犬を飼うということ

Withdog 犬と飼い主の絆について

悲しみと悩みは別のもの ~悩みって何だろう?(1/2)~【越えられるものと、越えられないもの】@

愛犬の闘病:悲しみと悩み、似てはいるけれど
闘病_飼い主の悩みとは

文|高栖 匡躬 表紙|老犬アルバム No.87 こたろうさん

 悩みについて考えてみる

今回は”悩み”について考えてみたいと思います。我々は何か困難な状況に直面すると、”悩み”と一口に表現してしまいがちに思います。筆者もその一人です。

改めて考えてみると、”悩み”と括った思いの中には、”悲しみ”とか、”戸惑い”とか、時には”怒り”のような感情まで含まれているように思います。

それを”悩み”だと考えると、捉えどころがなく、解決のしようのないもののように思うのですが、”悩み”の中身を分解して、1つ1つ考えてみたら、意外にそのうちの幾つかは、解決してしまいそうにも思います。

本記事を書くことにしたのには切っ掛けがありました。
公開済みの過去記事の中で、『悩みの値段』と、『悩みの賞味期限』 について、読者の方からご意見をいただいたからです。

両記事には主に以下のことを書きました。

・悩みは主観であり、本人の気持ち次第で大きくも小さくもなる。
・時に悩みは無限の大きさにも見える。
・悩みを客観視的に見れば、それは有限になり、解消に近づけられる。
・悩みは時間的にも無限ではなく、それは誰もが経験上知っている。
・これまでの悩みを解決してきたのは、外ならぬ自分である。
・今の悩みは何時か必ず消える。それを消すのも自分である。
・そう考えることで、今の悩みに対して前向きになれるのではないか?

本記事と次回記事では2回に渡って、読者の方からいただいたご意見に沿って、”悩み”の再考察をしてみたいと思います。

扱う題材の性格上、本記事は少々回りくどい説明があります。ご容赦を。

【目次】

 

【ご意見】愛犬の命が掛かった悩みを、ほどほどになんて出来ない

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ご意見をいただいた記事はこれです。

記事の内容:
悩みは絶対的なものではなく、常に相対的。ならば今抱えている悩みを、悩み以外の他のものと比較(対比)してみると、悩みは和らぐのではないか? 
そんな手段を使ってでも、悩みはほどほどにしておいた方が良い。特に愛犬の闘病に於いては。――という提言。
読者:てんルナお母さんからのご意見
愛犬の命が掛かった悩みを、ほどほどになんて出来ない。
(お金で解決できる悩みならいざしらず)

いただいたご意見を考察するのは後にして、引き続き、次のご意見を先に挙げます。

 

【ご意見】悲しみは深く人それぞれ。ひとくくりには語れない

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ご意見をいただいた記事はこれです。

記事の内容:
人間は悩みを自然に消化(昇華)していくもの。それはせいぜい1年くらい。何故なならは、あなたは去年の今の悩み事を覚えていないはず。
永遠の悩など無いと分かれば、限られた時間を、愛犬のために費やすことだってできるはず。――という提言。
読者:しゅうさんからのご意見
愛犬を亡くす悲しみは人それぞれで、ひとくくりには語れない。
簡単に解消できるものではない。

悩みに関する上記2つのご意見は、きっと同じように感じられる方が多いように思います。

以下に、ご意見について考察してみたいと思います。
”悩み”を分解して考えていくと、一括りに”悩み”と考えていたものが、すぐに解決できそうなものと、そうでないものに分類かれることがお分かりになると思います。

 

 悩みって何?

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上記つのご意見は、同じ課題が根底にあるもののように思います。
ポイントは、 ”悩み” をどうとらえるかという事ではないでしょうか。

さて、”悩み” とは何だろうかと、考えてみた事はありますか?
改めて考えると、”悩み” は一口に説明ができないもののように思います。
幾つもの不安が混じりあった、とても曖昧なものを、我々は”悩み”と呼んでいるのではないでしょうか?

例えば、愛犬の(重い病気との)闘病では、悩みの中身は、たった一つではありません。下記のような幾つもの不安が組み合わさっているのだと思います。

不安の一例
 ・いつかは別れがくるという不安
  ・今の介護は、間違っているんじゃないかという不安
  ・いつまでその介護が続くんだろうと言う不安
  ・高額な治療費への不安
  ・その子がいなくなったら、どんな生活になるのかという不安
   ……
   ……

そして、悩みは実体がなく曖昧な分、どこまでも際限なく大きくなり得るもののように感じます。

 

 悲しみと悩みは、別のもの

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ここでもう一つ考えてみたいのは、 ”悲しみ” です。
”悩み” ととても近い言葉なので、まるで悩みの中の一部のように感じがちなのですが、”悲しみ” と ”悩み” は、別物として考えられるように思います。

例えば、こんな風にです。 

 悲しみと悩み
  愛犬が死んでしまった → 事実(現実) → 悲しみ
  愛犬が死んでしまうかもしれない → (将来への)不安 → 悩み

”悲しみ” は現実なので、直視ができるものなのですが、”悩み” は曖昧なものなので、直視のし様がないように思います。
もっと踏み込んで言えば、”悲しみ” は現実なので、対応ができるのだけれど、 ”悩みは” は捉えどころがないものなので、対処できにくいとも言えます。

 

 悲しみは、乗り越えられるもの

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”悲しみ” と一口に言っても、千差万別なので、ここでは死別の悲しみに焦点を絞ります。恐らく死別の悲しみというのは、悲しみの中でも、もっとも大きいもののように思います。

人間は一生の内で、何度も死別を経験します。愛犬だけではありません。両親や親類や親しい友人などとの別れです。

筆者の経験では、これまでに何度も死別の悲しみを乗り越えてきています。皆さんもそうではないでしょうか?

悲しみは、乗り越えられるものなのだと思います。

乗り越えるというのは、忘れるという意味ではありません。
後でも書こうと思いますが、悲しみは忘れられるものではないですね。

もう一度自分に照らせば、悲しみは心の奥の方にきちんと残っていて、増えても減ってもいません。ただ、いつでもそれを取り出したり、仕舞ったりできるようになります。

多分、それが乗り越えるという事のように思います。

 

 もしも神様がいるのなら

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別の考え方をしてみましょう。

もしも神様がいるのだとしたら、人間を造る時に、一生で何度も経験するはずの死別が、乗り越えられないようにするわけがないように思います。

どうか悩みと悲しみを、分けて考えてみてください。

今、闘病をしている方は、解決できそうにない、形の無い大きな不安が、意外に整理できてくるのではないでしょうか?

また愛犬を看取り、ペットロスの中にある方にとっては、心に負ったダメージの中身が見えてくるように思います。これから癒えていくものと、これからも癒えそうにないものが見えてくれば、今よりは心が軽くなるのではないでしょうか?

~この話は、次話に続きます~

 

―― 悩みって何だろう?(1/2)つづく――

文:高栖匡躬
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 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介

――次話――

”悩み”の中に含まれているもの。
”悲しみ”、”寂しさ”、そして”後悔”
”悲しみ”は時間に癒され、いつか”寂しさ”に変わり、意外に楽しめる。
しかし――
”後悔”だけはいただけない。
ずっと苦しむだけだから。
”悩み”の中身を、分けて考えたら良いんじゃないかな、悩んでいないで。

まとめ読み|視点の変化で闘病は変わる・悩みって何だろう?
この記事は、下記のまとめ読みでも読むことが出来ます。

週刊Withdog&Withcat
この記事は、下記の週刊Withdog&Withcatに掲載されています。

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