ピーチーの闘病記:癲癇(てんかん)編
この日ピーチーは朝に癲癇(てんかん)の発作を起こし、主治医の動物病院に連れて行って、経過観察をしていました。病院で重積の発作が起きなければ、夕方には家に帰れるという状態です。
『夕方になって、迎えに行けるのか?』
飼い主としては心配ではありますが、何も出来ることはなく、ただ待つしかありません。
この時は、『そのままピーチーとはお別れになるかもしれない』と思っていて、例えそうで無かったとしても、お別れの日を意識した介護が始まるだろうと考えていました。
ネット検索で見る情報は、それを裏付けるような悲観的なものが多かったのです。
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結果を待つ時間が長くて、その間に『そうだブログを書こう』と思い立ちました。
どうすればブログが書けるのかも知らず、Googleで検索をして、初めに出てきたアメーバブログに登録して、すぐに書きはじめました。前回も書きましたが、それはピーチーとのお別れを意識した、思い出づくりというつもりでした。
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闘病ブログを書き始めたことで、色々なことが始まりました。
書き残した記録は、やがてピーチーの命も救ってくれることになります。
そしてその当時に書いた記事や、当時知り合ったブロ友さんたちとの交流が、Withdog(つまりこのサイト)を始める基礎になっています。
世の中は、不思議なものです。
当時のブログより
※文体は執筆当時のままです。
幸い今日(6月21日)はピーチーの経過が良かったので、ピーチーを病院から家に連れて帰ることができた。
まずは、今日のことを振り返ろう。
今度の発作は24時間の内に都合2回起きていて、1回目が昨夜(6月20日)の11時。突然だった。それも足をばたつかせて、失禁する大発作。
これまでで、都合4度目のことだ。
何度目、何回目と紛らわしいのだけれど、ピーチーの場合は、1度発作が起きると何回も繰り返す重積発作のタイプ。だから都合4度目とは言っても、発作の回数でいえば、通算で13回ほど起こしていることになる。
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2分ほどでおちついて、朝になったら主治医に見せようと思っていたら、早朝6時に2度目の大発作。
その後は極度の興奮状態で、家の中を全速力で走る走る。
こんな興奮状態は初めて。
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救急病院に電話をした後、タクシーを呼んで連れて行く。そこは『DVMsどうぶつ医療センター横浜』という、救命救急と二次診療が専門の病院だ。
タクシーの中でも暴れそうになるのを、バスタオルでくるんで両腕で押さえつけるような状態。ピーチーの体温が上がっているのもあり、こちらは汗だく状態。
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いよいよ処置室。しかし神経過敏になっているので、注射針がさせない。
ブルテリアは痛みに強い犬種なので、ピーチーはいつも狂犬病の予防注射を受けるとき、主治医や看護婦さんに遊んでもらっていると勘違いして、嬉しそうに尻尾を振り続けている。
しかしこの日は、まるで狼のような顔になって、マズルに縦皺をいっぱい寄せて吠える、吠える。
「おいおい、こんな怖いお前の顔は、14年間一度も見たことないぞ」
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DVMsで8時半まで様子を見て、またタクシーを呼んで、次は主治医のところへ。
なぜそんなことをするかというと、DVMsは二次診療を前提とする病院だからだ。ここで診てもらった後は、必ず主治医に後の処理を引き継ぐのが決まりだそうだ。
だから、この後で行った先は、ピーチーがいつも看てもらっている『大倉山動物病院』ということになる。
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重積発作(短い間に癲癇の発作が続くこと)が起きると、脳に重大なダメージを与える可能性があるので、夕方まで預かってもらって様子を見ることにしたのだ。
飼い主である僕は、心配しながら家で待機。そして、幸いにもその後に発作はなく、ピーチーはついさっき、無事に家に帰還した。
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これまでの薬の経過は次の通り。
2回目が5月3日(ここからゾニサミドを1日1錠×2回)、
3回目が6月1日(ここからゾニサミドを1日1.5錠×2回)、
そして今日6月21日(今日からゾニサミドに加え、臭化カリウムも)。
薬の容量が増えて行っているのに、発作の間隔が縮まっていることが気になる。
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これまで、MRI検査を受けさせるかどうか迷っていたが、やはり受けさせようと思い、予約を入れた。
最大の問題は、犬のMRIは全身麻酔なのだということ。
麻酔でそのまま亡くなってしまう子もいるらしいし、ピーチーは高齢。
どうするか迷ったが、発作の原因を探ることは重要と判断。
しかし、僕でさえMRIを受けたことがないというのに、お前はなんてセレブな子だ。
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もしもMRI検査の結果が最悪で、脳腫瘍と診断されたら、ピーチーは高齢なので、無理な治療はしないつもりでいる。それならそれで、残された命を有意義に活かす方法を考えてやりたいんだ。
これまでは少しでも長生きしてもらおうと、油も塩分も控えて、質素な食事しかさせてこなかった。でも実はピーチーはウニが大好物。
腹いっぱいというのは無理だけれど、週に1回くらいは食べさせてやりたいな。
月末がMRI検査。
どうなるかな、ピーチー?
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おまけ
ウニほどではないが、その次くらいに好きなのがケーキ
目の前にしたピーチー
※もちろん、ワンコ用のケーキです
――癲癇闘病記・発作は嫌いよ(2/31)つづく――
文:高栖匡躬
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――次話――
発作は嫌いよ|3/31
はじめての発作は、4月の早朝でした。
急にドスン、ドスンと暴れる音――
寝ぼけているのだと思ったのですが、そこには見たことのないピーチー。
意識なく上向きで宙を掻いていました。
『ピーチーが、死んじゃう』
震える指で、救急病院に電話をしました。
――前話――
発作は嫌いよ|1/31
我が家の愛犬、ピーチーの癲癇闘病記です。
それはある日突然の発作からはじまりました。
予備知識もなく駆け込んだ救急病院。
発作は1回限りのものかもしれず、まずは様子見だそうです。
――僅かな希望
しかし、発作はその後も繰り返し襲ってきました。
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最初は夏バテかなと思い、次に熱中症を疑いました。
かかりつけの獣医師も、熱中症との診たてでその治療を。
しかしピーチーの状態は悪化の一途。
ただならぬ状態に、未明の救命救急に飛び込み、そこで発覚したのが重度の肝炎でした。
結局後になって、それが自己免疫不全が引き起こしたと分かるのですが、まさか免疫の暴走が劇症肝炎を引き起こすなど、想像もしていませんでした。
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