犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【殺処分/ごめんね】さよなら、ロール ~私を犬好きにさせた、思い出の子~

f:id:riro-chihuahua:20190101110858j:image文:Rikka

ずっと前から、書いておかなくては、と思っていた文章があります。その文章を、これまでに何度も書いては消して、書いては消すということを繰り返してきました。

それは、私が大の犬好きになったきっかけのワンコのこと。祖父母が飼っていたテリア種のロール(仮名)という名の犬の話です。

ロールとは、私が幼稚園に通っていた頃初めて会いました。

テリア種の小型犬(特定を避ける為の表現です)で、いくつだったのかあまり記憶はないのですが、老犬にはなっていなかったと思います。いつも元気がよくて、トマトが大好きな犬。

祖父母は、ロールのトイレなどの躾は全くしていなかったため、家中床が尿だらけで腐っている所もありました。そしてロールには噛み癖もあったのです。

遊びに行くと、決まってしつこいくらいに、ロールが私を追いかける。
でもその内に、私がロールを追い回す形になり、帰る頃にはしつこい私からロールは逃げ回っていました。

決して利口な犬ではなかったけれど、私はロールが大好きでした。ロールと出会ってから私もずっと犬が欲しかったけれど、家庭の事情で飼えなかったため、犬の図鑑を買ってたくさんの種類の犬を勉強して覚えました。

それから少し経った頃、祖父が大病を患い、それから間も無くして亡くなりました。

私は小さ過ぎて、祖父の病名や亡くなった時のことはあまり覚えてません。
けれど、1つだけ、どうしても忘れられない出来事がその時に起きたのです――

祖父が亡くなってから、ロールは祖母が1人で育てることになりました。
でも、祖母は元々犬があまり好きではなかったようで、“飼育を続けることをやめたい”と言い始めたのです……

ロールには居場所がなくなってしまいました。

私の両親は、ロールを引き取るのを何故かとても嫌がり、早々に拒否したのです。
小さな子供の私は無力で、ロールに何もしてあげれませんでした。

私は悲しくて泣きました。

大好きなロールが居なくなってもう会えないかもしれないことだけは、幼い自分にも理解できましたから。 

どんなに泣いても無常に月日は流れていき――
私の知らないうちに、ロールは保健所に連れて行かれて、殺処分となってしまったのです。

 

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あの仔は病気だった訳でもないのに、飼いたくないからという理不尽極まりない自分勝手な理由だけで、保健所に連れて行かれました。

両親には後からこう言われたのです。
『悲しいけど、仕方なかったんだよ』と――

何が仕方なかったのでしょうか?
今でも私には理解できないのです。

(私の家族にはこれ以外にも様々な問題があり、私は成人後この環境から離脱することを選び今に至っています)

大人は勝手すぎる。
自分たちの都合で、犬を殺すなんて許せない。

無力な子供だった私はロールに何もしてやれなかったーー
あんなに大好きだったのに――

悔しくて、悲しくて、腹立だしくて。
ずっと、ずっと、何日も泣きました。
そして誓いました。

”ロールはもう帰ってこないけれど、大人になったらロールのように家族を無くした犬を飼おう”

それが私にできる、ロールへの唯一の罪滅ぼしではないかと思ったのです。

 

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成人した後、私は家を出ました。
あの時のロールと同じ、独りぼっちの生活になったのです。

そして、もっと強く“犬と暮らしたい”と思うようになっていました。
それからしばらくして出会ったのが、飼育放棄された龍馬や先住犬たちです。

しかし、犬と暮らし始めた当初はわからないことだらけ。
考えも浅く、とても未熟な飼い主でした。

ロールを助けてあげなかった分も、必ず犬を幸せにしてあげたいと思っていたのに、実際犬を飼ってみると、自分の無知さダメさ加減に呆れるばかりでした…

ロール、ごめんね。
私は未だにキミと同じ種類の仔を見ると、あの時を思い出してしまう。
でもね、私はキミがいた事をずっとずっと忘れないよ――

私を大の犬好きにしてくれた犬、ロール。
今はどこにいるかな?
人間にひどい事をされたから、虹の橋のたもとにはいたくないのかな?

でもね、ロール。
そこには私の家族だった先代の爺ちゃんチワワもいるんだよ。
だから、お友達になってね。

私がそっちに行った時には、きっと皆で会えるよね。

 

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今は保健所に持ち込まれた犬猫は、持ち込み自体を拒否されたり、安易な放棄をしないよう説得をされたりと、昔とは随分変わってきています。

保護団体の活動も頻繁に話題になり、すぐに犬や猫が処分されてしまう時代では無くなりました。

でも――、ロールの生きていたあの頃はそうではなかったのです。

飼い主の持ち込みは、市町村によっては即日殺処分。
そんな不幸な犬や猫が、注目を浴びる事もなく悲しく消えていった昔の話――

今でもロールと同じ犬種の仔を見る度、あの仔の顔を思い出します。
このように文章にしたからといって、ロールにしたことが許されるわけではありません。

しかし、ロールとの悲しい別れについて残しておくことは、私の気持ちの区切りにもなると思いました。

ロールが生きてくれていた証にもなるのだと。

辛く悲しいお別れをしたあの仔のことは、虹の橋のたもとへ向かった先住犬達のことと同じように、ずっと私の中で生きています。

ごめんね、ロール。
何にもしてあげられなくて――

それでも、ロールが大好きだよ。

こんな酷い話を、最後まで読んで頂きありがとうございました。
ずっと忘れたくない話なので、悩みながら苦しみながら記事にしました。

 

――さよなら、ロール・おわり――

文:Rikka
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週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。

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