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【偏食】誰もが陥る可能性あり ~侮れないペットの偏食(1/4)~【突如始まる飼い主の苦悩】

龍馬の闘病記:偏食編(1/4)
【食べムラ/食い渋り/拒食】などと表現される場合もあります。

侮れない偏食_扉

撮影&文|Rikka
 

小型犬には偏食の仔が多いと言われていますが、特に我が家の愛犬龍馬の犬種であるチワワには、年齢に関係なく偏食の仔が多いように思います。

現在14歳になる龍馬も、若いころから偏食には悩まされてきました。
このところは何とか安定していたのですが、最近になって状況が一変。また偏食が再燃してしまったのです。しかも、過去最悪の状態。

きっかけは龍馬に腎臓結石が見つかったことでの、療法食への切替でした。
食べなれないフードへの切替で、偏食がはじまることは多いようです。

今回は4話にわたって、我が家を例にとりながら、酷い偏食に関しての現実的な対策を考えてみたいと思います。

【目次】

 偏食にまつわる偏見と飼い主の苦悩

偏食は多くの場合、我儘と解釈されます。しかしながら、偏食の入り口は我儘だけではありません。癲癇の大発作のようなショックや、抗がん剤治療で時として現れる強い吐き気、或いは様々な要因による強いストレスは、その直前直後に食べた食物と容易に結びつき、大好物でさえしばしば大嫌いに転ぶことがあります。誰にも起きうることなのです。

龍馬の場合、今の偏食は食事の変化がきっかけでしたので、我儘の側面は否めません。しかしながら、言葉の通じない愛犬に、躾、或いはトレーニングという方法でそれを矯正していく難しさがあり、しかも後述するように持病を抱えていると、健康体の犬に行うような定番の方法(餌を食べなければ下げてしまい、空腹になって食べるまで根競べをするなど)を取ることができないことも多いものです。

また獣医師は食事療法の専門性が乏しいために、主治医が飼い主の悩みや苦労を理解しないことも良くあるようです。誰にも相談できず、自らも解決方法を見つけられないままで、飼い主さんが迷路に迷い込むことは多いのです。

本シリーズ記事の編集方針について

本記事は上記を鑑みて、以下の方向性でまとめていきます。
注:【偏食】は、【食べムラ】【食い渋り】など、様々な用語で表現され、微妙にニュアンスが異なります。本記事では偏食に統一しています。

①偏食の原因は、我儘だけとは限らない。
②偏食は、どの子にも起きる可能性がある。
③偏食が起きた理由は詮索せず、起きた事実に対応する。
④偏食が始まると、正しい知識で臨まないと悪化する場合がある。
⑤偏食は理解してもらいにくいので、飼い主が不要に追い詰められることが多い。
 (飼い主を責めていては問題は解決しない

食べ物の用語の多様性(紛らわしさ)については、こちらの記事をご覧ください。


 愛犬龍馬の偏食の推移(前半)

ここから先は、今回の龍馬の偏食ついて詳しく辿ります。
偏食は各個体や、各家庭の事情で様々な原因があり、それぞれ違う経過をたどります。我が家の例がピタリとはまるケースは、そう多くはないと思います。

それにも拘わらず詳しく(つぶさに)記述するのは、偏食が悪化していく過程を知っていただくことは、多くの方の参考になると思うからです。

沢山の文章が続きますのが、見出しだけを見て、あとは斜め読みをしていただいて構いません。ドミノ倒しのように、次々と偏食のスパイラルが始まっていく様を分かっていただきたくて記すものです。

1.偏食の始まり

原因:療法食への切替

さて、冒頭で少しだけ触れましたが、愛犬龍馬には腎臓結石が見つかりました。尿検査でも微妙な結果が出てしまいましたので、年齢的な要素も考えて、今後は腎臓の療法食に切り替えるように医師から指示が出ました。それが全ての始まりでした。

腎臓食は一般的にも好んで食べない仔が多いと聞きます。変更するのは不安でしたが、当初は療法食のドライフードだけでもすんなりと食べてくれていました。しかし2週間もすると、ドライは食べなくなりました。

次に腎臓の缶詰を混ぜて与えてみることにしました。1ヵ月くらいは何とか食べてくれていましたが、それ以降は受け付けなくなりました。

2.偏食の進展

原因:ストレスが原因か?

もしかすると偏食の悪化は、病院がストレスになったのかもしれません。通院するたびに龍馬の偏食傾向は酷くなり、まずは食べるのに時間がかかるようになり、次に私の手からでないとなかなか食べない状態になりました。

2回目の通院後には、腎臓食だけでは全く食べなくなってしまいました。

3.ひと時だけの改善

対策:通常食とのミックス

先生に相談すると、『半分程度なら通常食でも良いので、療法食を混ぜて食べてくれるのならいいですよ』と言っていただきました。そこで、それ迄好んで食べてくれていた通常食と療法食を半々ずつの分量に変更しました。

しかしその方法も半月強が限度でした。それ以降は、混ぜた腎臓食は全く口にしなくなりました。混ぜても通常食の方だけ、しかも腎臓食の味が移っていない部分しか食べません。

4.短期間で更なる悪化

対策:通常食とのミックス

ここからは、酷い偏食への一直線でした。2週間もしないうちに、その通常食も食べなくなり、以前よりご褒美や誕生日に喜んで食べていたデビフのささみ缶を混ぜないと食べなくなりました。更にはドライの通常食だけ残して、缶しか食べなくなってしまいました。

5.水さえも飲まなくなる

対策:サプリの服用を条件に、通常食へ

さすがに困り切って、医師に再度相談すると、『腎臓と結石用のサプリを与えてくれるなら、通常食だけでも構いませんよ』とのこと。

医師からの許可を得たので、サプリを与え始めたのですが、その後すぐに、喜んで食べていたはずのささみ缶さえも口にしなくなり、加えて問題なく飲めていた水まで飲まなくなりました。

6.飼い主が悩み始める(迷走のはじまり)

対策:医師への相談がしづらくなり独自の情報収集

何度も先生に相談しても迷惑がかかるし、ラチがあかないような気もしたので、これ以降はフードを扱う通販会社のペット相談窓口に連絡したりして、与え方を工夫していくことが始まりました。

水も、本来であれば成分的にはとても褒められたものではないのですが、この時は犬用の牛乳や人間用の無脂肪のヨーグルトなら飲んだので、それに水を混ぜて飲ませる様にしました。食事は、色々試しに買った缶やレトルト製品、口コミなども参考に、良いと思うものは何でも試す状態になりました。

7.更に悩みは深く

原因:自らの工夫で改善しないことへの焦り

偏食が長期にわたると、成分を気にしていられなくなり(気持ちにも余裕がなくなり)、とにかく食べてくれれば良いという考えに変わっていきました。

しかしそんな生活も半月も過ぎると、療法食を食べないことで、健康状態に影響が出てしまうことが心配になってきました。同時に、通院時に様々な検査をして、状態を丁寧に確認して下さる先生への申し訳なさも湧き起こりました。先生の指示に背いて、何かいけないことをしているような気になってしまうのです。 

8.わずかな光明、しかし

対策:フードを水でふやかす

困りきった私は、Twitter上で偏食に関して質問してみることにしました。同じ悩みをもつ飼い主さんへの呼びかけです。するとある方から、『水でふやかしてみてはどうか?』という意見を頂きました。

以前、その方法を試した時には効果が無かったのですが、ダメ元と思い、今迄与えていた通常食のフードを、ふやかしてみました。かなり匂いもキツくなり、この時は久々にドライの通常食を食べてくれました。とても嬉しかったです。

しかし、喜びもつかの間でした。ふやかしフードも1週間もしないうちに食べなくなってしまいました。

 

 前半のまとめとして

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このようにして、龍馬の偏食は推移していきました。
かなりの紆余曲折と思われたかもしれませんが、偏食は明確な解決法を誰も知らない中での暗中模索となるので、このようなことは起きがちなのだと思います。

そして恐らく私だけでなく、偏食で悩む飼い主さんは似たようなプロセスで、自分を追い込んでいくのだと思われます。

随分と長い文章を書いてきましたが、ここまででやっと半分の道のりです。
次回はあと1回だけ、偏食に悩むプロセスについて書かせていただき、それから解決編に移っていこうと思っています。

――侮れない偏食(1/4)・つづく――

文:Rikka
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今まで経験した闘病中の記録や出来事、かかりつけの病院探し、愛犬との生活に関することなど中心に書いています。
犬の管理栄養士の資格を持っています。食べる事は生きること。闘病中の愛犬に必要な栄養に関してのこと、正しい食生活をおくってもらいたくて取得した資格です。
犬の管理栄養士_詔書

――次話――

まとめ読み|侮れないペットの偏食
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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