うちの子がうちにくるまで|No.31
シングルマザーの作者が、犬を迎えようと思ったのは、息子に兄妹を持たせてあげたかったから。悩みに悩んで迎えたのは、先代犬と同じシーズーでした。
「私が一生守る」と作者は誓いました。
兄妹になれたかな?
――しかし、もうどちらでもいいんです。だって、運命の子だったから。
シーズーってどんな犬?|これまで犬を飼ったことがない|シーズーは誰とでも仲良くできる?|無駄吠えをしない?|経験者の体験談を聞きたい
私を癒してくれた先代犬
まずは私の自己紹介をしましょう。
現在アラフォー、24歳の息子を持つシングルマザー。
愛犬さくらを迎えたときの家族構成は、母、私、息子、当時未婚の私の妹4名。
私自身、離婚したことに後悔はなかったのですが、当時小学1年の息子に父親と離れ離れにしてしまった事や兄妹を持たせてあげられなかった事に申し訳ないと感じていました。
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そんな時私は、自分が小学生の時から結婚、出産のときまで一緒にいた、先代犬のシーズー〚ペペ〛のことを思い出していました。多感だった時にどれだけペペに傍で癒され救ってもらったことか。
感謝してもしきれない・・
息子に兄妹を迎えよう
息子に兄妹と呼べる犬を迎えるのはどうだろうか?
そんな風に思いました。しかし思い返せば私は、出産や育児を言い訳にペペをちゃんと面倒を見てあげられなかった――。結局母親に、ペペを任せてしまった。
そんな私に本当に犬を迎える資格があるのだろうか?
――いろんな思いが頭をよぎりました。
しかし今、私は曲がりなりにも人の親になっている。きっと当時とは違うはず。
「最期まで、迎えた子の命の責任を持つ」
そのことを自分に誓い、息子の兄弟になってくれる子を探すことを決心したのでした。
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その当時、私の叔父がショードッグの関係の仕事をしていたので、まずはその叔父に子犬を探してほしいと告げました。そしてそれから、どの犬種の子が我が家の環境に適しているのか? ど本を読み漁りました。
自分なりに考えた末、大型犬、中型犬だと体が大きくて、今の住まいには適さないと判断して、小型犬に的を絞りました。
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キャバリア、チワワ、ビーグル、ボステリ……
「みんな可愛いな」
「毎日たくさんのお散歩行ってあげられるかな?」
「アクティブなビーグルちゃんだと、家には適さないのかな?」
「チワワちゃんだと、小さすぎて踏んじゃうかも」
原点はシーズー
本当に悩みに悩んで、やはり原点のシーズーに戻りました。
シーズーはお年寄りや小さな子供とも仲良くできるし、無駄吠えもしなくて、愛嬌があると本には書いてあります。
「確かにペペはそんな子だった!」
「叔父の家のシーズーもそんな感じ」
そしてこう思いました。
「間違いない! シーズーの女の子ならきっと我が家にも適しているし、息子にも優しくしてくれる!」
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私は改めて叔父に、シーズーの女の子を迎えたいとお願いし、犬を迎える為の準備に没頭しました。
そして――
待つこと1ケ月――
小さな可愛いシーズーとご対面することができたのです。
それが〚さくら〛でした。
名前は初めから決めていました。
私が子供のころに大好きだった漫画、【銀牙】の主役の銀のお嫁さんの名前。
そこからいただいた名前です。
はじめまして
「さくら、はじめまして、これからよろしくね」
そう言って、クレートから出そうとした瞬間に臭う――
うんちでした。
すでに出会いのときから、その場をほっこりさせてくれたさくら。
その日はずっとクンクンと鳴いていたので、一緒に寝ることにしました。
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こんなに小さな時に親元から離されて、長い距離をいきなり移動させられて、全く嗅いだこともない匂いのするお家で、寝ることになるなんて――
さくらは、どれだけ不安だったことでしょう。
胸が熱くなりました。
本当に小さくてか弱くて――
「私が一生守る」
と、決意を新たにした瞬間でした。
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そこから我が家は、毎日がさくら中心になりました。
昼休みはさくらの様子を見に家に帰り、休みの日はさくらとずっと一緒に過ごす日々。
小さかった体もすっかり大きくなって――
そして、さくらは――
ゲージに入れても吠える吠える。
息子には威張る。
結局我が家ではゲージが何の意味もなくなり、フリーになりました。
温和でみんなと仲良く?
さくらは、なかなかに自己主張の強い子で、あまり甘えることもありません。
本に書いてあった『温和でみんなと仲良く』というシーズーのフレーズは、さくらの辞書にはなかったようです(笑)
でもトイレも覚えてくれて待て、おすわり、お手もちゃんとできる賢い子でした。
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さくらは毎朝息子の部屋に行っては甘噛みし、布団を掘って、息子がちゃんと起きるまで起こしました。そして部屋からは、必ずさくらが先頭に立って、息子を連れて出てきました。それから散歩に行って、ご飯を食べる。
これがさくらの朝のルーティンワーク。
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息子の友達が家に来ると、必ず部屋に入っていき偵察をしてからリビングに戻って来ます。偵察時に息子の友達にちょっかいを出されようものなら、唸る、威嚇するという過激な挨拶をします。
しかし息子の仲間達の間では、それがさくらという認識になってくれていたようです。
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さて、そのさくらですが――
結局、息子の兄妹になれたのかというと――
息子がさくらのシモベのようになっていました。
今思えばさくらは、私の足りないところを私に代わりって、息子を見守り、しつけてくれていたのかな? とさえ思えます。
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シーズーは全般的に温和で友好的な犬種ではありますが、良くも悪くも個性豊かであり、うちのさくらの場合はどうやら、当てはまらなかったかもです。
本来、犬を迎えるのであれば、まずはちゃんと自分の目で見て、抱っこして相性を確認するのが大事な事ですね。今になるとそんな知識も身についています。
でも当時はね――
新米飼い主でしたから――
探していた血統書
この写真は、ずっと探していたさくらの血統書。
先日、ひょんなところから出てきました。
うちに来る前から"さくら"にするって決めていたけれど、血統書の名前もさくらでびっくりしたことを覚えています。
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叔父任せで、いきなり我が家にやってきた子。
でも、さくらは運命の子でした。
うちに来てくれて本当に良かった、
世界一可愛くてクールな、ツンデレちゃん。
もう19年前のことですが、まるで昨日のことのようです。
――さくらがうちにくるまで|おしまい――
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――うちの子がうちにくるまで・次話――
犬を迎えたのは、当時学校に疲弊していた一人息子のためです。
息子が突然「犬を飼いたい」と言い出したのです。
一度も犬を飼ったことはありませんでした。
それでも飼おうと思いました。
――うちの子がうちにくるまで・前話――
パピヨンのメスは、初心者向きで飼いやすいらしい。
だからパピヨンを飼うことにした。当時は犬の飼い方なんて全く知らなくて――
やがて犬との暮しに慣れ、私は大人になった。
そして、犬に寿命があるってことを、すっかり忘れていた。
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――うちの子がうちにくるまで、第1話です――
昔からいつかはワンを飼いたいと、ずっと夢見ていたんです。
でも、夢と現実の差はでっかいですよね。結局はずっと、実現できずじまい。
――そんな夢を叶えた飼い主さんのお話。
犬との出会いは運命に似ています。
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うちの子がうちにくるまで
ラブラドールレトリバーと柴犬のミックス|はな
先代犬を亡くし、ペットロスだった飼い主。
眠れず、ご飯も食べず、泣いてばかりでした。
しかし――、ある日のこと――
「家に帰ったら、子犬がいた」
さて、その犬とは?
ミニチュア・シュナウザー|レイちゃん
猫の多頭飼いしていた我が家。
そこにはじめて迎え入れた犬が、レイちゃんでした。
レイちゃんは素人繁殖で生まれた子。保健所に持ち込まれる寸前でのことでした。