ろくすけの闘病記:癲癇/腎不全 16話
これも覚悟リストに入れてましたが、ろくすけ自身の戸惑いが伝わってきて動揺隠せない私でした。体重もそれなりにあるので介助は私の体力との勝負になっていきます。
あれだけ落ちなかった私の体重がみるみる減ったのにはさすがに驚きました(苦笑)
8月5日 後ろ足が立たなくなってしまった
――2016年8月5日――
てんかんの発作は、もうかれこれ4ヶ月以上、なりを潜めている。
慢性腎不全の方も、悪いなりに落ち着いてくれている。
このまま夏を乗り切ってくれれば――
と思っていたのだけれど、ろくすけ今度は急に、後ろ足が立たなくなってしまった……
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今までも立てないことは多かったけど、今回は明らかに違う。
これまでは大好きなごはんの時間になると、全力を出して這い上がってきたのだけれど、今日は足に力が全く入らない様子で、倒れたまま鼻を鳴らす。
完全に脱力状態なので、持ち上げるにも鉛のような重たさだ。
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こら、あかん、ハーネスを取り出して持ち上げてみる。
嗅覚は全力でごはんに向いているので、そのままキッチンへ。
あぁ、このまま立ち上がらなかったらどうしよう――
こういうことは突然来る、と覚悟はしていたものの、正直動揺してしまった。
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ごはんを完食したあと、トイレに出してみる。
えっちらおっちら、ろくすけも全力、私も全力でろくすけの腰を支えつつ、何とか外に連れ出した。
――しかし、ダメだった
全然立てないので、おしっこもうんちも出来る状態でなかった。
あきらめて、渾身の力でベッドへ連れてきて寝かした。
案の定、おむつをせずにそのまんま寝入ってしまった。
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そりゃ疲れただろう。
このまま寝たきりになってしまうんだろうか?
こんなに突然になるのか?
――色々と考えてしまう
ごはんの時間だよ
そのまま夜になり、やはりごはんの時間だけは察知したろくすけは、
「ごはんに連れてってください」オーラ全開。
ベッドにごはんを持っていくのは簡単だけど、筋肉を甘やかしたら、寝たきりまっしぐらになるはず。
なので、またハーネスを持って立たせた。
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さっきより、ちょっと足が立つような気がする。
そのままキッチンへ連れていき、支えたままごはんを食べさした。
食欲は全く変わらず、その点は安心かな。
そして、ごはん後のトイレチャレンジ再び――
支えていても、さっきより足が動いているのがわかる。
外気温35度の中、ハーネスの力を借りて庭を何周も回ったのち、やっと出た・・おしっこ。
しかし、おしっこの体勢のままボテッと転んでしまったけど(苦笑)
でも良かった!
とにかくおしっこが出ないと、腎臓をますます悪くしてしまうからね。
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そしてベッドに戻ったろくすけは、またもやそのまま寝落ち。
ちょっとはスッキリ出来たかな。
あの足取りなら、まだ大丈夫かもしれない。
人間でも息絶え絶えのこの暑さだから、ろくすけも一時的に弱っているのかも。
そんな希望も持ちつつ、老犬の一日の濃度の濃さを身に染みて感じている。
持ち直したか?
――翌日、午前5時――
すでにろくすけは、目を覚ましている。
ちょっと体を支えてみると、ヨロヨロ、でも自力で起き上がってきた。
おそるおそる、朝一番のトレイへ――
●
歩いてる。ハーネスなくても歩いている。
明らかに昨日より、足に力が入っている。
ちょっと持ち直してくれたのかな?
ちゃんとおしっこもして、普段と同じように朝ごはんを食べることができた。
●
頼りないけど、昨日よりは歩けることができた今日一日。
きっと、こんな浮き沈みを繰り返していくのだろう。
一喜一憂しないようにせねば。
――発作は続くよ(10/10)おしまい――
――次の章に続きます――
作:きづあすか
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――次話――
ろくすけは癲癇発作は5か月出ていない。
「もしかすると、本当に治ってしまった?」
いやいや、油断は大敵。だって、チックの症状は毎日起きている。
しかし、ろくすけよ――
立たなくなった後ろ足、なんとか復活しないだろうか。
――前話――
ろくすけの発作が出ない、最長記録を達成!
浮かれてはいけないが、嬉しい!
手作り食が効いている?
実際、手作り食にしてから発作が無い。
どちらにしても、体調を整えてくれているのは確か
ありがとう、手作り食
と作っている本人が言うのでした。
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この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。
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――この章の1話目です――
この年の初発作。前から2ヵ月持たなかった。。
発作は最初の頃の衝撃はないが、いつもアタフタで慣れることはない。
歩こうとするが、朦朧としてふらつくろくすけ。
”後ろ足ハーネス”が役に立っている。
私よ 平常心・平常心・・・
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――この連載の第1話です――
今日から、きずあすかさんの愛犬、ろくすけ君の闘病記を連載します。
病名は癲癇。ある日突然に発症しました。
「あの病態は、飼い主の心を乱します」
その言葉に、経験者の方は皆うなずくことでしょう。
初回は、闘病記を残す理由です。
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てんかんについて、もっと知るには
医学的な知識を交えて解説をしています。こちらもご覧ください。
『癲癇(てんかん)』
何の前触れもなく、大発作ではじまることが多い病気です。
発作の見た目が激しいので、飼い主は気が気でありません。
突発性で、1度で済む場合もあれば、何度も繰り返す場合も。
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闘病に対する考え方を変えてみれば?
闘病に対する見方が変われば、掛ける言葉も違ってきます。
以下は、闘病に対する視点について書いたシリーズ記事です。
それは限られた時間を刻むこと
愛犬の闘病で悩む飼い主さんは多い。
それは見えない不安が、心にのしかかるから。
これからどうなる? いつまで続く? 医療費は?
見えないものは仕方ない。しかし、見えているものはある。
不安に怯えるのではく、どうか前向きに。
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出典
※本記事は著作者の許可を得て、下記のブログを元に再構成されたものです。