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【肺がん】3月28日、午後 生きようとする意思 ~うちの子が旅立つまでのこと(16/18)~【逝き方を選ぶ】

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ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編  f:id:masami_takasu:20180314195513j:plain

撮影&文|高栖 匡躬
 
当時を振り返り

ピーチーとの大切な時間は、刻々と過ぎて行きます。
かなり苦しい状態だと言うことは、見るからにわかります。

筆者は、安楽死は肯定しています。
賛成派というほど積極的ではありませんが、尊重すべき重要な選択肢であると思っています。

しかし、どの時点でそれを選択するのか?
それだけが分かりません。
神様が「今だよ」と教えてくれるのならば、迷わずそれを選択するでしょう。
それほどピーチーは、苦しそうに見えました。

 当時のブログより - 立ち上がろうとする意志

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今日のピーチーですが、まだ立ち上がろうとする意志が感じられます。
相当に体力が落ちているので、立たせても数歩しか歩けません。
それでもまた立とうとします。

どうした、どうした?

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とこ行くんだ?

食欲は無く、流動食も飲み込むのがしんどそうです。
ハチミツは口に入れてやると、美味しそうに舌をペロペロだします。
スポーツドリンクも、美味しそうに飲みます。

おいしいかい?

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ハチミツ

 

 安楽死について

お昼頃にピーチーは、ひどくつらそうな時間帯があり、そこで奥さんに安楽死の話をしました。今でも安楽死は選択肢の一つです。

その時です――
ピーチーが不意に、勢いよく上半身を起こす仕草をしました。
まるで元気な時のようでした。
『イヤ!』と言っているようで、驚きました。

「まだ一緒にいたいんだよ、きっと」
奥さんが言いました。
「そうだな」
そこでその話は終わりました。

ピーチーの体の力は益々失われており、酸素なしで動ける時間がどんどん短くなっています。刻一刻と最後の時が近づいているのだと思います。
2日前に主治医が言っていたように、本人は苦しいのでしょう。
それでも生きようと言う意志が見えるなら、最後までそれに付き合ってあげたいです。

今日はピーチーの目が虚ろだったのですが、横にクッションを置いて一緒に昼寝をしていたら、急に目がパチリと開いて、まるで「遊んでくれ」とでもいうように、体をよじりはじめました。 

ほら、こんな風に

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時々、目に生気が戻って来る瞬間がまだあるんです。

ふと思いついて、
少しだけ外の風に当たらせてやりました。

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ピーチーは分かっているのかな?

何がピーチーにとって幸せなのか、なかなか答えは見つかりませんが、苦しみの中で死なせるのは可愛そうな気がします。
しかしそれは、飼い主の一方的な考え方かもしれません。

夕方の18時までが、主治医の診療時間です。
もしも安楽死を希望する場合は、その時間までに決心しなければなりません。

今日はその時間までが、一区切りと考えています。

18時まで今の状態が変わらなければ、今日は何の決断もせず、夜はいつものように、ピーチーと一緒に寝たいと思います。

結果として、苦しみながらの死が待っているのかもしれません。

しかし――
それも一つの死に方であると思うし、それもまたピーチーらしいとも思います。

 

――うちの子が旅立つまでのこと(16/18)つづく――

文:高栖匡躬
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 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介

――次話――

安楽死を決断するリミットを過ぎました。
ピーチーに、大きな変化はありません。
そしてこの日も、一緒に寝ることにしました。
それは――
ピーチーが悶え苦しみ死ぬかもしれないという可能性を、受け入れることでもあります。
しかし――、それもピーチーらしいと思いました。

――前話――

前日の夜は、部屋の中でお花見をしました。
お弁当を買ってきて、シャンパンを開けて。

最後は絶対に泣かないと、ずっと前から決めていました。
笑顔で見送ろうとも決めていました。

意識レベルが下がっていくピーチー
少し寂しい思い――

まとめ読み|ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編 ③
この記事は、下記のまとめ読みでもご覧になれます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

――本章の1話目です――

いつも元気一杯だったピーチー。
大病をしてから、体調に浮き沈み。
この数日も「ちょっと変」と思い、「”多分”、いつものこと」とも思っていた。
”多分”は段々と弱々しくなり、少しだけ嫌な予感も。
「今日は病院だな」と思ったのがこの日。

――この連載のはじまりです――

はじまりは、ほんの小さな予兆でした。
体の震え。ときどき息が粗い。食欲不振。
ピーチーは大病を大きくは2度経験してから、体調が悪いときがたまにありました。既往症もありました。
またかな? と思ったのが始まりでした。

他の闘病記もご覧ください。

胆管閉塞闘病記|闘病ブログ

ある日突然、我が家のピーチーを襲ったのは急性膵炎
危険な状態でしたが、幾つも幸運が重なって無事回復しました。
「良かった」と胸を撫でおろす飼い主。
――しかし、そうではありませんでした。
それは本当の闘病の始まりだったのです。

劇症肝炎闘病記|闘病ブログ

筆者の愛犬ピーチーは2014年8月16日の早朝6時、救命救急に駆け込みました。
40度を越える高熱。ぐったりとして動けない。
ただごとではないと思いました。

振り返ると、異常を感じたのは8月10日の夜。
突然の体の震えと、食欲不振が恐らく前兆だったのでしょう。
このときは、掛かりつけの病院で、熱中症と診断。
その時には、肝臓の諸数値は正常値でした。

そして6日たち、16日の朝を迎えます。
この日から、命を賭けた闘病が始まったのでした。

自己免疫不全闘病記|闘病ブログ

2015年のある日、我が家の愛犬ピーチーを病魔が襲いました。
最初は夏バテかなと思い、次に熱中症を疑いました。
かかりつけの獣医師も、熱中症との診たてでその治療を。

しかしピーチーの状態は悪化の一途。
ただならぬ状態に、未明の救命救急に飛び込み、そこで発覚したのが重度の肝炎でした。
結局後になって、それが自己免疫不全が引き起こしたと分かるのですが、まさか免疫の暴走が劇症肝炎を引き起こすなど、想像もしていませんでした。

肺がんの医療記事です 

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