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【癲癇|てんかん】問題は2度目の発作(5月4日) ~発作は嫌いよ(4/31)~

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ピーチーの闘病記:癲癇てんかん)編
ピーチーの癲癇闘病記

撮影&文|高栖 匡躬 (扉の写真は小さい頃のピーチー)
 
当時を振り返り

本話では、2度目の発作についてまとめています。

2度目の発作は飼い主にとって大きな意味をもっています。
1度目(はじめて)の時点では、それが突発性のもので1回限り。つまりもう2度と発作は起きないという可能性があります(実際にそういうことも多いらしい)。つまりまだ希望が持てているのです。

しかし2回目が起きるとなると、それは突発性とは言えなくなってきます。特に1回目との間隔がそれほど開いていない場合には。

ピーチーの場合はこの2度目が大問題でした。
1夜をまたいで、合計8回も発作が重積してしまったのです。

 当時のブログより

※文体は執筆当時のままです。

ピーチーに2度目に癲癇の発作が起きたのは、ゴールデンウィークの最中の5月4日だった。 最初の発作の事も、もう忘れかけていたころだ。

14:30
ピーチーが寝ていた部屋から、ドタン、ドタンの音。
駆けつけてみると、あの日と同じ発作だ。

「ピーチー!」
僕の声に、この日は休みで家にいた奥さんも飛んできた。
布団の上で失禁しているので、それ以上に汚さないように、床に移動させる。

前回DVMs(救命救急)の医師に言われたように動画を撮ろうとして、うちの奥さんに「携帯!、携帯!」と言うと、彼女は電話で主治医に電話を掛けようとした。それも当たり前だよね、携帯!って言ったんだから。
分かっているつもりでも、かなり動顛していたんだな~と思う。

発作が治まってから、主治医に電話をして指示をあおぐ。
これもまた前回と同じ回答で、「発作が治まった後では、獣医ができることはないので様子をみましょう。前回から約1か月開いているので、次にいつ来るかによって、対応を考えましょう」との事。

ピーチーは前回と同様に、不審げにウロウロと家の中をパトロールし、やがて寝入ってしまった。安定していそうなので、しばらく様子を見ることに。

16時くらい
またドタン、ドタンと言う音。発作だ。しかし今度のは先ほどのような大きな発作ではなく、割とすぐに回復。

ピーチーは自分に何が起きているかわからないので、不安そうな顔。

うちの奥さんが冷蔵庫からアイスを持ってきて、ひと匙食べさせると、はっと目に力が宿る。アイスって気付け薬かもしれない。ピーチーは少し自信を取り戻したようで、安心してまた寝りについた。

念のためにもう一度主治医に電話をしてみるが、回答は同じだった。
「様子を見ましょう」
今回はその言葉に続けて、「発作が続くようなら薬で鎮静化させる必要がありますから、連れてきてください」との事。

19:30
この日3度目の発作。

しかし、主治医の診療時間はすでに過ぎているので、連れて行くわけにもいかない。救急のDVMsに電話をしてみるが、ここでも「様子を見るしかありません」との事。
発作の程度が軽かったので、このまま見守って、朝いちばんに主治医に見せることにする。

そこからが大変だった。

翌2:30 4度目

5:00 5度目

7:30 6度目

DVMsに連れて行こうかとも考えるが、行くには中途半端な時間だ。なぜならもうすぐ9:00で、かかりつけの『大倉山動物病院』が始まるからだ。

「それまで頑張れよピーチー」
こちらは『先生(主治医)に診てもらうまで、もう発作が来ないでくれ』と祈るような気もちだ。ピーチーも不安そう。

しかし、願いもむなしく――

8:00 7度目の発作が来た。

今度は大きい。今までに見たことがないような激しさ。そして長い。大きく口を開けて、目がどこか遠くを見ている。このまま死んでしまうんじゃないかと思うほど苦しそう。

無理をしてでも、先ほどDVMsに連れて行けばよかったと後悔。
ピーチーは意識を取り戻したが、どこか今までの発作と違う。
大好きなアイスも食べない。

診療開始を待って、朝一で主治医のもとに駆けつける。
しかし、主治医からはまたしても同じ言葉。
「発作が治まっている以上、ここでは何も打つ手がない」との事で、「癲癇の薬を出すので、連れて帰って様子を見てください」と言われる。更に追い打ちで、「この薬は濃度が安定するまで1か月、最低でも2週間はかかります」との一言をもらう。

「ちょっと待って、先生」と僕は食い下がった。
「だんだん発作の間隔が縮まっているのに、2週間なんて待てないですよ。連れて帰ったら、きっとまた発作がきます。しかももっと大きいやつが来そうな気がします」

この一言に主治医が折れて、「それでは、念のために鎮静剤を打っておきましょう」と言ってくれた。

ピーチーを診察室に残して飼い主は一旦待合室へ。
そこで処置が終わるのを待っていると、主治医が出てきて「今日は一晩預かります」との事。

聞けば、鎮静剤を打っている最中に、また大発作が来たのだそうだ。そして1剤だけでは足りず、別の薬も追加して発作を止めたのだという。
「即効性のある薬を使っている最中に発作が起きるのは異常ですね」
とは主治医の言葉。

それでも、経過が良ければ翌日には連れて帰れるとのことで、その日はピーチーを残して病院を後にした。

頑張れよ、ピーチー。

おまけ 1

まだ生後2か月くらいのピーチー
このころは、猫の首輪をしてた

おまけ 2

嬉しいといてもたってもいられず、ほふく前進をしてしまうピーチー

 

――癲癇闘病記・発作は嫌いよ(4/31)つづく――

文:高栖匡躬
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――次話――

発作は嫌いよ|5/31

癲癇の大発作の後はとても困ったことがありました。
トイレのしつけが取れてしまうのです。
意識障害の1つでしょうか。
生命に関わることではないけれど、飼い主にとっては深刻です。
何しろ、家中がトイレになってしまうのですから。
さて、ピーチーは――

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――前話――

発作は嫌いよ|3/31

はじめての発作は、4月の早朝でした。
急にドスン、ドスンと暴れる音――
寝ぼけているのだと思ったのですが、そこには見たことのないピーチー。
意識なく上向きで宙を掻いていました。
『ピーチーが、死んじゃう』
震える指で、救急病院に電話をしました。

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――この記事の初回です――

発作は嫌いよ|1/31

我が家の愛犬、ピーチーの癲癇闘病記です。
それはある日突然の発作からはじまりました。
予備知識もなく駆け込んだ救急病院。
発作は1回限りのものかもしれず、まずは様子見だそうです。
――僅かな希望
しかし、発作はその後も繰り返し襲ってきました。

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