犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【老犬は優しい】きっかけはタフィさんと、もなかさん ~老犬アルバムの思い出(その1)【開始前夜】

【関連コンテンツ】

たった一言に、心が奪われることがある
普通の日々が愛おしい

Withdogの告知のために制作したカードです。
 
こんな方に
老犬(シニア犬)と暮らしている|愛犬が闘病中、または介護中|愛犬が亡くなってしまった|他の飼い主さんのことが知りたい|皆さんの頑張りをみて、元気をもらいたい|大型犬は大きくて、優しい
目次

 私と老犬アルバム

ラフ_区切り

樫村慧です。

いつもWithdog『犬を飼うということ』のご愛読、ありがとうございます。
私が担当する【老犬アルバム】は、5月で開始から10か月になります。一周年になる7月には、兄妹企画の【老猫アルバム】と合わせて、150匹に迫るワンニャンを掲載できそうな勢いです。望外なほどのご支持をいただくことができて、本当に感謝しています。

思えば【老犬アルバム】は不思議な企画であり、コンテンツです。
老犬さんの写真に飼い主さんからの短いメッセージを添えただけの、簡単なカードなのですが、長い文章でも書き表せないほどの大きな感動を私たちにくれます。たった一言なのに、その老犬さんが生きてきた時間まで感じさせてくれるのです。

きっとそれは、何年もの間、大切にされて愛されてきた老犬さんの穏やかで柔らかい表情と、飼い主さんがメッセージに込めた深い想いが、絶妙のコントラストを描くからなのでしょうね。 

 

 老犬アルバムを振り返ってみる

通じなかった言葉_カード

Withdogの告知のために制作したカードです。
 

これから新しい試みとして、【老犬アルバム】に登場した全ての老犬さんを、もう1度記事として振り返ってみたいと思っています。

そう思ったのには、理由があるのです。

季節の変わり目は、老犬さんとのお別れが多いですよね。
私はその都度、【老犬アルバム】を開くのですが、そうするとその老犬さんをカードにしたときの気持ちが、まるで昨日のことのように蘇ってきます。
本当に【老犬アルバム】は、アルバムなんだなあとしみじみ思うのです。

それで、一周年を迎える時に向けて、もう一度最初から、思い出を辿ってみようかなと思いました。古いアルバムをめくるように――、思い出を語るように――

まずは私がどうして、【老犬アルバム】を始めようと思ったのか。そのことからお話しようと思います。

 

 老犬アルバムをはじめたきっかけ

歩くのが好きだった

ラフと歩いた日々の告知のために制作したカードです。

ツイッターを始めたのは、Withdog『犬を飼うということ』と、Withcat『猫のはなしをしようか』を、より多くの方に読んでいただくためでした。まずはサイトを知っていただいて、興味を持ってもらえれば、きっと記事も読んでもらえるだろうと考えていたのです。

そんな理由からなので、当初は特にツイッターに興味を持っていたわけではありませんでした。しかし利用し始めると、タイムラインに流れる犬や猫の画像や動画、飼い主さんの言葉が、想像以上に私の心を掴みました。今は犬を飼っていない私の心は、そこで随分と癒されたように思います。

少しずつ増えていくフォロワーさんの中には、愛犬ラフと同じゴールデンレトリバーの飼い主さんもちらほらといらっしゃいました。その中でもとりわけ、穏やかなお顔の13歳のもなかさんが気になりました。亡くなったラフにどことなく似ているし、白くなったお顔も老犬さんならではで、温和な感じを醸し出していて。

きっと私は、もなかさんのツイートを見る度に、ラフと重ねているところがあったのだと思います。だから、もなかさんの病気がわかった時のツイートには、ちょっと動揺しました。そして応援したいと強く思いました。

幸い闘病が始まった頃のもなかさんは、元気そうでした。私はほっとして、「きっと大丈夫、頑張ってくれる」と考えていました。
それからどれくらい経った頃だったでしょうか?
もなかさんが突然お空に旅立ったことを、私はツイートで知りました。
「まさか、こんなに急に……」
なんだかとても悲しくて、なんとも言えない気持ちになって、そして、訃報のツイートにお悔やみのメッセージを書いたのでした。

 

 大きくて優しい子

思い出は取り出せる

Withdogの告知のために制作したカードです。
 

ツイッターとは不思議なもので、いつも見かけている犬や猫がものすごく身近な存在になっているものです。いつものようにツイートでの姿が見えない子がいると、もうご近所の顔見知りの子のように心配になるのです。

だから訃報に接するたび、飼い主さんの気持ちを考えてしまいます。そしてその姿がもう見れないのかと思うと、途轍もなく寂しくなります。もなかさんの訃報は、まさにそれでした。飼い主さんに大切にされ、愛されながら精一杯生きて犬生を全うしたんだ。きっと幸せな犬生だったはず。私はそう思うことにしました。そう思わない事には、悲しくて仕方がありませんでした。

それから数日後のことです。今度はもなかさんの弟であるタフィさんが、まるでもなかさんを追うように、その犬生に幕を閉じました。タフィさんの飼い主さんのツイートには、「大きくて優しい子、ありがとう、大好き」と書いてありました。

その「大きくて優しい子」という言葉を読んだ時、どうしようもなく、涙がポロポロと流れました。

「そうなんだ、あの子たちは、大きなカラダをしていて、それでいてとても優しい」
この言葉には大型犬の特徴が凝縮されていると思いました。

 

 きっかけになったお祝いのカード

ハリーさんのカード、1枚目

これが、ハリーさんにお送りしたカード、その1です。
 

私はサイトの主宰に、そのことを伝えました。特別にそれだけを話したかったわけではなくて、何かのやりとりのついでにです。

大好きなゴルの子が亡くなったこと、弟犬の子が数日後亡くなってその飼い主さんのツイートの言葉に涙が出たこと。「大きくて優しい子」という言葉のこと――

すると主宰が、「この間ハリーさんに送ったみたいなカードを作ってあげるから、それをお悔やみとして差し上げたら?」と言い出しました。

カードというのは、実はその少し前の6月20日、私の愛犬ラフとご縁のあるアイリッシュセターのハリーさんが16歳をお誕生日を迎えたのですが、そのお祝いに主宰が作ったカードをハリーママさんにプレゼントしていたのです。1つ上のカードと、1つ下のカードがそれです。WithdogでもWithcatでも、固定ツイートや新記事の告知などでは、時々カードを作っているので、その延長のようなものです。

ハリーママさんと主宰とは元々ブログ仲間でしたし、私も愛犬ラフが使っていたカートをお譲りしたご縁で、ハリーママさんとは仲良くさせていただいていました。ママさんはそのカートを『ラフハリーカート』と名付け、愛用してくださっていました。

ハリーさんは、『うちの子がうちにくるまで』にも登場していただいています。

 

 2枚のカードが老犬アルバムの原型になりました

ハリーさんのカード

これが、ハリーさんにお送りしたカード、その2です。
 
ハリーさんに送ったカードを思い浮かべながら、2枚のカードを作ってもらいました。もなかさんの写真の真ん中には、『優しくていつも笑顔で食いしん坊だったよね』というメッセージを入れてもらい、タフィさんの写真の真ん中には『大きくて優しい子、ありがとう、大好き』と入れてもらいました。

まさにこれが、【老犬アルバム】のカードの原型となったものなのですーー

 

 もなかさんにもカードを送りました

もなかさんのカード

これが、もなかさんにお送りしたカードです。
 

もなかさんのカードに入れた言葉は、私がもなかさんの飼い主さんのツイートから拾ったもので、タフィさんのカードの言葉は、飼い主さんがツイートしていた言葉そのものでした。

愛犬を亡くされたばかりの飼い主さんに、ご連絡なんてしていいものだろうか?
かなり考えました。

そして意を決しました。
「読んでいただけなくて当たり前、とにかくカードをお送りしてみよう、お悔やみの言葉の代わりに」
そう決心して、もなかさんの飼い主さんにご連絡を入れたのです。タフィさんのカードも、飼い主さんにお渡し出来れば有り難いです、と付け加えて。

 

 すべての始まり、タフィ―さんにもカードを

タフィ―さんのカード

これが、タフィさんにお送りしたカードです。
 

もなかさんの飼い主さんは、快くカードを受け取って下さり、とても喜んでいただけました。そしてタフィさんのカードも、預かっていただくことができました。私はこうやって、お二人にカードを届けることがでたのです。
(幸いなことに、タフィさんの飼い主さんも、カードを喜んでいただけました)

「あのメッセージ入りのカードは、飼い主さんにとても喜んでもらえるものなんだ」
愛犬を亡くされたばかりで、悲しみの中にいる飼い主さんにも喜んでいただけたことに、何かぼんやりとわずかな光のようなものが見えた気がしました。
一つの思い出として残るカード。愛しい愛犬の写真に、文字が動いていることで、時が動くような気持ちにもなれるもの。

大好きなもなかさんとタフィさんに差し上げることが出来て良かったという安堵と、カードに対する不思議な感覚があの時わずかな光となって現れたのでした。

 

 老犬アルバム開始前夜

大事なこと

しかし、ここから【老犬アルバム】がすんなりとスタートしたわけではありません。
そのお話は、また次回に―― 

P.S.
もなかさんとタフィさんには妹犬さんもいて、その子もタフィさんが旅立ってからしばらくして、犬生を終えました。その妹犬さんにカードをお送り出来ていないことが、ちょっとした心残りとなっています。

 

――つづく――

文:樫村 慧
 ▶ 作者の一言
 ▶ 樫村 慧:犬の記事 ご紹介
 ▶ 樫村 慧:猫の記事 ご紹介

――次話――

次話は、No.1のハリー君の思い出から始まる2話です。

老犬さんを応援したいと思っていた私は、老犬アルバムを思いついたのですが、誰から始めていいか迷っていました。
ふと閃いたのが、仲良しのハリー君です。

まとめ読み|老犬アルバムの思い出①
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

 老犬アルバムのご応募方法はこちらです

老犬アルバムに応募するのは簡単

老犬アルバムに必要なのは、下記の6つの情報だけです。
①愛犬の名前
②愛犬の年齢(~カ月まで分かると尚良し)
③飼い主の名前(~ママとか、ハンドルネーム)
④小型犬、中型犬、大型犬の区別
 ※人間年齢を換算するために必要です。
 ※超大型犬は大型犬、超小型犬は小型犬で換算します。
⑤愛犬への一言、または、愛犬からの一言
⑥お気に入りの写真1枚

Twitterからの応募となります。
下記(担当:樫村慧)にDMをお送りください。

 老犬アルバムと老猫アルバム

老犬アルバムはここからスタートしました。
長老のハリー君は2019年6月20日に17歳の誕生日を迎えて、人間年齢124歳です。
でも、犬は何歳になっても子犬のようです。

老犬アルバムは51匹目からVol.2に突入しました。
開始当初は51匹は遠い未来でしたが、沢山のご応募のお陰です。
犬は子犬や、成犬の頃には見せなかった姿を、老犬になってみせたりしますね。
毎日が新しい発見です。

老犬アルバムは101匹目からVol.3です。
飼い主が家に帰っても、ずっと寝たまま。若い頃はお迎えにきたのにね。
しかし、その寝姿がまた愛おしく感じます。
時々頑固者になるのは、人間と同じですね。

老犬アルバムの猫版。老猫アルバムです。
犬と猫の違い-――、猫歳をとっても見た目が変わらないので、絵にかいたような老猫というのがいないんですね。飼い主さんの心の中で、この子も歳をとったなあと思ったときが老猫。老犬よりもカードの数は少ないのですが、どの子も飼い主さんの愛情いっぱいです。

 

 樫村慧|他の作品

愛犬の闘病や、老犬の介護をしている飼い主さんを見かけると、つい応援してあげたくなりますよね。でもいざとなると、どんな言葉をかけるべきか悩んでしまいます。
自分でも愛犬の闘病の経験がありますから分かります。不用意な励ましは、相手を傷つけることもあるのです。

愛犬の散歩道で時々で会っていたのが、土佐犬のリンちゃんでした。
しかしある日、リンちゃんには急に出会うことができなくなりました。
大型犬を飼う難しさ。周囲に理解してもらう難しさ。
リンちゃんは色々なことを教えてくれました。

 

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