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【劇症肝炎】8月20日、早朝(その2)奇跡? 強運? 偶然? ~ピーチーが引き寄せた不思議なもの~

ピーチーの闘病記:劇症肝炎編  f:id:masami_takasu:20171208203624j:plain

撮影&文|高栖 匡躬
 
当時を振り返り

小康状態を得たピーチーについて、色々なことを思いました。
前回書いた、自己免疫疾患(自己免疫不全)に関することがその1つ。
それに加え、稀有な偶然が重なりあって、ピーチーが生かされているようにも思いました。

ピーチーは過去に、膵炎から併発した胆管閉塞で、死の手前から戻ってきました。
その時も、絶体絶命の綱渡りの末の生還。

今回も、その時と同じような、幸運を感じました。
劇症肝炎の始まりの頃、掛かりつけの動物病院の副院長先生がこう言いました。
「この子は、運を持っているから、またなんとかなるかもしれないわね」

それは、動顛している飼い主への、せめてもの慰めに聞こえました。
しかしそれが、現実のものになろうとしていました。

こんな方に:
愛犬が劇症肝炎|愛犬が急性の炎症性疾患|免疫疾患の可能性もある|治療方針の決断を迫られている|選択肢が乏しい|かかりつけの医師に任せるのが良いのか?|経験者の体験談を聞いてみたい

 8月20日、早朝(その2)

ピーチーは今度も、持ち前の強運を引き寄せたかもしれません。
いくつもの偶然が重なって、今の状況があります。

まだ道半ばなので、今の段階ではあまり詳しくはお知らせしませんが、ただ1つだけ、ピーチーに起きた3つの病変の順番が持つ意味について、書かせていただこうと思います。

ピーチーの病変は、時系列に沿って以下の発生順です。

1.てんかんの発症。しかも短期間のうちに重症化。
2.四肢の麻痺。しかも7月以降になって、急速に悪化。最後は歩行困難。
3.劇症肝炎。肝臓の値が僅か2日で、正常値から測定不能なほどの危険域に。

もしも、この発症の順番が違っていたらどうだったかと思うと、今でも背筋が凍ります。

 

 幾つもの”もしも”と、幸運”

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もしも劇症肝炎が最初に発症していたら

当然ながら、通常のオーソドックスな治療を選択していたでしょう。そして効き目が無く、次の治療に。そしてその次に……

肝臓の悪化のスピードから言って、ピーチーはもうこの世にはいないはずです。
手術を選択していたら、それよりもっと早く、ピーチーはいなくなっていたでしょう。

もしも四肢の麻痺が最初に発症していたら

ウイルス性でない多発性関節炎は、ピーチーの免疫不全を診断する最後の決定打でした。しかし、もしももっと早くに発症していたとしたら、老化かヘルニアと断定されて、免疫不全との関連性など、疑われなかったのは明らかです。
「ヘルニアの持病を持った高齢犬が、原因不明の劇症肝炎を発症した」
恐らく医師はそう言ったでしょうし、僕もそう断じたと思います。

きっと僕たちは、最も重要なサインの一つを、検査もすることなく、見落としていたに違いありません。

てんかんの発症が最初だったからこそ、ピーチーは何とか持ちこたえている

今となってみれば発端であったてんかんの大発作も、重症度が低いものならば、MRIの検査までは受けていません。悪化の速度が早かったことも、今となっては幸いしています。
症状が重く、悪化が急だったからこそ、「全く脳に病変が無いのに、こんなに急速にてんかんが悪化するのはおかしい」という疑問を、僕も医師も持ったのです。

 

 神様、もう少しだけ

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僕は信心深い人間ではありませんが、今回のことだけは、何だか見えない力が働いていたとしか思えません。そしてそれを引き寄せたピーチーの強運にも、本当に驚くばかりです。

実を言うと、ここで書いたことは、一連の幸運な出来事のほんの一部に過ぎません。その周囲と前後には、もっと多くの偶然が重なって今の状況があるのです。
ざっと考えただけでも、上記以外に少なくとも5つの偶然が重なって、ピーチーは今の小康状態を勝ち取っています。

そのことについても、いつか触れたいと思います。
もしもピーチーが回復したらの話です……。
今、それをお伝えししてしまうと、なんだかこれからの運を無駄遣いしてしまいそうな気がします。だから、その時が来るまでじっと黙っていようと思います。

神様、これから僕は、もっと真剣にお祈りをします。
仏様、もしもピーチーを治してくれたら、もうちょっと良いお供え物をします。
だから、もうちょっとだけピーチーを支えてください。
お願いします。

 

――【劇症肝炎】闘病記・つづく――

文:高栖匡躬
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――次話――

奇跡的に回復したピーチー。
この日、担当医から、退院の話が持ち出されました。
僅か4日前には、命の火が消える寸前であったのに――

――前話――

ピーチーの『自己免疫不全』は、実は多くの犬猫で生じているようです。
癲癇とか、臓器、関節の炎症という別々の病気として現れるのでやっかいです。
ペットが重大な疾患に見舞われた時、一度疑ってみても良いと思います。

まとめ読み|劇症肝炎闘病記 ②
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――本連載の第1話です――

この日早朝6時、愛犬ピーチーは救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
主治医からは、安楽死を勧められるほどの状態。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。

 ペットの闘病についてのヒント

闘病の奇跡は呼び込むもの

闘病記を読むと、奇跡的に治るという表現に時々出会います。
しかし奇跡は、待っていて起きるものではありません。
奇跡が起きる確率は、努力で上げることができます。

医師まかせにせず、とにかく情報を集めて分析する事です。
その中に、もしかすると答えがあるかもしれません。

セカンドオピニオンと二次診療

街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。

セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。

高度医療という選択肢

動物にも高度医療があります。
それは人間で実績のある治療を、いち早く動物医療に転用するものです。

医療は日進月歩。昨日治らなかった病気が、今日は直るかもしれません。
高度医療は病気を治す手段としては有効な選択肢です。

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