ろくすけの闘病記:癲癇(てんかん)9話
3月20日 初めて下痢&血便
――2016年3月20日――
昨日は父ちゃんのお客さまが来て、賑やかな我が家だった。
ろくすけには体への影響を考えて、お客様と会わすことはしなかったので、おかげで興奮することもなかった。
――はず、なのに。
ろくすけは、私自身が料理やらで普段と違う精神状態であることを、読み取ったのだろうか?
あぁ――
明け方4時前くらいに、発作が起きてしまった。
痙攣→徘徊→もうろう→水・食事を口にする→もうろう→トイレ→徐々に回復
と、いつもの経過であったが、その後が違った。
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ろくすけは生まれてはじめて、――いや、これは正しくないな。
ろくすけがうちに来てからの9年で、初めて下痢をしてしまったのだ。
しかも 血便……
外に何度も何度も出ては、水っぽい便を噴出(という感じなのだ)
あまり騒ぎ立てないように観察しながら様子を見ていたが
人も犬もお腹を壊したときは同じなんだね
トイレに駆け込む感じ
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人間が参ってはいけないので、ろくすけをスチール製のサークルに入れる。
ろくすけのベッドは移動させたが、ろくすけはそんなことは、ほぼ初体験。
それでも尚ろくすけは、外でトイレをしたがり、鳴くわ暴れだすわ。
ひぇ~ またトイレ~~?
夜中も変わらずでも、1,2時間おきにバタバタするので私も覚悟を決めた。
まだ寒いお外だけど、寒さに堪えながらトイレに付き合う。
相変わらず水の血便なので、水で手に洗い流すためのジョウロを持って、ろくすけに付いて回る母ちゃん。
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食欲は相変わらずあるのけど、すぐ下痢してしまうのでふやかしたフードを、少しずつしかあげられない。それでも出ちゃうけど
翌日も状況は変わらない
(実はその後、1週間ほども続く)
このころには、てんかん発作よりも、下痢のことしか頭になかった私。
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ろくすけは、どうにもサークルが気に食わないらしく、いつもベッドがあった場所に行く。
しかしそこにはベッドがない。移動させたからだ。
ろくすけはベッドがないのに、ベッドがあったところで寝る。
あまりに切なく可哀想気なので、サークルを諦めて、定位置にベッドを戻した。
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その代わりと言っちゃあなんだが、カーペットなどに粗相されたら悲惨なことになるので、とうとう人間用おむつを登場させた。
しっぽの穴をあけて装着完了だ。
もちろん嫌がったけど、つけてしまえば気にならないようなので、それが救い。
――と思っていたら、やっぱりおむつにはしたくないのね。
ろくすけ、外に出たいという主張は減ることなく、とうとうおむつにはしなかった。
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その後、病院に連れて行くと、先生の指示が出た。
「ドッグフード中断しておかゆにしましょう」
「おかゆ?」
「そう、ごはんと少しだけささみを混ぜて。本当は絶食が効果的なんだけど、ろくちゃんはご飯がないとそのストレスで発作起こすかもしれないし」
「はい」と私。
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「白ご飯とささみをゆでて、おじやをあげてみてください」と言われ、これまた初めての手作りごはん。
ろくすけはいつも食欲満載だったから、胃が丈夫だと勝手に思っていたのだけど――
やはり16歳は、それなりの年齢だったのね。
おかゆ手作りご飯だよ
――その後――
その日から始まったいきなりのおかゆ手作りご飯。
結果的には大正解。
雑な私が作ったおじやごはん、ろくすけがどんなに喜んで食べてくれたことか。
そして徐々に徐々に便が固まってきたのであった。
血は相変わらず混じっているが、便が固まってきたのが嬉しい。
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そして手作り食にして数日後、とうとう血便もなくなった。
明らかに便の量も回数も減ったし、ちょっと固めかなとも思ったけど、普通の便が出ただけでバンザイ。
こうして、ようやっく体調は回復した。
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――更にその後――
下痢が治ったのだけれど、再びフードに戻す勇気がないので、先生に相談して手作りを継続することにした。
いろんな本やネットで手作り食を勉強し、ごはん、ささみor胸肉、あらゆる野菜のみじん切り、煮干し、などを鍋で煮たおじやごはん。
なんだか、フード以上にがっつくようになったかもしれない。
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手作り、ドッグフード、どちらが良いのか論争は巷にあるようだけど、どちらも完璧でないことは念頭に入れて、飼い主が判断せねばならないでしょう。
私は、手作りのごはんだったら、水分が多くとれることと、いろんな栄養素が試せることに期待して決断した。
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――更に更にその後――
なんとろくすけは、てんかんが起きない。
ううむ 手作り食が良かったのか??
実はこれから、てんかんが起きない最長記録を更新していくのだけれど、それはまた後日に。
それと、どんなご飯を作ってるかについても、また別の記事にて。
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これは、父ちゃんの腕で意識薄れるろくすけ
withおむつ
――発作は続くよ(3/10)つづく―
作:きづあすか
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――次話――
下痢&血便から、手作り療法食の「おかゆ」にかわったろくすけ。
良かったとがある。
まずは、とても美味しそうに食べてくれること。
そして、なぜだか発作が起きていない。
それが、「おかゆ」のお陰かどうかは分からない。
でも――、起きていない。
――前話――
夜中3時に発作。前回から2週間たたない最短記録。
しかし、落ち込んでいる暇はない。今回は自分で座薬を挿入せねば!
ぐぐぐいっと――、やっと成功。
今回は、回復が早い?
いや、でも、うろうろがいつもより激しいか?
次はいつだろうか?
ドキドキだ。
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てんかんについて、もっと知るには
医学的な知識を交えて解説をしています。こちらもご覧ください。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この章の1話目です――
この年の初発作。前から2ヵ月持たなかった。。
発作は最初の頃の衝撃はないが、いつもアタフタで慣れることはない。
歩こうとするが、朦朧としてふらつくろくすけ。
”後ろ足ハーネス”が役に立っている。
私よ 平常心・平常心・・・
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――この連載の第1話です――
今日から、きずあすかさんの愛犬、ろくすけ君の闘病記を連載します。
病名は癲癇。ある日突然に発症しました。
「あの病態は、飼い主の心を乱します」
その言葉に、経験者の方は皆うなずくことでしょう。
初回は、闘病記を残す理由です。
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闘病に対する考え方を変えてみれば?
闘病に対する見方が変われば、掛ける言葉も違ってきます。
以下は、闘病に対する視点について書いたシリーズ記事です。
それは限られた時間を刻むこと
愛犬の闘病で悩む飼い主さんは多い。
それは見えない不安が、心にのしかかるから。
これからどうなる? いつまで続く? 医療費は?
見えないものは仕方ない。しかし、見えているものはある。
不安に怯えるのではく、どうか前向きに。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。