記録
一夜が明けた避難所 情報から孤立し、不安に包まれる作者と家族。しかし―― 「冷やっこい手ぇ。風邪ひくぞ」 そんな厳しい状況の中でも、作者は人の暖かみに触れます。 自分はこんな時、大切なものを守れるか? 人に優しくできるか? そんな事を考えさせられ…
未曽有の大震災が東北地方を襲ったのは、7年前の今日でした。 初めは何が起きたか分からず―― やがて中継が始まりました。 津波に映像に衝撃を受けたことを思い出します。 そして原発事故。 江戸川区に住む友人は、個人的に2台のガイガーカウンターを所有し…
作者からのメッセージ 愛犬の闘病に大切なことは、タイミングと選択肢です。 本話は、16話続いた『ルイの闘病記』のあとがきも兼ねています。 作者のまるさんは、自身の経験をもとに、闘病に大切なのはタイミングと選択肢だと語ります。 動物は口がきけない…
まるさんと、愛犬ルイの別れの話。 「ルイ!ルイ!」 私はルイを抱き上げ、何度も呼びかけました。 「嫌だ!」 別れの話はいつも切ないです。 しかし、闘病記で語られる別れにはどれも、飼い主が悲しみを乗り越えていく予感があります。 作者のまるさんは、…
そのまま続くと思われた闘病は、突如終わりを告げます。 まるさんの愛犬ルイは、突然に天国へ。 ――まるさんの言葉―― この日のことは今も鮮明に思い出します。 そして思い出すと涙が溢れてしまいます。 ――そして、ドッグイヤー。 良く聞き言葉です。 犬は全て…
闘病は文字通り、病気との闘いですが、同時に飼い主の心の闘いでもあります。 話すことのできない子と向き合い、小さなことで一喜一憂。 でも、小さなことを喜べるのは、とても大切なこと。 飼い主を喜ばせようとするその子に、応えてあげることだから。
作者のまるさんが今回心配しているのは、闘病中の食事。 療養食は美味しくないんですね。それは人間と同じです。 恐らく、闘病する飼い主さんは、似たような経験をしているはず。 限られた選択肢の中での工夫。 元気なときには、想像もできなかった苦労。
闘病で無視出来ないのが、費用、時間、投薬など 作者のまるさんが心配したのは投薬でした。 薬のカプセルが大きいために、喉の奥に押し込まなければなりません。 ――実は作中に登場するアトピカをいう薬は、うちの子に処方されたものと同じ。 あれは大変なん…
「ジャンプが嬉しかった」 その言葉に、我が愛犬を振り返る。 ――階段登るのが好きだったな。 ――3段跳びは、当たり前だった。 それが―― ほんの僅かの段差を登れずに、困った顔をしていたっけ。 切ないけれど、それもあの子の一生の一部だった。
闘病では、飼い主の心がゆらゆら揺れますね。 当たり前のようにできたことが、段々できなくなる。 その寂しさ――、切なさ―― しかし、出来なくなったはずの事が、時々できる。 その時の嬉しさといったら―― 小さなことが、とても大切に思えて―― 闘病記は、心の…
「どうして欲しいの?」 飼い主はいつも問いかけますね。 だけど――、愛犬は何も答えてくれない。 初めは言葉の通じぬもどかしさ。やがて自分の無力さを知る飼い主。 それでまた聞く―― 「どうして欲しいの?」 そうやって、心が通って行くのだと思います。
「参考にはなっても、なかなか役にはたちません」 飼い主&作者の、まるさんはそう語ります。 ネット上には、大量の情報が溢れているというのにね。 ――でも、飼い主は逃げ出せないんだよなあ。 と、我が家の闘病を振り返ってしまいます。
闘病時にも体調の浮き沈みがあります。 それは飼い主の気持ちの浮き沈みでもあります。 快復に向かっているのでは? そんな希望を持つのもつかの間で、体調はまた変化を―― 今日の散歩はどうだった? 食欲は? ウンチは? 闘病は小さなことが、とても大事なこ…
今回は多頭飼いならではの苦労の話。 愛犬の闘病中は、色々なことが犠牲になります。 通院時間、投薬時間を守るため―― 長時間外出できない、残業できないなどなど―― 実は当事者は、それを苦労とは思わないのですがね。振り返ると、大変なことをしていたんだ…
愛犬の病気に気付いた時には、かなり進行していることがよくあります。 犬は本能として、弱みを見せないようにするから。 そして犬は――、飼い主を喜ばすのに一生懸命であるから。 犬は病気の進行が早い反面、回復も早い。 だから、早く気づいてあげたいです…
愛犬の闘病中には、ちょっとしたことが気になります。 小さな仕草や食欲、排便…… どこか痛いの? 何が食べたいの? もどかしい毎日―― 飼い主は愛犬が送ってくる、小さなサインを一生懸命感じ取ろうとしますね。 うちでも、毎日話し掛けていた。 そんな日々が…
闘病の始まりは、変化の始まり。 通院の回数が増え、検査結果に喜んだりがっかりしたり。 決まった時間に薬をあげなきゃ。 療養食は美味しくなさそう。食べさせるのに工夫がいって―― その時は大変だって思うけれど、振り返るととても大切な日々。
獣医師から病名を告げられた飼い主は、とまどいます。 そしてそこから、検査の数値に一喜一憂する日々が始まります。 (ちょっとしたアドバイス) 愛犬の検査の結果は、きちんとまとめて、スクラップなさってください。 ――まるさんのように。 その数値の変化…
まだ7歳の、元気な愛犬でした―― ちょっとしたことで受診した、動物病院。 そこで告げられたのは、受け入れがたい深刻な病名と余命でした―― もの言わぬ愛犬の病気は、多くの場合、ある日突然に判明します。 その時の飼い主の動揺は、計り知れません。 ここか…
家に帰って3日目のピーチー。薬が多い事を除けば平穏な日々が戻ってきました。 劇症肝炎発症から、ジェットコースターのような1週間。 今振り返ると、3か月はあったような感覚です。 ピーチーを救ってくれたのは、二次診療と高度医療でした。
この闘病記の最終話です。 病院からの電話で、2日前の血液検査の結果を聞きました。数値はとても良くて、ほっと胸をなで下ろしました。 見た目は、何歳か若返ったような元気さです。 ここに至って、はじめて病気からの回復を喜ぶことができました。 「良か…
重篤な状態を脱すると、今後のことが気になってきます。 肝臓は急性の重篤な状態を脱しただけで、まだ炎症は続いている。 既往症であるてんかんとも、付き合っていかなけえばならない。 薬の量が、状況の難しさを物語っている。 しかし――、ピーチーは相変わ…
家に帰ってきたピーチーは、頭の上にパッと電球が点いたように、家の中に飛び込みました。 本人は、家に帰れると思っていなかったかもしれせん。 一通り家の中をパトロールして、安心したのか寝てしまいました。 その夜には、大好物のウニが待っていました。
――退院の当日―― 僅か数日前は危機的状況だったのに――と、不思議な気持ちでした。 迎えのために、タクシーで病院に向かう間も、まだ複雑な思いのまま。 相変わらず、病状が急変するかもという不安があったからです。 窓の外の景色を見ながら、「早く病院に着…
退院の日の朝を迎えました。 退院前の経過観察の1日は、どうやら何事もなかったようでした。 半分は安堵していながらも、半分はまだ喜べない複雑な思い。 まだ喜ぶのが怖い―― そう思いながらも、前日には退院の日のお祝いの、ウニを用意しました。 ウニはピ…
奇跡的に回復したピーチー。 この日、担当医から、退院の話が持ち出されました。 僅か4日前には、命の火が消える寸前であったのに―― ピーチーが先端医療の恩恵に預かったのは、これが2度目のこと。 二次診療、先端医療、どちらも重要な選択肢です。
愛犬が危機から生還するときは、何か特別な力が働いているように感じます。 症状が現れるタイミングや、検査の順番や、データの読み取り方など、ちょっとしたことで医師の診立ては変わってきます。 助かるのか? それとも助からないのか? それを分けるのは…
ピーチーの状況が改善していくにつれ、心には少しずつ余裕がでてきました。 そこで気になったのが、『自己免疫不全』です。 『自己免疫不全』は、多くの犬猫で生じているようです。 しかしその症状は1つではなく、癲癇とか、各種臓器の炎症、関節の炎症とい…
奇跡的に命を拾ったかに見えるピーチー。 快方に向かうのかどうか、確信が持てないまま、また一日が終わろうとしています。 まだ、素直に喜ぶことはできませんでした。 犬はどんなに苦しくても、まっすぐに飼い主を見ています。 体が動けなくても、目が飼い…
これまでに起きたことを、もう一度整理し、まとめました。 劇症肝炎は、劇的に改善されたように見えます。 「ステロイド投薬の効果が出ているのは、まず間違いないでしょう」 「これから数日はこれで押します」 担当医はそう言いました。 しかし、肝臓の状態…