ろくすけの闘病記:癲癇(てんかん)7話
2月12日 午後2時 今年の初発作
――2016年2月12日 午前2時――
今年の初発作が起きた。前回は12月20日だから、2ヶ月もたなかった……
時間は、5分近くに感じた。
発作になってからの経過は全く同じだが、発作の時間、その後の吠える時間も長かった。
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ろくすけが歩き出そうとするので、サークルに入れた。
朦朧としつつ、倒れながらも歩くろくすけ。
小一時間もすると、目の焦点があってきた。
すぐブロッコリー、水などをあげてみる。
すると、水は飲まないがブロッコリーは食べてくれた。
すかさずドライフードをふやかして、炎症剤、痙攣剤、安定剤を入れて食べさせた。
無事完食したので、経過を見守りつつ、時々外へ出す。
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まだトイレはしない。
9時になって病院へTELする。
主治医からは、
「次に発作が出たら座薬をすぐに入れること」と指示を受ける。
また「痙攣剤ゾニサミド(てんかん薬)を朝晩各1錠に増やしましょう」
とのこと。
10時ごろ、ろくすけを外に出すと大量のおしっこ。
――これで、まずは一安心。その後うんちも!
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”後ろ足ハーネス”が、大変役立っている。
ありがたい。買っておいて良かった。
(詳しくは後述します)
その後もフードやおやつを少しずつ与えながら、日常のリズムへ戻していく。
今回は足のふらつきが結構残り、チック症状もきつい。
やはり発作が起きるたびに、脳のダメージが大きくなっているのかな?
食欲があることだけは救い。
私よ 平常心・平常心・・・
ハーネスのことも少しだけ
上に書いた、”後ろ足ハーネス”のことを書いておきます。
これは介護のもので、後ろ足を中心にサポートする商品です
老犬は、後ろ足から弱りますよね。
ならば後ろ足さえ支えれば、今まで通りトイレができるということでもあります。
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今日ご紹介する商品は、ろくすけのてんかんを発症してしまったために、将来足が立たなくなったときの用心のため、急遽購入しておいたものです。
こんなに早く使うことになるとは思いませんでした。
これは優れものでして、着たままでおしっこ、うんちがOK
上の写真は、それを装着したろくすけです。
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(これが表面)
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見ての通り、円の中に後ろ足を入れる”だけ”。
――のはずなのですが、普段のろくすけは、これをするだけでも至難の業です。
触られるのが嫌で、暴れるからです。
でも、発作後ならすんなり着用できるのですよ。
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(これが表面)
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裏も手抜きなしの美しい仕上がりです。
長い持ち手を、オプションで付けることができるのですよ。
作っているのは、オーダーメイドで犬用のハーネスを作ってくださる、『くろーどワン』という工房でうす。
詳しくはこちらにどうぞ。
オーダーする場合は、くれぐれも採寸だけは正確に!
余談:ろくすけの発作の時
余談ですが、ろくすけの発作時、また夫は出張中だった。
パニックになったろくすけは、とにかくひたすら歩こうとする。
うしろ足が動かないのに。目もよく見えてないのに。
「あかん、あかん、危ないよ。そんなとこ行っちゃ。こっちおいで」
「いや、ちゃうちゃう、そっちじゃなくて、こっちこっち」
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よろっ……(これは私の、よろっ)
ふらっ……(これも私の、ふらっ)
パキッ!(という音が私には聞こえた)
「あ”~~~~~~~~~~~っ」
床に立てた自分の手の上に、私のおいど(あさが来た風)が着地。
――結果、――はく離骨折でした。
幸い左手だし よく使う指でもない。
日にち薬とお医者さんも言ってくれたし。
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やれやれ
って、ろく
寝てるんかいっ!
――発作は続くよ(1/10)つづく―
作:きづあすか
▶きづあすか:作品一覧
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――次話――
夜中3時に発作。前回から2週間たたない最短記録。
しかし、落ち込んでいる暇はない。今回は自分で座薬を挿入せねば!
ぐぐぐいっと――、やっと成功。
今回は、回復が早い?
いや、でも、うろうろがいつもより激しいか?
次はいつだろうか?
ドキドキだ。
――前話――
章の最終話。
昼の発作。前回から約3か月。
発作が起きない最長記録を更新しかけていたのに――
すぐにサークルに誘導、介抱する手順は手馴れたが、見守る気持ちに慣れはない。
ろくすけ、不安そうな表情。
次の発作はいつだろう?
飼い主は祈るだけだ。
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てんかんについて、もっと知るには
医学的な知識を交えて解説をしています。こちらもご覧ください。
『癲癇(てんかん)』
何の前触れもなく、大発作ではじまることが多い病気です。
発作の見た目が激しいので、飼い主は気が気でありません。
突発性で、1度で済む場合もあれば、何度も繰り返す場合も。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この連載の第1話です――
今日から、きずあすかさんの愛犬、ろくすけ君の闘病記を連載します。
病名は癲癇。ある日突然に発症しました。
「あの病態は、飼い主の心を乱します」
その言葉に、経験者の方は皆うなずくことでしょう。
初回は、闘病記を残す理由です。
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闘病に対する考え方を変えてみれば?
闘病に対する見方が変われば、掛ける言葉も違ってきます。
以下は、闘病に対する視点について書いたシリーズ記事です。
それは限られた時間を刻むこと
愛犬の闘病で悩む飼い主さんは多い。
それは見えない不安が、心にのしかかるから。
これからどうなる? いつまで続く? 医療費は?
見えないものは仕方ない。しかし、見えているものはある。
不安に怯えるのではく、どうか前向きに。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。