私たちは犬に育てられている
カテゴリー:エッセイ、コラム
作者:奥村 來未
作者が子供の頃に飼い始めた子犬。
弟のように思っていたのに、その子はいつの間にか老犬に――
老犬Mackとの暮らしは、家族に色々なものを運んできます。
楽しい事だけではありません。病気や体の衰えも――?
犬に育てられ、成長していく家族。
犬は自らの一生を通し、我々に沢山の事を教えてくれます。
いなくなってしまってからも……
【目次】
家族への想い
人は犬に育てられている。私はそんな風に思う
~娘の成長、そして歳をとった愛犬~
人は犬猫から、色々な事を教えられます。
その中でも、一番大きなものは ”忍耐” ではないでしょうか?
口のきけない犬猫にしつけをする。
病気をすればどこが悪いか、察するしかない。
それを何年も続けて、信頼関係が築かれていく。
そしていつの日か、飼い主は――
それがかけがえのない財産だという事に、気付くのです。
●
真っ直ぐな思いってさ、きっと人の心まで変えてしまうんだよ
〜犬を飼うこと。犬に育てられること〜
犬はから教えられることはとても多いですね。
忍耐とともに、命の大切さにも気付かされます。
特に愛犬が病気になったときには、それを強く感じます。
この子は、飼い主しか頼るものがいないだと実感するのです。
愛犬は命を賭けて、飼い主に”何か”を伝えます。
きちんとそれを、受け止めてあげたいものですね。
いなくなった君へ
私の自慢の弟でしたよ
~いつでも、戻っておいでよ、Mack~
自慢したくなる別れ
犬猫たちは、常に生きる事に一生懸命ですね。
闘病の際、ゆらゆら揺れ動く飼い主の心とは裏腹に、彼らはいつも前向きです。
だから我々は、彼らとの別れの時、
悲しみと同時に、別の感覚を覚えるのかもしれません。
きっとそれは――、やり切って去っていく者の爽やかさ。
●
これもペットロスなのかな?
~はやく戻っておいで、Mack !~
愛犬、愛猫を亡くすと、誰しも経験するのペットロス。
度合いはそれぞれで、掛けた愛情の大きさに比例するものでもありません。
ただ、少しばかり、人生感は影響しているようにも思います。
無常を受け入れる心――、とでもいうのでしょうか?
うちでは幸いにして、深刻なペットロスはありませんでした。
心に出来た傷を、外から眺めているような不思議な感覚があり、それを観察する度にうちの子を想いました。
それは、思っていたほど悪いものではありませんでした。
そしてそれは――、今も続いています。
うちに来て良かった?
うちに来て良かった? 犬を飼う者は誰もが思う
~わたしの心の葛藤は、笑顔に溶けて行った~
この子は、うちに来て幸せだったんだろうか?
飼い主ならば、絶対に一度は考える事ですね。
時には、
うちに来てさえいなければ――
うちでなかったら、こんな事にはならなかったかも――
なんて、思いつめたりして。
飼い主はいつも思い続ける。
でも幸せなんだよ。
そんなに深く悩めるんだから。
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作:奥村 來未
▶ 作者の一言
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解説:高栖匡躬
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老犬アルバム・老猫アルバム
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ありのままで良い、一緒に生きよう――
そう思った時にはじめて、視界が開けるような気がします。
地震発生時に、作者の奥村來未さんは宮城県に。
「私は死んでも、絶対にこの子たちは守る!」
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