犬にだって嫌いなものはある
混合ワクチンから始まる2匹のお話
Review
カテゴリー:エッセイ
作者:かっぱ太郎
本作はフレンチブルドッグ、ちぃと れん の日常を綴ったエッセイ集です。
犬の図鑑を見ると、フレブル(フレンチブルドックの俗称)は、人懐っこくて、陽気で、ブルドッグのような頑固さが無くて、利口でと、”良い子” の側面が沢山書かれています。しかし全ての子が同じ性格であるわけもなく――
我々が散歩ですれ違うフレブルたちは、フレンドリーな子もいれば、初めから吠えかかって来る子もいて、1匹1匹性格は違っています。むしろ違っているのが当り前なのです。
本エッセイに登場する2匹、ちぃ と れん は、意外に頑固なところがあって、一度決めたら一途であるように見えます。嫌いなものはずっと嫌いなままで、段々それがエスカレートして、それがとても面白く感じるのです。
爪切りが嫌い、クレートが嫌い。人間からするとたったそれだけのことが、犬にとっては大事件。
そんなエッセイのシリーズが本話です。
【目次】
- 犬にだって嫌いなものはある混合ワクチンから始まる2匹のお話
- 犬にだって嫌いなものはある
- 混合ワクチンからはじまる2匹のお話(1話~3話)
- ちぃ と れん がうちにくるまで
- ちぃ と れん がうちにきてすぐ
- ちぃ の闘病記|心臓腫瘍編
犬にだって嫌いなものはある
犬だって、嫌いなものは嫌い
誰にも苦手なものがありますが、それが大嫌いのレベルになると、思わぬ問題が起きたりします。
フレブルのちぃちゃんは、爪切りが大嫌い。
家族は「爪切り」の発言もできません。
弟のれん君は、クレートが嫌い。
だから、遠出ができないのです。
混合ワクチンからはじまる2匹のお話(1話~3話)
1話|アットホームな父親
毎年秋は、ちぃと、れんに、混合ワクチンを打つ季節
いつもは夫婦で連れていくのですが、今年は夫が娘とお出かけの日。
さて、一人で大丈夫?
2匹と車では、色々と問題を起こすし。
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2話|うちにはうちの事情があって
1匹ずつの混合ワクチンは、まずは”ちぃ”からです。
寂しがりの弟、”れん”に気付かれないようにそっと外に出て――
その”ちぃ”は病院で、いつも興奮し暴れます。
おやつで気を引きながら、やっと注射を――
たかが予防注射?
色々事情があるのです。
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3話|注射よりもクレートが嫌い
動物病院では飼い主を『~ちゃんのお母さん』と呼びますね。
犬を飼い始めた頃は、それが不思議でした。
私が産んだわけではないのに-――と
さて2匹目、”れん”の予防注射。
クレート嫌いで「ひゅるひゅる」と泣くれん。
れんにはれんの事情があって――
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――犬にだって嫌いなものがある|まとめ――
作:かっぱ太郎、F.zin
▶ 作者の一言
▶ かっぱ太郎、F zin:犬の記事のご紹介
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解説:高栖匡躬
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ちぃ と れん がうちにくるまで
ちぃを迎える時のお話です。
本当は犬が苦手だった作者。
その作者が偶然、びっくりするほど大きな顔の犬を目撃しました。
哲学者のような振る舞いの犬――
月日がたたち、作者はその不思議な犬の置物に遭遇します。
先住犬の”ちぃ”は、どうもよその子に受けが悪い。
このまま犬の友達はできないの?
そんなとき、小さな白い犬を見かけたのです。
「ねえ、友達になってくれる?」
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ちぃ と れん がうちにきてすぐ
念願の犬は『ちぃ』と命名。
好奇心旺盛で、何でも口に入れるちぃ。
骨付きチキンを飲み込んだ時は、夜間病院へ――
やがて犬が、口で気持ちを伝えることを知る飼い主。
そうやって段々と、お互いが分かり合っていく。
ようこそ、我が家へ、ちぃ
先住犬『ちぃ』に続いてやってきた子犬。
名前は『れん』になりました。
『ちぃ』がやきもちを焼かないように、出会いを慎重に進めた家族。
その甲斐あって、『ちぃ』は『れん』に優しく接するようになります。
家族が願った通り、『ちぃ』には ”友達” ができたのでした。
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ちぃ の闘病記|心臓腫瘍編
もうすぐ10歳の誕生日、という初夏のある日
ちぃは、ごはんを食べなくなりました。
重度の貧血、そして脾臓に見つかった異変。
緊急の脾臓摘出手術で、ちぃは事なきを得た――、はずでした。
しかしそれは、ちぃの本当の闘病のはじまりだったのです。