝えたいことがあるんです。
●
動物は「言葉」を話せません。
検査のために診察室の奥へ連れて行かれます。
検査を終えて飼い主さんの元へ帰ってきた時に
「〇〇先生になぁ、こんなことされてん!もう、あの病院行きたくない。めっちゃ痛いし、めっちゃ怖いねん!」
なんて言えません。
ただ、されるがままです。
●
診察室の裏で起こっていることを飼い主さんは知る由もありません。
どんなことをされるかは全て獣医に委ねられています。
飼い主さんが唯一できることは
全てを委ねられる獣医を選ぶことなのです。
●
・今どんな病気になっているのか?
・それを知るためにはどんな検査が必要なのか?
・この治療法で治るのか?
それを知るためには、ある程度の病気の知識が必要になってくるのです。
だから『オタ福の語り部屋』を始めたのですか?
その通りです。
僕のブログではおそらく必要以上の知識が書かれていると思います。
それは他のブログでは載っていない最新の情報や根拠に基づくお話を提供しているからです。
そして『こんな治療は絶対ダメ』と、強調して書いているところもあります。
それはいい加減な治療をやる獣医がいる病院を選んで欲しくないからです。
適切な治療を愛するペットに受けさせてあげて下さい。
そのためには僕は、自分の知識を惜しむことなく発信するつもりです。
これから『オタ福の語り部屋』はどんな風に?
僕は学生で、まだまだ獣医の端くれにも及びませんが、獣医学の追求と情報の更新を怠ることはありません。
裏で起きていることが見えなくても、信頼できる獣医さんを見つけて欲しいです。そのために情報を発信していこうと思います。
最後にもう一度だけ言います。
動物は「言葉」を話せません。
学生の分際ですが、こんな僕を応援して頂ければ幸いです。
――オタ福――
さて、これからですが……
ここまで読んでいただいたように、これからオタ福さんに、WithdogとWithcatに向けて記事を書いていただけることになりました。
聞きたいことも、書いていただきたいことも山ほどあるのですが、急がず慌てずにいきましょう。これから少しずつ、オタ福さんと、一緒に新しい記事を作っていけたらいいなと思っています。
オタ福さん、よろしくお願いします。
――オタ福さんのご紹介はこの記事にておわり――
――この記事には続編があります――
談:オタ福 聞き手:高栖匡躬
オタ福
▶ 作者の一言
▶ オタ福:犬の記事 ご紹介
▶ オタ福:猫の記事 ご紹介
▶ オタ福の語り部屋|獣医学を追及する。その先に見えるものは…
Follow @OtaHuku8
●
――次話――
”良い”獣医師選びは、飼い主の責任でもあります。
目的は常に動物の病気を治すこと。
そのために獣医師は何をすべきか?
そう考えると、自然に”良い獣医師”とは何かが分かってきます。
現場を知るからこそ出来るアドバイス。
●
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
●
こちら、オタ福診療所
『急性膵炎』
膵炎というのは早い話が膵臓(すいぞう)の炎症で、それが急性で発症したということです、激しい痛みを伴いますが、早く対処すれば治る可能性が高い病気です。
しかし対応を誤り、命を失う子もたくさんいます。
『癲癇(てんかん)』
何の前触れもなく、大発作ではじまることが多い病気です。
発作の見た目が激しいので、飼い主は気が気でありません。
突発性で、1度で済む場合もあれば、何度も繰り返す場合も。
『表在性膿皮症』
一般には膿皮症と広い意味で言われますが、深在性と区別されます。
湿気の多い時期には発症が増えます。
皮膚病と軽視されがちですが、重症化することがあるので注意が必要です。