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【まとめ】ピーチーの闘病記:肺がん・看取り編 ② ~うちの子が旅立つまでのこと~

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ピーチーの闘病記:
肺がん・看取り編 (7話~12話)
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Review
カテゴリー:闘病記
作者:高栖 匡躬 

「ピーチーを”良く”看取ってやろう」
そう気持ちは、切り替わっていました。
これまでは、全力でピーチーの命を救う闘病をしてきたつもりでした。
しかしもう、「全力で看取る時期」なのだと、肌で感じていました。
この日書いたのは、『虹の橋』のことでした。

【目次】

 肺がん闘病記

第7話|3月24日|酸素ジェネレーターが届きました

この日、酸素テントが届きました。
まさか、それを使う日が来るとは――
2週間前は散歩に行って、木の棒やボールを見せたら大喜びで、飛びついていたのに――
しかし、それを嘆く暇はありません。
目の前で起きていることは、現実だから――

第8話|3月25日、早朝|ピーチーは虹の橋を渡らない

『虹の橋』は良い詩だと思います。
沢山の飼い主さんの心を、救ったことも知っています。
しかし――
ピーチーとわが家には、どうも似合わない――
「センチメンタル過ぎるよなあ、この子には」
そう思っていました。
うちの子は――
ピーチーは――
オトボケなのですよ。とっても――

だからこの日のブログには、その時の、正直な気持ちを書きました。
「ピーチーが旅立った時、どうか『虹の橋』で慰めないで下さい」と。

ピーチーは全力で生きて、一生を駆け抜けた。
僕たちは、それを全力で見守った。

そんな終わり方に、してあげたかったのです。

第9話|3月25日、夕方|ピーチーの好きな木の棒を取りに

2年前の今日、2度目のブログを更新しました。
刻々と状況が変わるピーチー。
”生きている”ピーチーを、記録しなければと思っていました。

この日の午後は、ピーチーと14年間通い続けた公園に行きました。
ピーチーが大好きだった、”木の棒”を取りにいったのです。
もう一緒に来ることはないと思うと、寂しくなりました。

ここから――
時間がとてもゆっくりと流れ始めました。
とても濃密な時間でした。

第10話|3月26日、午後|今日はピーチーの月誕生日

この日は、ピーチーの月誕生日。
わが家では、ピーチーが劇症肝炎から回復してから、毎月誕生日を祝っていました。
「今月も生きてくれてありがとう」と。

ピーチーは呼吸が苦しい以外は、元気な状態。
肺がカートリッジ式ならいいのにね――

第10話|追記

選択をすることと、選択をしたら迷わないことが、愛犬にしてやれる最大の誠意だと思っていました。
悩みも苦しみもあったけれど、全てが良い思い出です。

決断はある意味では、飼い主冥利でもありますね。
お前の命は預かる。何があっても受け止めるよっていう気持ちですね。

あれは、今思い出しても、充実した時間でした。
そして、いつまでも続けばいいと思っていました。

神様に、もう1回やるかと訊かれたら、喜んでやるって言いますね。
介護は我が子を味わい尽くす時間なのだと思います。

第11話|3月26日、夜|ピーチーは不思議な子

この日の夜。恐れていたことが起きました。
ピーチーが、大好物のウニを食べなかったのです。
いつでもどんな時でも、目を輝かせたウニ。
――とうとうその日が。
そして――
ピーチーを14年診てくれた主治医からは――
安楽死を示唆する言葉が。

第12話|3月27日、未明|最後の力を振り絞り

安楽死のことは、ずっと頭にありました。
主治医に言われたからではありません。
不思議に思われるかもしれませんが、ピーチーが若いころから既に、「いつか老いて別れの日が来るのだ」と考えていました。
安楽死は重要な選択肢なのだと、ずっと思っていました。

言うまでもなく、安楽死は肯定派です。
何故か?
否定をしていると、万が一その選択をするときに、それが苦悩に満ちたものになるからです。
迷いの中で、ピーチーを死なせたくはない。
愛犬の死に方は、飼い主が堂々と選択する――
それが誠意なのだと思いました。
尚、肯定派=積極派ではありませんので、念のため。

 

 ペットの肺がんをもっと知るには

こちらの記事に、肺がんの概要を解説しています。
はじめて読むのに最適です。

安楽死について思う

安楽死を選ばない場合と、選ぶ場合で起きる事を明確に書くと下記のようになるはずです。

選択肢①:安楽死を選ばない
それは、愛犬が苦しみながら死ぬ可能性がある。
たとえそうであったとしても、正面から受け止めること。
選択肢②:安楽死を選ぶ
それは、確実に別れ瞬間に立ち会えることと、安らかな死を得られる。
その代わりに、自らが愛犬の死を確実にすること。

同じ重み。そして飼い主の生きざまでもあります。

安楽死は、賛成/反対どちらであったとしても、考えておくことが大事だと思います。
いざと言う時に、予備知識なしに判断なんてできませんからね。
愛犬の命(言い方を変えれば死に方)を背負うのは、飼い主の務めだから、それは仕方ないことです。飼い主冥利と思って、笑って受け止めるしかありません。
愛犬はきっと、黙って飼い主に命を預けてくれます。

わが家は良いお別れだったので、今でもそれを思い出す度に元気をもらう感じです。
安楽死を選ぶ場合は、堂々とそれを選択するつもりでした。
その前に、もがき苦しんで死ぬことがあったとしても、それはそれ。
真正面から受け止めてやろうと決めていました。

安楽死は悪いものでないというのが、筆者の持論です。
それを選んだ飼い主さんは、とても偉いと思います。
何しろ、”選んだ” のですから。
選べず、迷ったままで、結果が出てしまうのは、自分としてはいやでした。
命を預けてくれているのだから。「確かに預かったよ」と、愛犬には言いたかったですね。

作:高栖匡躬
解説:高栖匡躬 
 ▶プロフィール
 ▶ 作者の一言
 ▶ 高栖 匡躬:犬の記事 ご紹介
 ▶ 高栖 匡躬:猫の記事 ご紹介

――次のまとめ読み|肺がん・看取り編――

別れを悟り、決心したこと――
「笑って見送ってやろう」
楽しく過ごした14年と7か月。
最後のご褒美は、絶対に笑顔だと思いました。
そのために気持ちを整理し、組み立てて――
それが我が家の看取りでした。
楽しかったな、ピーチー

――前のまとめ読み|肺がん・看取り編――

最初はちょっと息が荒いだけ。
念のため病院に行ったけれど、待ち時間はボール遊び。
まさか、12日後に別れが来るとは思いもせず。
毎日が楽しくて、まるで子犬がうちに来たみたな気付きが日々あって、
あの時は楽しかったな、ピーチー
お前はどうだ?

――最初のまとめ読み|看取りのときへのプロローグ――

我が家のピーチーは肺がんでした。
爽やかに駆け抜けた一生だったと思います。
今回は前文として、
看取りの記録を残す意義などを――
犬も猫もただ去っていくのではく、何かを残していきますね。
それは、きっと悲しみではないと思うのです。

肺がんの医療記事です 

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我々は、看取りの内容に囚われてしまいがちです。
良く看取れたのか? そうでなかったのか?
別れのあとも、ずっとそれを考えてしまいうのです。

別れは特別なものではなくて、生き物には必ず訪れる自然なものです。
必要以上に重要に考えないことが、大切なように思います。

看取りをもっと積極的に捉えられるように、このコラムを書きました。

 

 

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