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【肺がん】3月25日、夕方 ピーチーの好きな木の棒を取りに ~うちの子が旅立つまでのこと(9/18)~【受容】

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ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編  f:id:masami_takasu:20180313134057j:plain

撮影&文|高栖 匡躬
 
当時を振り返り

この日、2つ目の記事を書きました。

自分で過去の記事を読んでみても、別れの覚悟が固まって行くのがわかります。
はじめのうちは、否定(または疑い)だったように思います。
やがてそれは、あるがままの全てを受け入れようという受容の時期に――

この頃は、それよりも一歩進んでいて、ピーチーとの別れをどのように意味のあるものにしてやろうかと、むしろ積極的とも言える考えに、変わろうとしていたように思います。

ものすごく長い時間のように感じました。
でも、この日はピーチーの変調に気が付いて、わずか10日しか経っていません。

覚悟と言うのは――、
その時になると、心中にあったものが、自然に固まるものなのでしょうか?
それとも、どこからか下りてくるものなのでしょうか?

 当時のブログより - 大好きな木の棒

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ピーチーは今、気持ちよさそうに寝ています。

実は今日は、主治医の先生に往診をしていただくつもりで、病院に電話をしたのですが、タイミングが悪くて今日だけは先生がご不在との事。明日には来ていただけるそうです。

というわけで、現在のピーチーの体調は、正確な状態がどうなのか分かりません。確実に階段を下っていることは、素人でも分かるのですがね……

仕方がないので、ここからは今日の朝からやったことをお知らせしておきます。

今日は朝早くに、僕一人だけで、何年もピーチーと通い慣れた散歩コースを歩きました。ちょっと思いついたことがあって、いつもピーチーと遊んでいた、公園に行きたかったのです。

ここは散歩の往路の中間地点です。
水道局の3階建ての屋上に作られていて、以前はエレベーターで昇りましたが、最近になってスロープができました。
作っている途中から、その坂道は足腰の弱ったピーチーのリハビリに良いなと思っていました。

ピーチーとその坂を登れたのは、たった一回きりでしたね。
まあでも、一回だけでもこれたから、良しってことで。

ここが往路の中間地点

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これ、公園とは思えませんが、公園なのです。

本当の目的の公園は、もっと先にあります。
ピーチーと一緒に過ごしたこの14年間で、1人だけで来たのはこの日が初めてです。

ここが目的の場所

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先程の公園よりもずっと広いです。

公園に入ってすぐの、正面広い野球グラウンドの右側。
そこにある広場の奥に、目的のもがあります。

それはピーチーとここで遊ぶために、長年ずっと同じ場所に隠していたもの。
ピーチーが大好きなだったものです。

何かというと、それはなんと!――――
ただの木の棒なのですけどね。

ここです。ここに隠してある。

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もう何年隠してあるでしょう?
最低でも3年はここにあります。

自画自賛させていただきますが、立木の枝にまるで本物の枝と見間違うほど、巧妙に置いてあるので、横浜市が立木の剪定をする時期にも、何度も無事に持ち去られることを乗り越えてきたました。

ピーチーが走れなくなって以来、この広場には来ていなかったので、まだあるかなと心配だったのですが……

ありました!

ピーチーが少しでも元気を取り戻すように、大好きな木の棒で、ちょっとだけでも遊んでやろうかと思ったんです。

でも――、家に帰って木の棒を見せたところ、ピーチーは興味なしでした。
前は、これ見ただけで、興奮していたのに……

ほら、お前の棒だよ!
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なんだか寂しいです。

 酸素マスクを作る

今日、その後でやったことは、ピーチーが酸素テントに入ってばかりだと、ビニール越しの対面ばかりになるので、携帯用の酸素ボンベの吸い口を使って、即席の酸素マスクを作ってやりました。

これです

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なかなか良いものができました。

これを使えば、酸素テントの外で過ごすことができるので、家族と一緒の布団で寝ることだってできます。

だから冒頭に『今は気持ちよさそうに眠っている』と書いたのです。

早速、うちの奥さんと一緒に寝てしまったピーチー

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ぐっすり

それと、ここ数年ずっと気になっていたことを、今日は遂に決行しました。
実はピーチーのアイパンチが、何年か前から白髪交じりでになって、「何だか年寄り臭いぞ」とずっと思っていたのです。
何度か染めようとしたのですが、染料は目に入るとダメらしいので、いままでは諦めていました。

今は可哀そうだけれど、顔を掻く仕草さえできなくなっています。
だから、丁度良い機会だと思い、今日はうちの奥さんに、マスカラタイプの白髪染めを塗ってもらいました。

これで白髪が消えて黒くなります。

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ほら、ぐっと若返ったでしょ?

その後の朝ごはんは昨夜に続いて、また、ローソンの『プレミアム・ロールケーキ』を食べさせてやりました。

パクリ

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あっというまの完食でした。

そんなこんなで、ピーチーにはまだ元気が有ります。
トイレにも頑張って、自分で行けてます。

 

 ペットの肺がんをもっと知るには

こちらの記事に、肺がんの概要を解説しています。
はじめて読むのに最適です。

この病気は激しい咳や、血痰を想像しがちですが、実はそれほど顕著な症状がでないことが多いようです。
ほんのちょっと息が粗い程度の場合もあります。
気になったら動物病院へ。

 

――うちの子が旅立つまでのこと(9/18)つづく――

文:高栖匡躬
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 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介

――次話――

この日は、ピーチーの月誕生日。
わが家では、ピーチーが劇症肝炎から回復してから、毎月誕生日を祝っていました。
「今月も生きてくれてありがとう」と。

ピーチーは呼吸が苦しい以外は、元気な状態。
肺がカートリッジ式ならいいのにね――

――前話――

この日のブログには、その時の、正直な気持ちを書きました。
「ピーチーが旅立った時、どうか『虹の橋』で慰めないで下さい」と。

ピーチーは全力で生きて、一生を駆け抜けた。
僕たちは、それを全力で見守った。

そんな終わり方に、してあげたかったのです。

まとめ読み|ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編②
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――本章の1話目です――

いつも元気一杯だったピーチー。
大病をしてから、体調に浮き沈み。
この数日も「ちょっと変」と思い、「”多分”、いつものこと」とも思っていた。
”多分”は段々と弱々しくなり、少しだけ嫌な予感も。
「今日は病院だな」と思ったのがこの日。

――この連載のはじまりです――

はじまりは、ほんの小さな予兆でした。
体の震え。ときどき息が粗い。食欲不振。
ピーチーは大病を大きくは2度経験してから、体調が悪いときがたまにありました。既往症もありました。
またかな? と思ったのが始まりでした。

他の闘病記もご覧ください。

胆管閉塞闘病記|闘病ブログ

ある日突然、我が家のピーチーを襲ったのは急性膵炎
危険な状態でしたが、幾つも幸運が重なって無事回復しました。
「良かった」と胸を撫でおろす飼い主。
――しかし、そうではありませんでした。
それは本当の闘病の始まりだったのです。

劇症肝炎闘病記|闘病ブログ

筆者の愛犬ピーチーは2014年8月16日の早朝6時、救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
ただごとではないと思いました。

振り返ると、異常を感じたのは8月10日の夜。
突然の体の震えと、食欲不振が恐らく前兆だったのでしょう。
このときは、掛かりつけの病院で、熱中症と診断。
その時には、肝臓の諸数値は正常値でした。

そして6日たち、16日の朝を迎えます。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。

自己免疫不全闘病記|闘病ブログ

2015年のある日、我が家の愛犬ピーチーを病魔が襲いました。
最初は夏バテかなと思い、次に熱中症を疑いました。
かかりつけの獣医師も、熱中症との診たてでその治療を。

しかしピーチーの状態は悪化の一途。
ただならぬ状態に、未明の救命救急に飛び込み、そこで発覚したのが重度の肝炎でした。
結局後になって、それが自己免疫不全が引き起こしたと分かるのですが、まさか免疫の暴走が劇症肝炎を引き起こすなど、想像もしていませんでした。

肺がんの医療記事です 

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