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【脱毛】飼い主には大問題、ペットの脱毛 ~別の病気が潜んでいる場合も~

こちら、オタ福診療所(仮) 
今回は:ペットの脱毛です。
ペットの脱毛

文|オタ福
 
はじめに

こんにちは、オタ福です。

今回は脱毛についてお話をしていこうと思います。脱毛は飼い主さんが気付きやすく、気になる病変であることから、ペットの脱毛について悩まれている飼い主さんは多いのではないでしょうか?
今回はそんな脱毛についてのお話です。

こんな方へ:
ペットが急に脱毛した|痒がっていない場合も|獣医さんが真剣に取り合ってくれない|病気が心配
 
【目次】 

脱毛は目立つので、悩んでいる飼い主さんは多いです。

私の周囲にもいらっしゃいます。うちの子は幸い無縁でしたが。

直接命に関わるものではないので、獣医さんも真剣に取り合ってくれないことが多いようです。

そういえばうちの子は、病気の検査で毛の一部を剃ったのですが、元に戻るのに相当時間がかかりました。

そうなんです。回復に時間がかかるものなので、脱毛は早めに対処した方が良いのです。

 

 脱毛はざっくり2つに分けられる

病気の説明

脱毛には炎症を伴うものと炎症を伴わないものの2つに大別されます。
炎症が起こっているか否かを知るのは簡単です。

炎症を伴う場合の見分け方
まずは脱毛部位とペットの様子を見でください。

炎症が起こっている場合、赤みや痒み、痛みを伴うケースが多いです。抜け毛が目立つ場所を頻繁に掻いていたり、舐めたりしている場合は炎症性脱毛の可能性があります。

脱毛部位が赤くなっていて、ペットが頻繁に気にしているようであれば炎症性脱毛を疑いましょう。

炎症を伴うわない場合は

一方で炎症を伴わない場合は、飼い主さんが「この子、抜け毛に気づいてないのかな?」と思うほど、ペットの方は無反応でスルーしています。

脱毛部位は赤くもなっておらず、痒くもない。
ただただ、毛だけが抜けていくのです。

そういった場合は非炎症性脱毛を疑いましょう。

 

 炎症を伴う脱毛って?

病気の説明

炎症を伴う脱毛の原因は感染症や自己免疫疾患、非炎症性疾患の二次感染であることが多いです。

感染症による炎症

皮膚の炎症を引き起こす病原体として、細菌や真菌(カビ)、寄生虫、ウイルスが挙げられます。これらは草むらや水たまりに入ってくっ付いてくるものもあれば、皮膚にいる常在菌が大繁殖して起こるものもあり感染経路は様々です。

炎症を伴う脱毛がみられた時は原因をしっかりと見極めなければなりません。その原因にあった治療を行なっていくことで、痒みや痛みは消え、皮膚の環境も改善されていきます。自ずと脱毛も落ち着いてくるでしょう

自己免疫疾患による炎症

動物は本来 "自己の免疫寛容" と呼ばれる特殊な機構によって自分の細胞や病原性のないタンパク質を攻撃する免疫細胞を排除する仕組みを持っています。

自己免疫疾患とはその免疫寛容が破綻してしまい、自分の細胞やとりわけ害のあるものではないのに「危険な異物だ!」と誤認し、自分の免疫で攻撃してしまっている病気です。

このタイプの病気で問題となるのが下記です。 

・アトピー性皮膚炎
・食物アレルギー
・ノミアレルギー性皮膚炎
・接触性皮膚炎(金属アレルギーなど)
・天疱瘡
・エリテマトーデス

 ●

これらの病気は本来見逃すべき異物やタンパクに対して、自分の免疫細胞が過剰に反応してしまい炎症を引き起こしてしまうのです。
結果、痒みを伴い掻きむしったり、毛包を攻撃して毛が抜けていくのです。

非炎症性疾患の二次感染

これはいわゆる "膿皮症" というもので一括りにされる疾患です。膿皮症は細菌感染による皮膚疾患とされています。

先ほど説明した自己免疫疾患を患っている動物で、ステロイドによる免疫抑制をかけている時あるいは内分泌疾患で免疫力が弱っている時に発症します。

この場合の注意点は「膿皮症の下に原疾患が隠れている」ということです。膿皮症の治療を進めつつ、膿皮症を引き起こした原因をしっかりと検査することが大切になります。

膿皮症の闘病記はこちらをどうぞ。

膿皮症に関する解説はこちらをどうぞ。

 

 炎症を伴わない脱毛って?

病気の説明

炎症を伴わない脱毛の場合、明らかにペットが苦痛を感じている様子もないため、もういいやとスルーしてしまう飼い主さんもいらっしゃいます。

しかし――、実は隠れた病気があるのかもしれません。

脱毛を引き起こす隠れた疾患

非炎症性の脱毛を引き起こす隠れた疾患とはホルモンの病気です。ホルモンのバランスと毛周期は密接に関与しており、ホルモンバランスが崩れると脱毛が発生する場合があります。

脱毛を引き起こすホルモンの病気は下記です。

・副腎皮質機能亢進症
・甲状腺機能低下症
・高エストロジェン血症(精巣腫瘍や卵巣腫瘍)

これらの病気の特徴は対称性に抜け毛が進行してくること、そして中〜高齢での発症が多いということです。

これらの病気の細かい解説は、今回は割愛します。
(ご要望があれば、記事化を検討いたします)

かかりつけの獣医さんにご相談されることもあるかと思いますので、病名はメモしておかれると良いと思います。

原因不明の脱毛

炎症を伴わない脱毛で一番話題になる(←"医学的には問題ではないとされる”)のが原因不明の脱毛です。

「なんかよく抜けるなー」と思っていると知らん間に治ってたという脱毛です。
病名としてはパターン脱毛や脱毛症Xなどが挙げられます。

これらの原因不明の脱毛は飼い主さんだけでなく、獣医師までも困ってしまいます。これらの病気はペットのQOLを下げるような病変は示さないため、ゆっくり長い目で見守ってあげることも大切かと思います。

原因不明の脱毛の闘病記はこちらです。

原因不明の脱毛に関する考察はこちらです。

 

 最後に

大事なこと

今回は脱毛に関して、炎症を伴うものとそうでないものに大別し簡単にご紹介しました。脱毛は "症状" であり、その下には脱毛を引き起こす原因となる "疾患" が隠れています。

この疾患を検査によって解明し、治療を行なっていくことで脱毛を改善させることができます。ぜひこの記事をご参考になさってください。

『オタ福の語り部屋』について

『オタ福の語り部屋』では、獣医さんではなかなか聞けない病気の解説をしています。医学資料では理解が難しいことや、資料が見つけにくいことを解説していますのでご参考になさってください。

 

――こちら、オタ福診療所(仮)つづく――

文:オタ福
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この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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