ピーチーの闘病記:劇症肝炎編
愛犬ピーチーの退院はほぼ決まりと思われましたが、一晩様子を見てとのこと。何もなければこの日に退院のはずなのですが、飼い主は気が気でありません。
急激に始まった劇症肝炎なので、同じように急激にぶり返すことだってあるかもしれないと思いました。
ずっと喜ばないようにしていましたが、前日にそうとう我慢できず、ピーチーの大好物を買いました。家に帰ってきたら、食べさせてやろうと思ったからです。
しかし、それで運が逃げるのではないかと、やはり心配をしてしまいました。
そして――、一夜が明けました。
こんな方に:愛犬が劇症肝炎|愛犬が急性の炎症性疾患|免疫疾患の可能性もある|治療方針の決断を迫られている|選択肢が乏しい|かかりつけの医師に任せるのが良いのか?|経験者の体験談を聞いてみたい
8月21日、早朝 期待しすぎないように注意、注意
今日、もしかしたら、ピーチーはうちに帰ってこれるかもしれません。
でも、まだ当てにはしないようにします。今、当てにしてしまうと、外れてしまいそうな気がしますからね。
まずは、ピーチーのここ2日の検査結果を掲載しておきます。
BUN 尿素窒素 16.0 (基準値7.0~27.0)
CRE クレアチニン 0.5 (基準値0.5~1.8)
TCho 総コレステロール 306 (基準値110~320)
GLU 血糖値 116 (基準値70~143)
GPT/ALT 249 (基準値10~125)
ALP アルカリフォスターゼ >2000 (基準値23~212)
※測定器の上限値を超えたため、計測不能
ALB アルブミン 2.2 (基準値2.2~3.9)
TP 総蛋白 6.0 (基準値5.2~8.2)
P リン 3.9 (基準値2.5~6.8)
Ca カルシウム 9.6 (基準値7.9~12.0)
TBil 総ビリルビン 1.5 (基準値0.1~0.9)
GGT 24.0 (基準値0.0~0.7)
Na ナトリウム 157 (基準値144~160)
K カリウム 4.1 (基準値3.5~5.8)
Cl クロール 121 (基準値109~122)
GLOB グロブリン 3.8 (基準値2.5~4.5)
BUN 尿素窒素 16.0 (基準値7.0~27.0)
CRE クレアチニン 0.6 (基準値0.5~1.8)
TCho 総コレステロール 269 (基準値110~320)
GLU 血糖値 110 (基準値70~143)
GPT/ALT 210 (基準値10~125)
ALP アルカリフォスターゼ >2000 (基準値23~212)
※測定器の上限値を超えたため、計測不能
ALB アルブミン 2.3 (基準値2.2~3.9)
TP 総蛋白 5.8 (基準値5.2~8.2)
P リン 3.3 (基準値2.5~6.8)
Ca カルシウム 9.9 (基準値7.9~12.0)
TBil 総ビリルビン 1.1 (基準値0.1~0.9)
GGT 31.0 (基準値0.0~0.7)
Na ナトリウム 158 (基準値144~160)
K カリウム 4.5 (基準値3.5~5.8)
Cl クロール 120 (基準値109~122)
GLOB グロブリン 3.5 (基準値2.5~4.5)
●
この中では、総ビリルビンの数値が順調に下がってくれているのが、全体の調子が上向いていることを示してくれています。
素人が肝臓の様子を窺うには、人間の健康診断でもよく聞くGOTの数字があると良いのですが、それは測定されていません。
ピーチーの前の病気(胆管閉塞)の時もそうでしたが、医師は飼い主に掛かるコストを減らすため、無駄な検査はしません。恐らくはGOTは検査をするまでもなく高値と予想されているのでしょう。
病院からの電話はまだない
今の時点で、うちには病院から電話が掛かってき来ていません。
という事は――
昨晩のうちでは、ピーチーに急な状態の悪化はなかったという事です。
このまま連絡がなければ、午後にはピーチーを迎えに行けます。
退院祝いのウニを買いに行きました
ピーチーの大好物はウニ
昨日はうちの奥さんと近所のスーパーに行って、ピーチーの退院のご褒美にと、大好物ウニを買ってやりました。チリ産の安いやつと、北海道産の高いやつがありましたが、もちろん迷うことなく高い方を買い物かごに入れました。
8月26日のピーチーの誕生日には、僕も食べたことのないような、最高級のウニを食べさせてやるつもりです。
――【劇症肝炎】闘病記・つづく――
文:高栖匡躬
▶プロフィール
▶ 作者の一言
▶ 高栖 匡躬:犬の記事 ご紹介
▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介
Follow @peachy_love
●
――次話は以下です――
退院の当日――
僅か数日前は危機的状況だったのに――と、不思議な気持ちでした。
迎えのために、タクシーで病院に向かう間も、まだ複雑な思いのまま。
相変わらず、病状が急変するかもという不安があったからです。
――前話は以下です――
奇跡的に回復したピーチー。
この日、担当医から、退院の話が持ち出されました。
僅か4日前には、命の火が消える寸前であったのに――
●
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。
●
――本連載の第1話です――
この日早朝6時、愛犬ピーチーは救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
主治医からは、安楽死を勧められるほどの状態。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。
●
ペットの闘病についてのヒント
闘病の奇跡は呼び込むもの
闘病記を読むと、奇跡的に治るという表現に時々出会います。
しかし奇跡は、待っていて起きるものではありません。
奇跡が起きる確率は、努力で上げることができます。
医師まかせにせず、とにかく情報を集めて分析する事です。
その中に、もしかすると答えがあるかもしれません。
セカンドオピニオンと二次診療
街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。
セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。
高度医療という選択肢
動物にも高度医療があります。
それは人間で実績のある治療を、いち早く動物医療に転用するものです。
医療は日進月歩。昨日治らなかった病気が、今日は直るかもしれません。
高度医療は病気を治す手段としては有効な選択肢です。