犬を飼うということ

いつまでも君と……

犬と煙草、どちらがお好き? どうやら両方は選べないらしい ~禁煙のススメ(前編)~

f:id:masami_takasu:20180326040951j:plain文:高栖匡躬

今日は、犬の受動喫煙のお話をします。
まずは、煙草とは無関係な、ちょっとした昔話から始まります。
春の選抜高校野球を見て、不意に思い出してしまいました。

少し前のことです。故郷に住む幼馴染が電話を掛けてきました。
「よう元気か?」
電話の先からは、懐かしい声がしました。
「オウ、元気だよ。お前こそどうなんだ?」
懐かしくて話がはずみました。旧友というのは良いものです。
そのうちに友人は、「実は――」と、本題を切り出してきました。

友人が言うには、我々の母校が甲子園に出場が決まったらしいのです。
うちの高校は野球の強豪校なのですが、どうにも本番に弱くていつも決勝止まり。その前に出場したのは、そこから更に10何年も昔のことでした。
「よかったなあ」と素直に喜ぶ私。しかし友人の口ぶりは重いままでした。
聞けば友人は、寄付金集めの役員に指名されて、同窓の取りまとめ役をやらされているのだそうだ。

「集まりが悪いんだよ。お前、寄付に一口乗ってくれるか?」
「ああ、もちろんだよ」
そう言うと、友人の安堵した空気が受話器越しに伝わってきました。
よく分かります。こういう話は持ち掛けにくいのです。特に友人同士の場合は。

 

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それからです――、ちょっと気になることがありました。
電話の先から、煙草の煙を吐くフーという音と、時折氷がグラスで遊ぶカランという音が聞こえはじめたのです。
酒を飲みながら電話をするのは、切り出しにくい話に勢いをつけるためだったのでしょうね。可愛いものです。

しかし、タバコはいただけないです。

友人は犬を飼っていました。
小型犬で、記憶ではミニチュアダックスだったはずです。
電話でそのフーの音を聞くたびに、その犬種の顔がチラチラ浮かんできました。

丁度筆者はある記事を書くために、犬の受動喫煙の実態について、調べ始めたところでもありました。そこそこに知識を得た直後だったので、尚更です。

その友人はずっと前、子供が生まれた時に煙草をやめたはずでした。
若い頃から何年も、何があっても煙草をやめなかった奴が、スッパリと煙草を断ったのです――
酷い風邪をひいているときにも、咳き込んでえずきながら、飯も食わずに煙草を吸っていた奴がです。

煙草>飯 (これが元々)

それが、急に喫煙をやめたのものだから、余程子供が可愛いのだろうと、当時は感動したものでした。

子供>煙草 (しかし、変われば変わるもの)

「おまえんちの息子は、何歳になったんだ」
もうそろそろ高校生になるかと水を向けたのですが、さにあらんや。なんと前年に大学を卒業してもう社会人なのだそうだです。家を出て1人暮らしを始めたと言います。
時の流れの速さを実感した瞬間でした。

つまり友人は――
子供が成長してから、また煙草に戻ってきたというわけです。

――またフーの音。

 

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「おまえんち、犬を飼っていたよな」
気になって仕方が無くて、とうとう訊いてしまいました。
前に電話で話したときに、『大きくなって言う事を聞かなくなった子供より、犬の方が数段可愛い』と、言っていたことを覚えていました。

犬>子供 (まあ、これも良くある話)

「ああ、いるよ。もう老犬だけどな。可愛くて仕方がない」

――そして、またまたフー。

「お前、犬の受動喫煙が危ないのを知っているか?」
そういうと友人は、「えっ」と言ったきり、黙りこみました。
実際、犬の受動喫煙は、6倍も危ないと言う記述も見たことがあありました。その話も友人に教えてやりました。
「まじかよ」
と、友人は言いました。

少し前の、友人の頭の中は、こういう優先度だったはずです。

犬>子供
子供>煙草
――3つを並べると――
犬>子供>煙草

ところが子供が巣立って、受動喫煙のリスクが無くなったとたんに、この図式が混乱してしまったという事なのでしょう。
優先度の基準だった子供が、突然目の前から消えてしまった訳です。

煙草>犬 →子供は優先度の圏外へ

本人は犬が一番大事だと言っていたくせに、いつの間にか、煙草を優先することになってしまったわけです。
まあ、受動喫煙の事を知らなかったというのはあるでしょう。

筆者は「犬が可愛ければ、煙草はよした方がいいぞ」と言ってやり、友人は「考えておく」と答えました。もしかすると、少し気分を害したかもしれないなと思いましたが、友人と愛犬のことを考えて言ってあげたことです。仕方ありません。

友人との電話は、そこで終わりました。

 

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それから筆者は、更に犬と受動喫煙について、調べて見ました。
それが犬にとって悪いとは知っていましたが、詳しい裏付けデータまでは、追いかけていなかったからです。

そこで初めて知った事ですが、犬の受動喫煙は、思った以上に深刻な問題を孕んでいるようです。日本の文献(データ)はほとんどないのですが、海外を検索すると、読む気がなくなるほど、沢山出てきます。

日本で受動喫煙の記事があまり多くないのは、出典元となる一次データが、主に海外の文献なので、引用しづらいということなのでしょう。

しかし改めて考えてみると、そういった文献を読むまでもなく、人間よりも犬の方が、受動喫煙の害が大きい事は、(専門家でない我々にも)容易に想像がつくことでもあります。

煙草の煙は空気に較べて比重が大きいために、低いところ(つまり床に近いところ)を漂うことになります。つまり犬のいる位置であり、小型犬ほどそのリスクは大きくなるということです。

しかも最近は受動喫煙の中に、3次喫煙(THS:third-hand smoke)という、新しい定義まであります。犬の場合は人間と較べて、3次喫煙はより深刻な問題なのだそうです。

そう知ってから注意して調べると、驚きです。
「外で吸えば良いだろう」
「換気扇を回しながら吸えば良いだろう」
という、一般に信じられている定説が、一気にファンタジーになってしまうような内容でした。

――特に犬の場合は!

次回は本話の続きで、データ編として、犬の受動喫煙の研究データについて触れて行こう思います。喫煙者の方は、どうか覚悟してお読みくださいね。

そして、もしかすると、禁煙の切っ掛けになるかもしれませんよ。
(因みに、筆者もかつては喫煙者)

 

――禁煙のススメ(前編)・つづく――

――次話はデータ編――

(ライター)高栖匡躬

――次話です――

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