犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

龍馬はうちにきて幸せ? ~辛い時代を一緒に乗り越えてきた同志~

最愛の親友であり、息子、家族
犬の幸せ_龍馬

撮影&文|Rikka
 

今回は私の最愛の親友であり、息子、家族でもある龍馬(14歳)を迎えたときからのお話しをしようと思います。

私は今、少々悔やんでいることがあります。もしかすると私は、龍馬にとって良い飼い主ではなかったかもしれないなと思っているのです。色々と事情はあったのですが、龍馬にはこれまで沢山寂しい思いをさせてしまいました。

現在の私は、とても幸せです。龍馬がいてくれたからこそ、今の私があると言っても良いくらいです。だから今日は、龍馬への感謝の気持ちを込めて、この文章を書くことにします。

今私は、犬の健康管理やケアについて勉強をしています。しかし龍馬が私の元に来た当時は、まだ20代で何にも知らない、ただ犬が好きなだけでの人間でした。

個人的な話になりますが、私は離婚を経験しています。
龍馬は一度目の結婚の時に、私の元へ来た子です。

そして現在の私は、再婚しています。
夫は、こういった場所で初めて話すのですが、障害があって、日常的な支援が必要な人です。彼への配慮や生活面での支援が必要な為、現在は私は常に家にいます。

ここまで書くと、「なんて不幸な」なんて思われるかもしれませんね。
でも冒頭に書いたように、私は幸せなのです。
夫がいてくれて、龍馬も一緒にいます。

もう少しだけ、個人的な話を続けさせてくださいね。

一度目の結婚相手は、今の夫とは全く違う意味で問題が多い人でした。
正直に言うと、若い頃の私は人を見る目が無かったのですね。

家庭に課題を抱えていた私は、癒しを求めていました。いえ、癒しとは少し違う気もします。きっと日常を忘れられるような、苦労が欲しかったのでしょう。

その時既に、家には先代の愛犬がいたのですが、私は2匹目の子を望みました。2匹の犬の世話をすることで、現実を忘れようとしていたのです。

多頭飼いをするのならば、2匹めの仔は保護犬と決めていました。そこで私は、ネットを中心に里子になってくれる仔を探しました。

龍馬を初めて知ったのは、とあるペットの里親募集の掲示板に『本当のママを探しています』と書かれた記事を目にしたのです。

ブリーダー宅にいた飼育放棄されたチワワ、もうすぐ3歳。詳細は書かれてなくて、私はそのチワワが気になって、なんとなく直感で、この仔だ! と思ったのです。

出逢ったばかりの龍馬(左側)
f:id:masami_takasu:20190308102600j:plain
隣は龍馬の兄弟犬と思われます。

あの頃の龍馬は、“くじら目”と言われる状態でした。それは不安になっている犬が見せるもので、上目遣いの白目がちの表情のことを言います。

私はメールで問い合わせをました。しかし既に時遅しでした。龍馬は他の人が引き取って行ったという返事がきました。 

『そっか。お家見つかって良かったね…』
うちの仔になるって、直感したけど、違ったかーー

残念に思いながらも、彼に良い飼い主が現れて良かった、そんな風に思っていました。

しかし数日後、このお話は急展開します。
“引き取った人が、龍馬が『懐かず下痢ばかりして小さな子供もいる家庭で面倒見られない』ということで、返されたのだそうです。
「どうですか?」と、私に連絡が来ました。

私は二つ返事で、確か翌日には龍馬を迎えに行きました。
外の飲食店で待ち合わせして、面会です。ハードキャリーの中に龍馬がいました。

くじら目のまま、キョドキョドしながらも、とても大人しい仔。
「お腹を壊してるので、お世話が大変かもしれません」と言われましたが、私は「とても大人しいいい仔だな」と思い、そのまま龍馬を連れて帰りました。

帰りの電車の中でも、龍馬は一切鳴いたりしません。
家に着いてもキョドキョドした目で、家中にマーキングしそうになりました。
私はそれに驚き、慌てて『いけない!』と言って止めさせると…

キャンキャーーン!!

と、悲鳴みたいな声あげて逃げ回りました。

それ以降龍馬は、トイレの躾をすると悲鳴を上げ続けるので、トイレトレーニングは全くできず、室内ではマナーウェアが愛用品です。これは後になってわかった事ですが、龍馬はてんかん様発作を持つ仔で、精神的な負担が過度にかかった際も発作が起こりやすいのです。そのことが分かってからは、無理に躾をすることはやめました。

龍馬を引き取って帰宅した後、まずは下痢で汚れた身体を綺麗にしてあげようと一緒にお風呂に入りました。その際の私の初心者過ぎる下手くそなお風呂の入れ方のせいで、彼はそれ以降お湯が苦手になってしまいましたが……

身体が綺麗になった後には、同じ布団に入り一緒に寝ました。
本来犬のしつけでは、一緒の布団に入って寝ることは良くないことかもしれません。しかし、龍馬は深く心が傷ついた様な怯えた仔だったので、私はいつでもどんな時でもずっと一緒に過ごしてあげようと、心に決めたのです。

その日から龍馬は、私のことが大好きな、ママ命のチワワになってくれました。
ただ、私が好きすぎて、他の人には愛想が悪く、全く懐かない仔になってましたが……

 

f:id:masami_takasu:20190308103336j:plain

その後は、ここでは詳しく書くことはしませんが、問題のあった元夫の不実から、私は離婚をしました。やむにやまれぬ事情でした。

殆ど蓄えがない状況で別れましたので、それからが大変でした。
急遽新居を探さねばなりません。女性の身一人だけでやっとの思いで見つけた住まいは、犬が飼えない物件でした。選択の余地などありません。

愛犬たちは、どうしても連れていけません。
元の住まいの退去日が迫る中、悩んで悩んで、泣く泣く先代の愛犬は知人にお願いし、里親さんを見つけて貰い、引き取られて行きました。

しかし、龍馬は私の元に残る事になりました。
連れていけない事情がありました。

その時の龍馬は、原因不明の高熱と下血が続き、看病が必要な状況。
私は『この仔は誰かに託したら、死んでしまうに違いない』と思いました。
当然、誰も引き取ってくれるはずもなく、私が命に代えてでも守るしかありません。

もしかすると龍馬は、先代の愛犬や私とも離別する事実が耐えられなかったのかもしれません。必死に自分の体調を賭けてまで、私を繋ぎ止めたかったのかも。
その後に起きたことを考えると、そうとしか思えないのです。今振り返ると。

私は意を決して、新居に龍馬を連れていくことにしました。
もしも、新居で鳴いたら私は住まいを追われてしまうでしょう。
でも、そうする以外に選択肢はありませんでした。

不思議なことに龍馬は、新居に移ってからは体調も改善していきました。
元々おとなしい仔ではあったのですが、転居後からはそれに輪をかけて、何があっても鳴かない仔になりました。
鳴いたら一緒にいられない――
自分の置かれた状況を理解してくれたのかもしれません。

こうして、龍馬と私の、1人と1匹の生活が始まりました。

当時のことは、今も思い出すだけで辛く、こんなにはっきりと誰かに告白するのはこれが初めてです。里親さんの元に行った先代の犬のことも、今も懺悔と後悔の念からずっと自分を許せずにいます……

離婚した私は、龍馬以外のものを全てを失いました。
生きる希望が見出せない時期もありました。

そんな時も、龍馬だけはずっと私の側に居てくれました。
毎日の生活に追われ、金銭的に一杯一杯な時期には、『やはり龍馬は、誰かに託した方が幸せなのではないか』と、何度も考えました。
留守番も多くて、龍馬にはとても辛く寂しい思いをしたことでしょう。

龍馬には申し訳ないことをしてしまったなと、今も思っています。
だけど、あの仔がいてくれたからこそ、私は生きていられたのだと思います。

龍馬も変わりました。私命ではなくなって、知らない人でもお腹みせたり、甘える事が少しずつできる仔になっていったのです。きっと龍馬は龍馬なりに思うところがあったのでしょうね。もしかすると、、私1人だけに懐いていても、生き残れないかもしれないと本能的に感じたのかもしれません。

 

f:id:masami_takasu:20190308103735j:plain

こんな激動の人生だった私ですが、数年後にふとしたきかっけで今の夫と出会うことになります。夫も龍馬を受け入れてくれて、やがて結婚し、今の生活になりました。

生活状況もすっかり落ち着いた今は、私にとって龍馬のことが常に一番です。もう二度とあんな思いはさせたくないと思い、勉強した健康管理とケアを実践しています。龍馬には迷惑かもしれないけれど。

でもそれは、大変な時期を共に生き抜いて側にいてくれた龍馬に、私ができるせめてもの恩返しと考えているのです。


おかげさまで龍馬は、すっかり老犬の14歳になりました。色々な病気が見つかり治療をしているものの、全て比較的軽度な症状で、毎日マイペースに生活ができています。

龍馬は運命を共にしたパートナー。私にとっては家族以上の存在です。
20歳、それ以上長生きして楽しくシニア時代を過ごし欲しい。そう考えて、犬の健康管理とケアを勉強し始めたのです。

たまに『とても頑張っていて凄い』と褒めて下さる方もいますが、私はただただ、過去の罪滅ぼしと、恩返ししてるだけです。

ここまで書いてから言うのもおかしな話ですが、苦しかった時代の話は、とても偉そうに人に語れる内容ではないと思っています。

でも最近になって、一度は文章に残して見ようと思うようになりました。
私も変わったんです。龍馬と同じように。

もしかすると、不快に思われた方もいらっしゃったかもしれませんね。
申し訳ありません。そして、最後まで読んで頂いた方、ありがとうございました。

――龍馬へ――

龍馬はうちにきて、幸せだったかしら?
私は幸せだったよ。だから龍馬もそう思ってくれると嬉しいよ。

いつもどんな辛い時も一緒に居てくれてありがとう。
これからも、私の1番の宝物は君だよ、龍馬。

 

――龍馬はうちにきて幸せ?・おわり――

文:Rikka
 ▶ 作者の一言
 ▶ Rikka:犬の記事 ご紹介
 

まとめ読み|みんな幸せだったかい? ①
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

 同じ作者の記事です

 関連の記事もご覧ください。
 テーマ:うちに来て幸せ?/幸せだった?

 出典

※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。