犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

【二次診療/セカンドオピニオン】闘病に大切なことはタイミングと選択肢 ~これから闘病をなさる方へ~

【関連コンテンツ】

実感する二次診療/セカンドオピニオンの大切さ  二次診療とセカンドオピニオン

撮影&文|まる
 

 

もう2年前のことになります。
数日前まで元気に走り回っていた愛犬ルイが、突然に低アルブミン血症という名の難病を発症しました。
獣医師から告げられた余命は、たったの3年。

私はなんとかルイの命の期限を延ばしてあげたいと願い、その日から情報収集をする毎日が始まりました。

アルブミン血症は難病で、治療が大変難しく、同じ病気ではあってもその固体で症状はまちまちです。要するに治療法も症状に応じて、色々あるということです。

闘病の始まりはどの病気も同じですが、獣医師から治療の提案を受けることになります。提案された治療法で良くなればいいけれど、そうでないかもしれません。
結局のところ、最終判断は飼い主に委ねられるわけです。

ですから――
飼い主は必死で病気について調べ、悩み、そして迷います。
私も毎日が必死でした。

でも――
どんなに必死に取り組んでも、それが報われる保証はありません。

ルイの闘病は、たったの16日間。
皮肉なことに私のルイは、医師から告げられた短い時間よりも、遥かに早く旅だってしまいました。
私は、ルイが命を縮めてしまった原因は自分にあると、今も後悔の念に苛(さいな)まれています。ペットを飼うという事実の重さ、そして命を預かる覚悟が足りなかった自分を、自らの書いた闘病記を読みながら戒める毎日です。

もっと時間があったなら。
もっと、色々な治療をしてあげることができたかもしれない。
きっとルイは、小さなサインをギリギリ限界まで送っていたのだと思います。
何故それに、気づいてあげられなかったのか――

獣医師からも言われたのですが、治療が奏功するには、受診のタイミングが大きいようです。私は、そのタイミングを逃してしまったように思えてなりません。

おや?
おかしいな?
そう思ったとき、なぜ私はすぐに動かなかったのか――

犬の時間は、人間よりも早く進みます。
犬にとっての1時間は、人間の1時間とは違う。
1日ならば、なおさら
そんなこともわからなかった――
言葉を発せない動物だからこそ、飼い主がちゃんと見極めなければいけない。
それは全て、命を預かる私たちの責任なのです。

これから愛犬の闘病をなさる方に、ぜひお伝えしたいことがあります。
ちょっとした変化。
いつもと違う便、尿、食欲、呼吸。
様子が少しでも違うと気づいたら、すぐに動物病院に連れて行ってあげてください。

そして、もう一つ。
愛犬が重病や難病に罹った時には、その病気の専門医師のいる大学病院や医療センターで、高度治療を受けるという選択肢もあることを、どうか心にとめておいてください。

※これらの対応を行うことは、【二次診療】【セカンドオピニオン】と呼ばれています。

私のルイは、あまりにも闘病期間が短かかったので、その選択をすることはできなかったのですが、同じ病気で闘病されている飼い主さんのブログを拝見すると、治療がうまくいき、完治まで至らなくても、良好に経過が進んでいるワンちゃんたちは、そういった病院で受診されていることが多いように感じました。

最後にもういちど――
どうか皆さん、受診のタイミングをどうか逃さないでくださいね。
そして、選択肢を広く持ってください。

二次診療
主治医である動物病院では手におえない病気を、高度医療の技術、設備を持つ大学病院や専門病院で治療することを言います。
二次診療は主治医との連携の中で行われ、主治医の紹介の元に受診し、当面の対応(確定診断、治療)が済んだ後の経過観察や、薬の処方は、主治医が行います。
セカンドオピニオン
納得のいく治療法を検討するために、現在診療を受けている主治医とは別に、違う医療機関の医師に、「第2の意見」を求めることです。医療技術や治療方法の違う意思から意見を聞いた方が、選択肢の幅が広がるため、二次診療の機能を持つ病院で行うのが効率的です。

 

――了――

文:まる
 ▶ 作者の一言
 ▶ まる:犬の記事 ご紹介

――前話――

16話に渡った、ルイの闘病記の最終話です。

別れの話はいつも切ない。
しかし、闘病記で語られる別れにはどれも、飼い主が悲しみを乗り越えていく予感があります。
作者のまるさんは、どう思われたのでしょうか。

まとめ読み|ルイの闘病記 ②
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――ルイの闘病記の1話目です――

まだ7歳の、元気な愛犬でした――
ちょっとしたことで受診した、動物病院。
そこで告げられたのは、受け入れがたい深刻な病名と余命でした――

もの言わぬ愛犬の病気は、多くの場合、ある日突然に判明します。
その時の飼い主の動揺は、計り知れません。
ここから、飼い主のまるさんと、大切な愛犬ルイの闘病が始まります。

 ペットの闘病についてのヒント

闘病記は大切な情報源

ペット病気になった時、なかなか役に立つ医療情報が見つかりません。
通り一辺倒だったり、逆に専門的過ぎたり。
どれもこれも、現実的ではないのです。
そんな時に役に立つのが、飼い主さんが書き残した闘病記です。
飼い主目線での現実的な情報が有られることが多いのです。

セカンドオピニオンと二次診療

街の獣医師の技術と経験には大きな差があります。知識にも差があります。
なぜなら街の獣医師は、内科医であり、外科医であり、犬や猫だけでなく、ネズミも鳥も診察するのが役割です。病気ごとの専門医ではないのです。

セカンドオピニオンと二次診療は、街の獣医師の足りない部分を埋める、重要な手段と言えます。

 

© 2017 Peachy All rights reserved.